出版社をどう選んだら良いのか?

漫画家になるには「出版社に持ち込み」をする他に、最近ではぼくの様な「WEBなどで作品を発表してお声がけ頂く」方法が定着してきた感じがします。買って欲しい人への「飛び込み営業」で自分を売るのか、「オークション」で自分を売るのか、みたいな違いがあるかと思います。

「WEBから」はそんな「オークション」形式なので、出版社が複数社ついてくれる事がよくあります。しかし、実際はそう幾つも同時には連載できないので、いくらモテてもあんまり優位性は無いかと思っていました。

ただ、最近はハッキリした優位性が一つあるなと思う様になり。それは、何か新しいアイデアが出た時に、適材適所どこに持って行ったら良いのか悩める点です。

漫画の編集さんは、現在8雑誌ほど付き合いがあって、最近は小説の編集さんも付いて頂ける事になりました。そうすると、今度は漫画だけじゃなくて小説でやるパターンも選択肢に入れる事ができます。

ぼくはメディアに合わせて作風をチューニングするのがあまり好きではありません。というか、多分あんまり得意じゃなくて。チューニングが極端になってしまう傾向があります。

ジャンプ本誌の編集さんに「あまりジャンプとか気にしないで描いて見てください」って言ってもらったのに、もうどっかで読んだ事のある劣化版なんちゃってジャンプ漫画描いちゃって、黒歴史になっています。逆に公開したい、あれ。

「左ききのエレン」は原作版の途中から「これ実はジャンプ漫画の要素ある」って言われ始めて、ニューヨーク編あたりでしょうか。その経緯から「少年ジャンプ+」にリメイク移籍をさせて頂く事になりました。描いて見た後に、案外この媒体に合ってるな、みたいな感じで。これが、最初から「少年ジャンプ+」のために描いてくれって言われてたら、もう十中八九デスゲームを描いていたと思います。どこかで見た事のある劣化版デスゲームを。だから、媒体のためにチューニングするのが上手く無い。

既存のメディアから着想を得るのではなく、最適なメディアを新しく考える事を広告業界では「メディアニュートラル」と言いますが、メディアニュートラルで作家活動はできるのか、という話を有料版では書きます。

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