「左ききのエレン」を描き始めた理由と、描き続ける理由。

左ききのエレン・0巻の執筆中です。50Pばかし描き終えて終わりが見えてきました。何度か心が折れそうになりましたが、いけそうです。ちなみに締め切りは昨日でした。広告業界に居た悪い癖で「本当の本当は、締め切りいつ?」って聞きまくって延ばしてもらいました。

0巻の内容は、前回のnoteでも描いた通り「シリーズ全体を通しての最終回」です。最後のエレン。章のタイトルは、初めて言いますが「光の手紙」にしました。

そういった内容なので、初心に帰るじゃないけど、そもそもどうして「左ききのエレン」という物語を描き始めたんだっけ?と考えながら描いてます。

この漫画は結構メタ表現が多いんですけど、本当はもう全部メタというか「本気出して、それから諦めろ」と言いながら描いてる事自体が、ぼくが子供の頃に漫画家になりたいなーってフワッと思いつつ結局そのための努力をろくにしないまま大人になった事に対して、この漫画を描いてるという気持ちで。

身も蓋もなく言ってしまえば「かっぴーは、エレンを描き始めた事で漫画家になり、エレンを描く事で漫画家という夢を本気で諦めようとしてる」という事です。叶えようとしてるんじゃなくて、諦めようとしてるんです。これはネガティブな思考では無くて「こんだけやったんだから、ダメでも悔いが無い」と心の底から思える事をやろう、という意味で。「死ぬ気で生きる」みたいな、ややこしいポジティブさです。

そして、ぼくは基本的には怠け者なので、隙あらば「もういいだろ」って後輩とかに言います。「オレ結構頑張ったから、もう良くない?」って。でも、お陰様でリメイク版も売れて来てるし、原作版はHYPEになってからPVどんどん上がってて、マジで原稿料がすごい事になってるし(PVに応じた課金制なので)連載始める時に「cakesで圧倒的1位になったら、これくらい支払われます」って言われて「そんな稼げるなら秒で脱サラするわ」って思ってた金額の3倍以上になってます。更にそれ以上の電子書籍の印税もある。だから、なかなか辞め時が無い。もう全部放り投げて、どっか東京から離れて健やかに暮らしたいみたいに思う事もありますが、まだエレンが許してくれない。

それで、エレンを描いてると、どんどん厄介な感情が湧いてきます。「いや、いくら稼いでもまだ下手くそだ。ゴミだ、カスだ、辞めちまえ。」って、心の中のエレンがキレてくる。心の中のエレンは漫画より何倍も口が悪いです。おめーアンチかよって思う。それで、漫画の光一よりも大分チョロいオレは「オレは、オレが諦めるまで諦めない」と言う。先週描いた分より、1.1倍は良くしようって。毎週、1.1倍ずつ成長しようと思って、本気で描き続けています。

これまで見向きもしてなかった人達が読んでくれて、世の中の全員が認めてくれて、自分でも納得できる様な1話が描けたら、その時は辞められると思うけど、それは現実的じゃないし、きっと描き続けるしか無いんだと思う。cakesとKindle以外でも、色々なアプリで配信してるので、未だに初めて読む読者が増え続けているんですが、初見の人の目に触れる度に「絵がひどい」「小学生にしては上手い」「構成がめちゃくちゃ」って言ってもらえるので、そういう声があるお陰で「見てろよ!」って思い続けられる。これが、全員古株の良い読者の様に「いや、かっぴーの絵は、これでいいから!」って言ってきたら、多分だけどオレもう描けないと思うんだよね。ずっと頑張り続けたい。

いま、漫画系クラウドファンディングで日本一位になって、記録更新中なんですが、それでも「インディーズ」って言われるし(これは別にディスじゃないけど)善かれと思って「知られざる名作」って言われるし「業界受け」とか「玄人受け」とか言われてるけど、悔しいけど事実だから「見てろよ!」って思い続ける。圧倒的な数字で見せても、やっぱ世の中は印象で出来てるから、その印象を越えていかないと。あれ、でもエレンってそもそもメジャーにするために描いてる訳じゃ無いか。むしろインディーズって思われ続けてる方がいい気もしてきた。これに関しては今のままでいいか。

とにかく、クラファン大成功中で、本当に感謝で胸がいっぱいなんですけど、その一方で未だに全然満足できないので、本気出して本気出して諦められる日が来るまで、やり続けます。

とにかく言いたいのは、0巻、本当にいいぞと。マジで読んで欲しい!

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