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2017年12月の記事一覧
「アイとアイザワ」第21話
これまでの「アイとアイザワ」
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アイザワはルミの話を一部始終聞きた後、少し間を置いてから話し始めた。
「安西ルミさんの客であった“堅気では無い男”の願いを聞いて、例のバックを受け取ったと…。しかし、モーリスは人違いでした。その時刻、歌舞伎町を中心に半径20kmで起こった事件をマッピングしてみましたが…。残念ながら、そのバックを本来受け取るはずだった外国人は喫茶リユニオンにたどり着く前に警察
「アイとアイザワ」第22話
これまでの「アイとアイザワ」
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新宿三丁目のカラオケボックス。そこに愛達は居た。駐車場の出来事から2時間ほど経っただろうか。辺りはすっかり夕暮れ時となっていた。まるでお通夜の様に静まり返った部屋に、隣の大学生サークルの熱唱だけが響いている。
「ひでぇOne Directionだな…。」モーリスが小声で大学生の歌声をディスった。
「私…ちょっと愛ちゃん見てくる。」ルミは炭酸の抜けたソーダ水
「アイとアイザワ」第23話
これまでの「アイとアイザワ」
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「おい、お前だな!!!来てやったぞ!!!愛はどこだ!!!」
モーリスとルミと花。つい数時間前まで全くの他人だった3人は、さらわれた愛のために夜の新宿御苑に居た。暗闇に溶け込んだ黒いコートの人物は、未だ沈黙を保っている。
「近づくぞ…。近づいて有利になるのはオレ達だ…。」モーリスは西部劇のガンマン風にズボンに刺した拳銃を、お守りの様に握りしめた。
その時、