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記事の中で映画、ゲーム、漫画などのネタバレが含まれているかもしれません。気になるかたは注意してお読みください。
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愛の香り~I Feel You Linger In The Airドラマと原作小説の気ままな感想 第4話

どうも、BLドラマを観始めてこの夏でちょうど2年になるnopopoです。
2年前の夏はまさか自分がそのままBLにハマり、その流れでタイドラマにハマって記事まで書くなんて予想だにしていませんでした。
この2年の変化に驚くばかりです。

愛の香りの感想もまだ4話・・・
12話まであるのにこのペースで大丈夫なのか不安ですが、好きなドラマをずっと観続けて無理せずできるペースでやりたいと思います。

ドラマネタバレだけでなく、原作小説のネタバレも大いに含みます。
ドラマ未視聴の方だけでなく小説未読の方も自己責任でお読みください。
※途中タイ語や英語がでてきます。辞書を元に調べていますが、タイ語学習初心者の翻訳だという点をご理解ください。
※タイ語が読めない方が多いと思うので、カタカナで読み方を書いていますが、タイ語には日本語にはない音があるため、その通りではありません。ご了承ください。

第4話

ジョムがクンヤイの屋敷に・・・

冒頭のシーンで、クンヤイが母親にジョムのことについてお願いしています。
「僕が雇ったのに別の家に住まわせている」というクンヤイ。
それではジョムをテープニティタム家の使用人部屋に移そうという母親に対して、執事にして自分と同じ家に住まわせたいというクンヤイ
プリックも母親も反対するが、クンヤイは引き下がらない。

素性の分からないジョムを使用人として雇ったことだけでもすごいことなのに、すぐに執事にしたいというクンヤイはなんて勇気があるんでしょう!
そして、この時点でもうジョムは特別なんですよね。
執事として近くに置きたいんだから・・・

ミンの家を出ることになったジョム。
ミンの前では本当に安心しきった顔をして素の自分を見せられているのが見ていて微笑ましい✨
この2人の会話が減るかと思うとちょっと淋しいです・・・

クンヤイに連れられて屋敷に来るジョム。
すごく緊張した様子です。

自分が改装を手掛けているお屋敷に住むことになるジョムの気持ちは複雑ですよね

クンヤイはジョムを屋敷の中にあるジョムの寝室に連れて行き、話しかけます。

クンヤイ「気に入った?」
ジョム「もちろん」
クンヤイ「私もだよ。やっと同じ家に住めるな」
(見つめ合った二人のシーンの後にプルメリアの花のアップ!)

クンヤイがジョムを口説いているようにしか思えません。
そして、プルメリア(ラントム)はちょこちょこ印象深いシーンで出てきますね。


執事としてのジョム

その後、ジョムは執事としての仕事をプリックに教えてもらいます
そこで、家の建てた時期や材質などをプリックに聞きます。
「自分の仕事だけに集中しなさい」と一掃されますが。

執事としてのジョムの仕事
※プリック風に「クンヤイ」のことは「ヤイ様」で
・毎朝ヤイ様より先に起きて、その日の服や持ち物を用意する

服は全て綺麗にたたんでしまわれています

・ヤイ様を起こすこともある
・ヤイ様が起きた後は天蓋をまとめる

天蓋のあるベッド、憧れます

・毎晩ヤイ様が寝る前に掛け物を広げておき、毎朝ヤイ様が起きたら片づける
・ヤイ様の水浴びの準備
 (水を張って香料かプルメリアの花で香りをつけること)

ジョムがプルメリア(ラントム)の花の香りをかぐときにCocktailのラントムがBGMで流れます

・軽食を持っていく

執事って、とにかくご主人様の生活のお世話を全てやるんですね。
これを出会ってすぐのジョムにやらせるクンヤイはやっぱりジョムのことを特別に思ってますね。
いきなりこんなに信用していいのかと驚く母親やプリックの気持ちがやっと分かりました。

ドラマではプリックが執事の仕事をジョムに教えていますが、原作小説では執事の仕事はジャンに教えてもらっています
家の建てた時期や材質もジャンに質問していました。
ジャンはクンヤイの父親であるテープニティタムの執事です。
ドラマにも出てきますが、ドラマではジョムとの絡みは少ないです。
そして、服や入浴の準備などはケソーンという女性使用人が教えてくれます
仕事関係はジャン、生活関係はケソーンが担当という感じみたいです。

クンヤイの年齢

ジョムはプリックにクンヤイの年齢を尋ねます。
つい先日20歳になったところだよ
ちょっと驚くジョム。
あの色気と落ち着き具合で20歳は私もびっくりです?!

原作小説では、ジョムはクンヤイに直接年齢を尋ねています。
後で出てくる小説について意見を言い合う時のジョムの発言が大人びていたのでクンヤイの方から年齢をジョムに尋ねました。
ジョム・・・24歳
クンヤイ・・・1か月前に18歳になったばかり

6歳差です。
というか、10代?!
ジョムはクンヤイの年齢を聞いて「しっかりとした体形で彼を取り巻く高貴な空気と年齢よりも成熟した性格」と冷静に心の中で分析していますが、原作小説で個人的に一番衝撃的だった内容です。
同じ年下相手でも20歳と18歳では若さ具合が全く違います。
原作小説の中のジョムは年齢を聞いてクンヤイの高校制服姿を想像します
確かに、18歳だと高校の制服着ていてもおかしくありません。
これを読んだときにドラマのクンヤイと原作小説のクンヤイは私の中で違うイメージになりました。
良く考えたら、言動も原作小説の方が少年らしさが残っている感じです。

クンヤイと軽食

公務で父親に付き添う時以外の午後なので川べりの東屋で本を読んでいるクンヤイ。
そこへジョムが軽食を持ってきます。
ここは個人的に気になることいっぱいあるシーンです。

まず軽食について。
軽食の内容は「ルッティ」
ジョムは「ロティ」と呼んでいます。

ルッティ(ลุดตี)・・・ロティに似た丸い黄色の生地のような見た目をしており、チキンカレーやグリーンカレーに肉を包んでおかずとして食べられる、タイのスナック。米粉から作られている。
ロティ(โรตี)・・・小麦粉を練って薄いシート状に揚げたりトーストしたりした食べ物の一種。
とのことです。
※วิกิพีเดียภาษาไทย(タイ語ウィキペディア)参照

確かに、ドラマの中でクンヤイがルッティにカレーを付けて食べていますよね。

原作小説に出てきた軽食は
・透明なシロップに入ったヤシの実(ลูก ตาล ลอยแก้ว:ルークターンローイゲーオ)
・ルッティ(ลุดตี)

ルッティは同じです。
調べてみたら、ルークターンローイゲーオは透明なシロップに白濁色のオウギヤシの実が入ったとても綺麗なデザートです。
小説の中でジョムは軽食のトレイをセットすると「Instagramに投稿したいほど芸術的で美しい」と言っています

タイ語のサイトですが、ルークターンローイゲーオのレシピサイトです。Googleなどの自動翻訳でぜひ読んでみてください。
写真が美しい!

そして、クンヤイが軽食を食べる姿をじっと見てそっと唇を触るジョム。「私のことを見てるのかい?」というクンヤイのセリフに、
「ぼんやり見ていただけです」とジョムは答えます。

ドラマではクンヤイの軽食によだれをたらすジョムという感じに見えますが、原作小説ではクンヤイの顔に見とれてしまっています

間近で見ると顔の構造が美しくユニーク
色白な肌
タイ人男性のシャープな顔
目は大きく目じりに向かって細くなり、まるで鉛筆で書いたよう
ふっくらとして上唇がはっきりと波打っていて、魅惑的でキスしたくなるような唇
あごの近くの頬に2つの小さなほくろ

ジョムはクンヤイの顔が大好きなんですよね、きっと。
いつも顔を見てその全てのパーツに魅入っている気がします。
これを読むと、もしかしてドラマの中のジョムも同じことを考えていて唇を触ったのかな?とか妄想してしまいます・・・

クンヤイと読書

クンヤイはよく東屋で本を読んでいます。
昼間から読書なんてすごく優雅な生活だなあ、と思っていたんですが、最近「なぜ働いていると本が読めなくなるのか/三宅香帆」を読んで考えが変わりました。
戦前の読書について、
”当時、「読書」はいまだ、教養のある階層に許された趣味であった。つまり「勉強」そして「修養」の一部だと思われていた。”

と書いてありました。
これは日本の読書史について書いてあったのですが、きっと世界的な流れも似ているのかなと思うようになりました。
今となっては読書は大衆の娯楽や趣味ですが、戦前は教養のある階層の人という庶民ではない人たちの趣味であり勉強だったようです。
ということは、読書=人格を高めるための学び、というニュアンスなんでしょうか。
クンヤイ、暇でいいなあとか思ってすみませんでした・・・

さて、ドラマに戻ります。
クンヤイは東屋で読んでいた本をジョムに読み聞かせしてほしいと頼みます。
これも、子どもみたいで変だな?と思いましたが、原作小説にはクンヤイがジョムがちゃんと文字を読めるのか試していると書いてありました。

ジョムに読ませた小説はまさかの夜這いシーン・・・
クンヤイは何を考えているんでしょう?
やっぱりからかったのかな?
この朗読シーンを聴いても日本人の私は何を読んでいるのか分かりませんでしたが、この読んでいる本はタイでは有名な物語のようです。

結構分厚い本です

ジョムが読まされているこの本のタイトルは「ขุนช้างขุนแผน(クンチャーン・クンペーン)」
タイの長編叙事詩でアユタヤ時代から語り継がれてきたということ。
第2部のアユタヤに続く何かを感じるのは私の考えすぎでしょうか?

題名が変わっていますが、one31「วันทอง(ワントーン)」というドラマがこの話を元にしたストーリーのようです。
予告編を観れば雰囲気は分かります。
私はこのドラマは未視聴なので、もし観た人がいれば感想を教えて欲しいです。
※約1時間半で16話、日本からも視聴できそうです(2024年8月1日現在)

物語の概要は、金持ちだが先天性脱毛症で容姿が良くないクンチャーンとハンサムだが貧乏なクンペーン(プライゲーウ)が美しいワントーン(ピムピラライ)を奪い合う話。
3人は子どもの頃からの友人で、50年間の間戦争など色々な社会背景の中ワントーンを取り合います。
最後の結末が衝撃的・・・

長いお話を10分で解説してくれている動画も見つけました。
※このお話をちゃんと解説している動画(全47回)もあります。
タイ語字幕のみで自動翻訳しても英語にしかならないですが💦概要を知りたいときにはいいと思います。
クンチャーンとクンペーン(プライゲーウ)とワントーン(ピム)の関係性と長い物語の中であまりにいろんなことが起こりすぎてどんな結末なのかは分かります。
色々ありすぎるのできっとちゃんと読んだ方が面白いと思います。

クンヤイに読むように言われたところは、プライゲーウがピムの乳母のサーイトーンを襲うシーン。
クンヤイ、なんでこんなところを読ませた?
そりゃあ、ジョムの顔も険しくなります。

原作小説の中で、ジョムはこの物語はみんなが内容と結末を知っているし読んだことがある、でもこの章は性交シーンだから知らなかったと言っています。

もう一回言いますが、クンヤイはなぜここを読ませたんでしょう?

ジョムはオームに裏切られた過去があるので、このプライゲーウの行動が理解できないし受け入れられない。
でも、クンヤイはそうでもない。
原作小説ではこの時代について、一夫一妻制の合法化のための運動の真っ只中だが実生活の中で一夫一妻制を取り消すのは簡単ではないと書いてありました。
一夫多妻制が普通ならプライゲーウの行動はまったくおかしいことではなかいのかもしれません。
クンヤイとジョムは通じ合うように見えても、住む時代の社会背景の違いによる意見の違いがあるとはっきり分かるシーンだな、と思います。

ウアンプンとムーイの関係

夜、ウアンプンが部屋で本を読んでいます。(さすがクンヤイの姉)
その横には使用人ムーイ。
会話を聴いていると友達のような話し方だけど、やり取りを見ているとそれ以上の関係を感じます。
この時代に主人と使用人が対等な関係なのはおかしいし、その上同性同士・・・壁はきっと高いですね・・・

ロバートがノックしたときにとっさに隠れるムーイ。
やっぱり隠れて付き合う関係なんですね。

ロバートはウアンプンに対してとても甘い言葉をかけるし、表情もとても柔らかい
この人、こんな優しそうな顔するんですね。
もしかしてロバートも実はいい人かもしれないと思った瞬間でした。
でも、それに対するウアンプンの態度が冷たすぎて、どんどんいつものロバートに戻っていきます。
ウアンプン、そこまで嫌うのは何か理由が?
このやり取りをベッドの下で聴いているムーイはどんな気持ちだったんだろう?
ムーイの気持ちを考えるとこのシーンは苦しいです。

原作小説の中ではウアンプンのはロバートに溺愛されて大切にされているので、きっとそこでのロバートはいい人なんだろうなと思います。
ウアンプンとムーイとの関係もありません。
これはドラマオリジナルの展開なのですが、私はこの関係性とても好きです!
BLドラマは男性出演者ばかりスポットが当たることが多いのですが、ちゃんとこの時代の女性の生き方にもスポットを当ててくれているのが良いです。

泣いているフォンゲーウ・・・

ウアンプンの部屋を出たロバートはその足でフォンゲーウの部屋へ行きます。
まるで憂さ晴らしのように彼女を抱くロバート。
フォンゲーウがかわいそうです・・・
第2夫人ってこういう扱いなんでしょうか。
昔の女性の立場って自分で相手や人生を選べないからきっといろいろ思い悩むことあっただろうなあと思います。
フォンゲーウのようにこうやって夜一人で泣いている人、いたのかもしれません。

ミンとムーイの関係

ムーイがウアンプンの部屋から帰る途中にミンに会います。
好きな子に会えて嬉しそうなミンに対してウアンプンの部屋でのもやもやが消えずに浮かない顔のムーイ。
優しいミンはムーイに酒を進めて二人で飲みかわし、その後それぞれの家に帰ります。
そこでカイムックがムーイの母親代わりだったという事が分かるし、ミンの母との関係性も分かります。

このドラマのすごいところは、主人公以外の人たちの生活や心情までちゃんと描いてくれているという事です。
このシーンは無くてもストーリーは成り立つけれど、これがあることでミンとムーイの生活が分かるし、使用人と富裕層との生活の違いもはっきり浮き彫りになります。
そして、ムーイにもミンにもカイムックにもミンの母にも感情移入をして、この後もずっと登場人物みんなを好きになっていくんです。

眠れないときはどうするかというフラグ

寝室で急にクンヤイがジョムに聞いた質問。
「私が眠れないとき、何をしてくれる?」
ジョムは
羊を数える
・背中をかく

の2つを提案します。
2つともよくある方法です。
だけど急にクンヤイが
「かいてくれるのかい?」
なんて言うから、ジョムは驚いて目が点になります。

こんな顔で言われたらドキッとします・・・

照れることもなくこんなことを言って、ジョムの反応を見て「今度でいいよ」っていうクンヤイ。
でも、天蓋を下して部屋をでるジョムを目で追い、もっと一緒にいたそうな感じです。
本当はしてほしかったのかな?

気付かれないようにちらちら見てるのがかわいい💕

もうこれは口説き始めていますか?
きっといつかジョムがクンヤイの背中をかく日がくるのか・・・とフラグを感じました。

初めてみた時「背中をかく」という表現が気になりました。
ジョムは子どもの時はこれですぐに寝られたと言っていますが、私の感覚からすると、それは「背中をさする」「背中をとんとんする」なら分かりますが、「背中をかく」ときくと、かゆいところをかくのかな?と思ってしまいます。
気になって調べてみたら、爪を立てないようにしてさささーっと背中をさする感じでかく、という子どもの寝かしつけ方法を見つけました。
「背中をかく」っていう方法あるんですね。
子どもって、その子によって心地よい入眠方法が違うので、ジョムはそれが好きだったんですね。
自分の好きな入眠方法を相手にしてあげるって、すごく愛を感じます💕

ジョムの葛藤

クンヤイの寝室を出た後、ジョムは自分の部屋に戻り一人になります。
そして、タンスの引き出しを開け、タイムスリップしてきたときに着ていた服を手に取り眺める
その時にオームに振られたときの事とクンヤイにどうして自分を執事にしたのか尋ねたときの事を思い出し、そっと服をしまいます。

すごく短いけどこの4話の中でとても印象的なシーンです。
クンヤイと甘い雰囲気になりそうな予感をジョムも感じたけど、現代の服を見ることで自分はこの時代の人ではない、このまま進んでよいのか自問自答しているんじゃないかな、と私は思いました。

原作小説にはこれが詳しく書かれています。
ジョムは寝る前にふとこの日のクンヤイの行動から、クンヤイは男が好きなのか?と思い始めます。
そして、自分は男に振られて何かにしがみつきたいほど深く悲しんでいるけど、誰でも自分に近づいたりロマンチックな感情をもっているのではと考えてしまうわけではない・・・と、自分の落ち込んだ気持ちを思い出して気分が悪くなってそのまま寝てしまいます。
それを現代の服を取り出してみることで表現したこのドラマのシーンはすごいです!

急に甘くなるクンヤイとクンレックの登場

翌朝、優しい眼差しをジョムに向けるクンヤイ。
なんだか2人の雰囲気が一気に変わった感じを受けたのは私だけでしょうか?
タイプライターを打つジョムも少し慣れてきた様子。
ジョムに段落の分け方を教えることになったクンヤイですが、まさかの隣に座って、ジョムを見つめる。
さらに手をかぶせて動きを止める・・・

この手のかぶせ方が、また優しいんです
主人と使用人が見つめ合う・・・

これはもう、主人と執事の間での関係ではあり得ません。
しばらく二人が見つめ合って良い雰囲気になった時に、元気に登場するクンレック!
いい雰囲気をぶち壊す悪気の無い人の登場、タイドラマあるあるですね。
クンレック、かわいいから許せます。
クンレックがきてから慌てて手を離すクンヤイとジョムですが、手を触ってる時間長くないですか?
クンヤイは明らかに気があるし、ジョムもまんざらではないという事ですよね?
見ているこちらはワクワクします。

クンレックはクンヤイの弟。
ヤイとレックってタイ語で
ใหณ่(ヤイ):大きい
เล็ก(レック):小さい

そのまますぎてびっくりしますが、タイではよくあるんでしょうか?
原作小説には9歳か10歳の小さな男の子で色白で目が大きくて鋭い、クンヤイのミニチュア版と書いてありました。
ドラマのクンレックも柔らかくてみんなに好かれそうな雰囲気がクンヤイと似ていてかわいい兄弟です。

クンレックは絵が上手く書けないからクンヤイに絵をかいてもらおうと思って来ました。
でも、実はクンヤイも絵が上手くなくてそれをジョムが描くことに。
ジョムは建築家だから1話でもジョムの絵が出てきたけどとても絵が上手です。
原作小説を参照するとジョムはドローイングもスケッチデザインもどちらもAをとるほどの腕前だったようです。
そりゃ、上手いはずです。

風とワームホール

クンレックに頼まれて子ブタのホープをスケッチすることになったジョム。
かいている時に急に風が吹き、一瞬にしてジョムの後ろにいたはずのクンヤイたちがいなくなり、現代にいるはずのタンの声が聞こえます。
きっと何かのきっかけで時間の揺らぎが起こりワームホールが繋がってしまったんですね。

ジョムが絵を描くのをみんなが見ています
本当にジョムは絵が上手い!
あ、風が吹いてきました・・・
思わず目を閉じるジョム
目を開けると・・・そこには誰もいません

原作小説だと、風ではなく濃い霧がかかった時にワームホールが繋がります。
絵を描いている時ではなく、ジョムが一人で散歩をしている時に少しずつ周りの様子が変わっていきます。
ドラマでは風で目を閉じて目を開けるとみんながいません。小説でも目を閉じて明けると現代に戻っています。
目を閉じることでリセットされるというのはどちらも同じです。

ジョムを執事にしたクンヤイの揺るがない決意

そして、ロバートが来てクリスマスの子ブタレースの話を始めます。
ジョムを調教師として貸してほしいと頼むけれど、クンヤイが断ります。
はっきり断ることのできるクンヤイ、やっぱりかっこいいです!
原作小説での子ブタレースについては3話に書きましたのでここでは割愛します。

その後、このやり取りをみたプリックにジョムはいづれ問題を起こすと言ったはずだと忠告されますが、クンヤイの気持ちは変わりません。
その後、初めて父親からジョムを執事にしたことについて話をされますが、ここでも心は揺らぎません。

「これまで私には・・・自分で決める機会などなかった」
「僕が責任をとります」
「だから僕は父さんの選択に従えばいいと?自分のことは自分で決めます」
プリックや父親と話すクンヤイのセリフから、これまで父親に言われたことをするだけの人生だったから自分で決めて自分で責任をとって生きていきたいという反骨精神を感じました。
がんばれ!クンヤイ!

酔ったのは酒のせいじゃない、愛のせいだ

その晩、デートさんが来るという事で、身なりを整えることになったクンヤイ。
その準備を手伝うのは執事のジョム。
ネクタイ結んで、ボタンを留めてあげてます。
執事ってこんなことまでするんですね。

ジョム「どうしてそんなに僕を助けてくれるんですか?」
クンヤイ「自分で選びたいんだ
     私の望むものを ただそれだけだ
     今夜のことだけど 君は先に寝てて
     私は遅くなるだろうから ゆっくり休んで」
ジョム「はい」
クンヤイ「じゃあ いってくるよ」(笑顔)

このやり取り、新婚夫婦の会話を聴いているみたいです💕
クンヤイはジョムの事ずっと見てるし、ジョムはこの雰囲気にどうしていいか分からず目をそらしたりしています。
クンヤイ、これが自然なのだとしたら、すごい人たらしです・・・
クンヤイに見つめられてこんなこと言われたら、一体何人の人がクンヤイに心を奪われることか・・・(私もその中の一人です)
BGMはやはりASIA7「จอมขวัญ(ジョムクワン)」のインストバージョン。幸せムード満天です!

そして、その夜クンヤイの帰りを玄関で待つジョム。
やっぱり新婚ですね。
そこへ帰ってきた酔っ払いクンヤイ。
赤い顔してふらふらしながらジョムを見つけて満面の笑みになるクンヤイ、可愛いです💕
部屋に連れて行ったら床で寝てしまいます。
なんだか甘えた感じの話し方だし、ちょっとだらしないクンヤイ。
「私のジョムだ てっきりまた夢かと思った」って、いつの間にかいう事も大胆になってきてます。
体を拭くものを持ってこようとするジョムの手をつかんで、ジョムのひざに頭をのせるクンヤイ。
いつもちゃんとしている人がこんな風になったら、ギャップ萌えです💕

この顔、可愛すぎます・・・

そして、ジョムの昔の恋人のことをさりげなく聞くクンヤイ。
実は聞きたかったけど酒の勢いがないと聞けなかったのかもしれないですね。

急に手をぎゅっとしちゃうクンヤイ・・・

ジョムに「ずいぶん酔ってますね」と言われたクンヤイは、ジョムを見つめて詩を語ります。

クンヤイ「酔ったのは酒のせいじゃない 愛のせいだ
     どうして気持ちを 抑えられよう
     酒の酔いなら次の朝に消えるのに
     心の酔いは毎晩よみがえる」
ジョム「スントン・プーの詩で10人は射止められそうですね」
クンヤイ「愛する人なら私には一人だけで十分だ」

これは愛の告白?!
自分で言ってますが、酒を飲むと気持ちが抑えられませんからね。
クンヤイ、酒の力を借りて告白です。
そして自分は寝てしまう・・・
ずるいですね。

※スントン・プーについては長くなるので後に書きます。

このシーン、途中でジョムが体を拭くものを取りに行こうとしたり、クンヤイの服のボタンをはずし始めたりしていますよね。
原作小説だと、ジョムはクンヤイの服のボタンをはずし本当に体を拭いています。
体を拭く水はだの水ではなく、4711というオーデコロンを混ぜます
クラシックで夢のように爽やかな香りのようです。
⇩4711ってこれですかね?

小説の中でジョムは酔っぱらったクンヤイが甘すぎて溺れてしまいそうだと心の中で思っています。
そして、クンヤイの「私のジョムだ」っていうセリフは、小説では「จอม(ジョム)」ではなく「จอมขวัญ(ジョムクヮン)」になっています。
ここだけジョムの呼び方が変わってます!
そして、「愛する人なら私には一人だけで十分だ」というクンヤイのセリフもドラマの「คนรัก(愛する人)」ではなく「เมีย(妻)」と書かれています。
この辺りはドラマ化する上で分かりやすく受け入れられやすいように変えたのでしょうか。

トランクの中の絵の秘密に気づく

ジョムに告白して(私が勝手にそう思っているだけですが)寝てしまったクンヤイをひざに載せてジョムはさぞかしクンヤイのことを・・・と思ったら、そうではなく、急に改装中の家の中から見つけた絵のことを思い出します。
その時に見た豚の絵が自分が今日書いたホープの絵!
そして、寝ている男性の絵はきっとクンヤイを描いた絵では?

原作小説の中でジョムが自分が現代で見つけた絵を描いたと気づくのはクンレックの絵を描き終わった時です。
絵は10枚以上見つかっていました。
それを描いたのが自分だとジョムは気づき、こんなにたくさんの絵を描くという事はすぐには現代に戻れないかもしれない、と考え、立つ力がなくなり倒れてしまうほどショックを受けました。
そして、どうなるかは分からないが、とにかく絵を早く書き終えなければ、と考えます。

というところで第4話のエンディング。
曲は COCKTAIL「ลั่นทม(ラントム)」のインストバージョンです。

小説からの追記

現代の言葉と昔の言葉

ドラマの中で東屋でジョムがクンヤイに本を読むところで思わず現代の言葉が出てしまい、慌てて訂正するというシーンがありました。
タイムスリップして簡単に話しているように思ってしまいますが、実は昔と今では話す言葉も常識も違うんですよね。
この物語はたまにこういうのを挟んできて、そうだったこれはタイムスリップしてるんだった、と思い出させてくれます。

ドラマは「”イン”しすぎた」という言葉をジョムが使っていました。
こういう違いを日本語翻訳するの、難しいだろうなあと思います。

原作小説では、クンヤイとのやり取りではなく、使用人たちと一緒にご飯を食べているときに、周りから聞こえる昔の言葉をジョムが面白がり、うっかり現代の言葉を話してしまうと周りから笑いが起こる、と書いてあります。

クンレックのこと

クンレックはクンヤイの弟。
第2話で、いつもは全寮制の学校にいてあまり家にはいないと言っていました。
原作小説にはその学校名が載っています。
Prince Royal's Collegeというクリスチャンスクールです。
現代もあるようで青い屋根を持つ白い教会をジョムも知っていました。

この学校でしょうか?
⇩トップの動画を観てるとすごく規模が大きくてしっかりした学校です。

英語を習っているので、飛行機やパイロットなどの単語を英語で言って英語の分からないプリックを困らせます。
これは天然なのか?いたずらなのか?
とにかくドラマでも小説でもクンレックはかわいいです💕

どうしてジョムに飛行機の絵を描いてと頼んだのかというと、学校の宿題で将来の夢を絵にかくように言われ、飛行機のパイロットを描きたかったけどうまく書けなかったようです。

※以前2話の感想でレックは原作小説本編にあまり出てこないと書きましたが、読み返すとそうでもなかったので、訂正しました。すみません💦

レックの乳母プリック

プリックはドラマの中ではテープニティタム家の主要な使用人で一目置かれていてクンヤイのお世話もクンレックのお世話もしていました。
原作小説ではプリックはクンレックの乳母として登場。
ジョムはクンレックが登場するまでプリックはキッチンで合ったことのある使用人の中の一人くらいの認識でした。
クンヤイの服やベッドなど身の回りのお世話をしていたのも、ケソーンという女使用人でプリックではありません。
小説の中には他の使用人も出てきましたが、ドラマではプリックが数人分の仕事をしています。すごい!

スントン・プーの詩

酔っぱらったクンヤイが口にした詩はタイの有名な詩人スントン・プーの詩の一部です。
どのくらい有名かというと、記念公園があって記念日もあります。

スントン・プー(Sunthorn Phu、สุนทรภู่)西暦1786~1855
誕生日は6月26日で、スントン・プーの日なんだそうです。
タイ語の学習本にある代表的な日やイベントの中にも載っていました。
そして、なんと日本のウィキペディアにも載っている!
という事は日本でも知名度があるという事です。
私はこのドラマで初めて知りましたが、とても有名なようです。
経歴を見て見たら、たくさん作品を残しているし、今回ドラマで出てきた「ขุนช้างขุนแผน(クンチャーン・クンペーン)」の制作にも関わっているようで、すごい人です。

今回ドラマの中で出てきた詩は「นิราศภูเขาทอง(ニラートプーカオトーン)」(Nirat Pukhao Thong:金山紀行詩)という中の一説です。
タイ版ウィキペディアに原文が載っています。
長いですが、お暇な方はぜひ。
Google翻訳かけると何となくの内容は分かります。
ドラマ中に出てきた詩の部分は、左側の上から5段落目の後半部分です。

ไม่เมาเหล้าแล้วแต่เรายังเมารัก
สุดจะหักห้ามจิตคิดไฉน
ถึงเมาเหล้าเช้าสายก็หายไป
แต่เมาใจนี้ประจำทุกค่ำคืน

ドラマの字幕では
”酔ったのは酒のせいじゃない 愛のせいだ
どうして気持ちを 抑えられよう     
酒の酔いなら次の朝に消えるのに     
心の酔いは毎晩よみがえる”

となっていました。

この詩をぱっと見た感じ、語数が揃っていて、気持ちいいです。
詩はどの国も語数が揃っていたり、韻を踏んでいたりして、日本だと漢字と平仮名の配分も工夫していたりと、目にも耳にも気持ちいいです。
暗唱するにはもってこいなので、この時代の人はこの詩を暗唱していたのかもしれないですね。
それを自分のセリフとして使えるクンヤイは、だいぶ教養がありますね。

詩人スントン・プーについて私が参考にしたサイト。
タイ語ですが、自動翻訳で何となく内容が分かるのでご興味あれば。
この話に出てきた詩も載っています。




ということで、4話の感想はここまでです。
いつも長い文章を最後まで読んでいただき、ありがとうございます。
愛の香り~I Feel You Linger In The Airをより楽しんでいただけたら嬉しいです。

※画像はDeeHupHouse公式X、公式YouTubeよりお借りしました。

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