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#5 文章は「文の要素」と「修飾部分」のみでできている

# 3〜6: 文章の骨格、飾り、そして意味へ
 ➡️3: 文章の意味は「単語の並び」で決まる
 ➡️4: 文章の根本を作る「文の要素」と「文型」
 ➡️5: 文章は「文の要素」と「修飾部分」のみでできている
 ➡️6: 日本語も英語も仕組みは同じ(近日公開)

さて、ここまでで私たちは、有限の「文の要素」有限の「文型」のルールに従って並べることで、あらゆる文章の根本の意味が作られていることを学びました。ここで一旦、最初の例文に戻りましょう。

あの犬はよく吠える

この文章では、「犬は」と「吠える」の2つの文の要素が、第1文型(SはVます)に従って並べられて、初めて文章として成立しているのでした。

本章では、文の要素以外の残りの部分、「あの」と「よく」がどのような役割を果たしているのかについて考えていきたいと思います。


5-1. 修飾部分

「あの犬はよく吠える」

前章でもお伝えした通り、この文章から「あの」と「よく」を抜いても文章は成立します。

あの犬はよく吠える
    ↓
  犬は  吠える ⭕️

しかしここで「あの」と「よく」の働きについて考えてみると、

「あの」は「犬」の意味を明確にしていますし、「よく」も「吠える」の意味を明確にしています

このように、文章の根本の意味に影響を与えない一方で、ある語の意味を明確にしてくれる語のことを、「修飾部分」といいます。

前章で紹介したそれぞれの文型の例を改めて見てみましょう。

第1文型:「あの犬はよく吠えます」
第2文型:「このビルはとても高いです」
第3文型:「私は鉛筆を買いました」

この文章では

あの犬はよく吠える
このビルはとても高いです

などの太文字の部分が修飾部分です。ちなみに3つ目の例文「私は鉛筆を買いました」は修飾部分を持っていませんが、以下のように後から付け加えることも可能です:

第3文型:「私は高価な鉛筆を頑張って買いました」

また、修飾部分は常に修飾する対象を持っています。上の例文の修飾部分はそれぞれ、以下の修飾対象を持っています。

あの」→「犬」
よく」→「吠える」
この」→「ビル」
とても」→「高い」
高価な」→「鉛筆」
頑張って」→「買いました」

私たち日本人は、日本語を使っている時、修飾する対象を無意識に特定しています。英語での修飾対象の特定については後述します。

修飾部分とは、ある語の意味を明確にする語のこと


5-2. 文章 = 文の要素+修飾部分

さて、この修飾部分、「ふぅん、修飾部分なんてものがあるのね」では済ませられない重要な意義を持っています。修飾部分の学びにおいて最も重要なことは修飾部分の外、文の要素との関係性にあります。

実は、この世のあらゆる言語のあらゆる文章は、文の要素以外は全て、修飾部分です。この世のあらゆる言語のあらゆる文章は、文の要素と修飾部分との2種類のパーツのみでできているのです

上の例をもう一度確認してみても分かる通り、文の要素以外の部分は全て修飾部分です:

あの犬はよく吠える
このビルはとても高いです
高価な鉛筆を頑張って買いました

以下のように複雑な文章でも同様、必ず文の要素修飾部分のみに分けられます。(太文字が修飾部分です)

ご近所さんの猫が私の猫と一緒に遊んでいます
あなたが作ってくれたカレーは本当に美味しかったです
私はこの街で一番美味しいレストランを昨日見つけました


文章=文の要素+修飾部分という事実は、あらゆる言語活動を根底から支える、極めて強力な事実です。様々なパーツが組み合わさって多様な文章ができているように見えて、実はどんな文章も、たった2種類の要素によって構築されているのです。さらに、そのうち片方が文章の根本の意味を決めていて、もう片方は補足的にそこに置いてあるだけだ、というところまで分かっています。この世の言語を貫く普遍的な真理であり、無数に存在する文法事項や頻出フレーズなどを前提として支えるコンセプトは、こんなにシンプルなルールだったのです。

つまり一旦まとめると、文章の根本の意味を理解するためには、
(1)文章を、文の要素と修飾部分とに分ける
(2)文の要素の並び(=文型)から根本の意味を知る
という2ステップだ、と言えるでしょう(実際はこんなにすんなり行きませんが、それでもこのような抽象的な理解は学習を効果的に進めるためには有益です)

あらゆる文章は、
① 文型に従って並べられることでその文章の根本の意味を決める文の要素と、
② 補足的に付け足される修飾部分のみでできている。

この事実は、あらゆる言語活動、あらゆる文法事項や暗記事項を根底から支える重要な事実である。


5-3. 接続詞

この世の全ての文章が文の要素と修飾部分のみでできていますが、ここでもう一つ 「文章=文の要素+修飾部分」という構造に影響を与えない形で存在している要素があります。「つなぐ言葉」です

つなぐ言葉は基本的には接続詞と呼ばれます。「OO 'と' XX」や「OO 'だが' XX」などのような言葉です。

接続詞がつなぐのは

1. 同じ 文の要素 同士
2. 同じ 修飾部分 同士
3. 文章同士

です。

ここで重要なのは、つないだ2つの文の要素、もしくは修飾部分は、セットで一つの文の要素 or 修飾部分として働くということです。つまり接続詞が入っても、「文章=文の要素+修飾部分」という事実は変わらない、ということです。

以下の例文を見てみましょう。

第1文型(SV) - 私の猫犬はよく遊びます -- 「S は V ます」 
第2文型(SCV) - このイチゴは甘くみずみずしいです  -- 「S = C です」
第3文型(SOV) - 私は面白くしかし泣ける映画を見た  -- 「S は O を V ます」
文章同士をつなぐ: 私は25歳私の母親は55歳だ

これらの例文に登場する接続詞と、その接続詞が何と何を繋いでいるのか、一つ一つづつ確認しましょう:

第1文型(SV) - 私の猫 'と' 犬 はよく遊びます
(”と” が接続詞で、『猫と犬』で 主語(S)になっている)

第2文型(SCV) - このイチゴは甘く 'て' みずみずしい です
(”て” が接続詞で、『甘くてみずみずしい』で 補語(C)になっている)

第3文型(SOV) - 私は面白く 'しかし' 泣ける映画を見た
("しかし" が接続詞で、『面白く、しかし泣ける』 は修飾部分で、「映画」を修飾している)

文章同士をつなぐ:私は25歳 'で' 私の母親は55歳だ
(接続詞 ”で” が前後の文章同士を繋いでいる)

接続詞で繋がった文の要素同士はセットで文の要素として機能しますし、
接続詞で繋がった修飾部分同士もセットで修飾部分として機能します。

また、文章同士をつないだ場合は、文章同士をつなげる以上のことは起こりません。

つまり、接続詞が入っても、結局「文章=文の要素+修飾部分」という事実は変わらない、ということです。

接続詞は、文の要素同士、もしくは修飾部分同士をつなぐパーツ。
接続詞によって、文章=文の要素+修飾部分という事実が覆されることはない。


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