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リモートワーク時の社内広報で大事なこと

昨今、新型肺炎の感染拡大により、在宅勤務を取り入れる会社が増えている。私が勤める会社でも在宅勤務が推奨されており、私自身も在宅にて勤務している。

在宅勤務を実現するためにはそもそも、社内環境(ハード面)と文化やノウハウ(ソフト面)の両方が必要な実感がある。今は過渡期で、感染拡大という差し迫った理由があり多くの会社が取り入れているものの、まだそこかしこで混乱が起こっているように感じる。その混乱が少しでも早くなくなったり、在宅勤務が理論上できるはずのビジネスモデルの会社が足踏みしている状態をなくしたりするために、勤め先でいち早く在宅勤務推奨をしてみた裏側や、それをもっと個人目線で捉えた記事を発信した(個人目線記事はなんとなんと、ハフポストに転載もしてもらった。奇跡。。)


そして、上記ソフト面のひとつが「リモートワークでの社内広報」だと思っていて、在宅勤務推奨期間が長くなると各所でここについても課題が生まれるのではないかと予想している(私の勤め先も含め)。それを見越し、知見を書こうかと何気なくツイートしたところ、たくさん反応をいただき嬉しかったので、まとめてみる。


距離を超えるための基本は「可視化」

少し考えたらわかることではあるのだが、オフィスで起こったことは、その時その場にいた人にしかわからない。そこにいなければ、100m先にいようが数駅離れたところにいようが隣県にいようが別の国にいようが、わからないということは同じである。長い間続いている組織であれば、後に入った人にはこれまでの歴史や温度感がわからないだろう。

共通で知っておくことがあればあるほど、同じ方向を向けるし、言葉などにしなくても空気や温度感を感じあって進めていくことができる。いわゆる「共通言語」である。だから、わからない人には、何かしら説明して知ってもらう必要があるのだ。

社内広報は、言葉になっていたりなっていなかったりするこれらの情報を全メンバーの間で埋めていくというのが根本の発想である。

リモート勤務において重要なのは、「今ここで起こったものをバーチャル上で可視化し、共有していくこと」である。その場にいる人にとっては、何気ないことで一瞬で終わるようなことだから、わざわざ可視化して皆にシェアするのは面倒だと思うだろう。でも、これを怠っていくと、共通言語がどんどん減ってしまい、心理的距離が広がってしまう。

資料化するまでもなく、slackで写真と共にコメントを寄せるだけでもいい。私の勤め先は本社オフィスに一定の人数がいるため、可視化しないとリモート勤務の人には情報が届かない。私目線でオフィスで動きがあったときは、写真とともに簡単な文章を投稿しているが、その可視化がとてもいい情報源になっているようである。情報がないことは究極、コミットメントにも影響する印象もある。

(ただ、slackだと流れてしまうことがネックだなと感じており、社内ブログに貯めていけないかと準備を進めている最中である)


コミュニケーションとして、自分のことを知らせる

通常はオフィスに半分ほどが集まっていて、一部の人がリモートで対応している状況だったため、「オフィスの可視化されていない動きをどうオンラインで伝えていくか」が大事であった。ただし在宅勤務推奨期間の今、多くのメンバーが、それぞれの自宅など別の場所から勤務している。

多く人が集まると動きが多くあって、それを共通言語にする人とそうでない人に分かれ、共通言語の集まる場所が偏る。一方、それぞれの場所で勤務するということは人が集まらないので、共通言語が偏ったところで生まれないというメリットにはなる。ただし、そもそも放っておくと共通言語すら生まれない状況になり得て元も子もなくなる。

共通言語を積極的に生むためには、コミュニケーションをいかに起こすかが大事である。人の動きがないところには、ちょっとしたことも話しかけづらく、こういう少しのコミュニケーション不足が溜まりに溜まって大きなロスを生んでしまう。それぞれの場所で勤務しているということはすなわち、自分の状況を伝えないと皆はわからないということだ。自分のことを知らせるように努めれば、新しい情報やきっかけが舞い込んでくるようになる。共通言語以前の、信頼関係構築にも影響する。

時間がないときは、slackの絵文字リアクションでもいい。時間があれば、チームチャンネルで雑談をしてみてもいい。画面の先、インターネットがつながる先で今この時間、一緒に動いているよと示すことがとても大事である。

勤め先は在宅勤務推奨期間中、朝礼や終礼など、テレビ会議システムを使った顔を合わせた会議を推奨しており、多くのチームで気軽に顔合わせを行っている。顔を合わせたら「あ、そういえばあの件」といったちょっとした確認やコミュニケーションがしやすくなる。

ちなみに、勤め先では月1回、コミュニケーションをしやすくするため、日にちと時間を決めて皆で雑談する会を設けている。ちょっとしたコミュニケーションやなかなか話ができない人と会話できると、リモート勤務の人から非常に好評である。月1回たった1時間、やっていることは「仕切ること」「(共通言語化のため)レポートを送ること」のみ。会話テーマもほぼ決めていない。他の社内イベントに比べると労力はかなり少なく、これだけのことでも、社内広報は捗るのだ。


一番大事なのは「同じところに向かう意識」

様々書いてきた中で、リモート勤務時の社内広報で最も大事なことは何であろうか。私は、「同じところに向かう意識」だと感じている。目標数字でも、会社のビジョンでも、「この局面を乗り越えよう」でも「会社をもっと良くしよう」でもなんでもいいが、みんなで一つに向かっていく意識がとにかく大事になる。

たとえば、会議でも「この議題に結論を出そう」と皆が思えているかどうかで、テレビ会議システムによるリモート会議の着地点は変わってくる。もし会議に対して意識の薄い人がいたら、着地点の幅はかなり狭くなってしまうだろう。逆に言うと、皆が同じように思えていたら、かなり込み入っていて散らかった話題が出る会議でも、リモートでも思いがけなく意義深い着地に持っていくことができる。TIPSとして、テレビ会議にて「画面共有で議事録を見ながら会議しましょう」などとあるのも同じ理由である。


勤め先では、「皆で連携して働く」気持ちをそれぞれを一定以上持っている印象があり、それが今の在宅勤務推奨期間を支えている気がしている。これまでのオフィス勤務でチーム意識を育ててきており、それを持ち込んで今回リモート勤務をしている状態だ。そのため、「もともとリモート勤務をとっていて、これから同じところに向かう意識を育てるにはどうするか」ということについては解がなくて恐縮である。もちろん今の勤め先も完璧ではなく、対策が必要なこともあるため、追って気づきを書くようにしたい。

在宅勤務、リモート勤務が広がった場合、社内広報にちゃんと取り組むことで「可視化」が進み、メンバーからアクセスしやすい場所に置き続けることで「共通言語」になる。リアルに集まる働き方を長く行ってきたところからすると、勝手が変わり混乱する時期ではあるが、逆に捉えると社内広報の在り方に新しいチャンスが来たと私は感じる。それぞれの場所で働くスタイルが長くなってきた場合、また変化がありそうなので、引き続き観察し、また知見をまとめたい。

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