わたしたちは一体どこで間違ってしまったんだろう
美しい映像を目の前にしながら、頭の中にはそんな言葉が繰り返し何度も浮かんでは消え、浮かんでは消えを繰り返していた。
久々に映画を観た。
スカイ・ホピンカ監督の「モスニ 海へ岸へ:アメリカ先住民の魂」というチヌーク・ワワ語の長編作品。
この映画は最初から知っていたわけではなくて、知り合いのお店が主催している映画祭でたまたま出会った。
何本かあったタイトルのうちから直感で選んで、ふらっと足を運んだ。
コーラとポテトとサーモンベーグルをお供に観たこの「モスニ」は、刺激的で、それでいて静かで、情熱的で、クールで、なんというかぐっときた。
まんまと私もスカイ・ポピンカワールドに誘われ、昔と今、私と他人のあいだをぐるぐる小判鮫みたいに周りながら、この映像作品に見入っていた。
この作品はタイトルにもあるように、アメリカ先住民にスポットライトを当てているのだけれど、彼らの歌や考え方、先住民達が大切にしている思いに触れていると、一体わたしは何をやっているのだろう。と思った。
昔は水も森も太陽も、きちんと人間と共にあって、常にその存在を感じていたはずなのに。
私ときたらすっかり対話を忘れて、人間界にどっぷりだ。
自分だけが正しい輪から外れている。
その輪に入ろうともせずに、入りたかったことさえも忘れてしまっている。
なんだか無性に悲しくなって、鼻の奥がつんとした。
こういう思いは何かのきっかけにやってきて、あと少しでつかみ取れるのに!と思ったところでするりと手のひらから抜けて行く。
そうして気づけばまた忘れて、元の生活に戻って行く。
なんとかならないのだろうか。
どうしたらあの精神状態にずっと身がおけるのだろう。
どうしたらずっと地球の輪の中に戻ることを諦めずにいられるのだろう。
わたしに今足りないのは何で、すべきことはなんなのだろう。
映画と旅と本はいつもこういう気持ちにさせるなあ。
久々に、ちゃんと五感が開く映画を観た気がする。
さぼらず定期的に触れよう。
じゃないと本当に、わたしは今間違っていることすら忘れてしまう。
せめてこうして、言葉にしておこう。
備忘録でした。
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