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町内会は行政の下請けなのか?

 トレンディな記事が出ているので、トレンディな話を覚え書きしておこうと思う。

京都市伏見区の藤森学区自治連合会が15日、 「市民しんぶん」の配布方法や町内会の在り方を見直すよう求める陳情書を市議会に提出した。高齢化で町内会の維持が困難な上に、市民しんぶんの配布が役員の重荷になっているとし、市に業者配布への転換や配布物の軽減を求めている。
 市は、月2回発行する市民しんぶんや選挙公報などの広報物の配布を、地域の市政協力委員に依頼している。委員には町内会役員を兼任する人が多く、実際には町内会が配布を担っている地域が多い。
 同連合会は、藤森学区の79町内会(約4千世帯)が加盟。連合会によると、高齢化に伴い役員が確保できず、活動を休止する団体も出ているという。各町内会が年間に配布・回覧する約120資料のうち7割を市の広報物が占め、役員の仕事を圧迫している。
 陳情書では、「今までのやり方では担い手は限られ、高齢化とともに町内会は衰退する」と主張。市民しんぶんの配布作業の業者委託や配布・回覧物の集約化、デジタル化を要望している。田村権一会長(70)は「町内会が行政の下請けと化し、防災や見守りといった本来の地域活動ができない。他の学区にも共通する問題で、真剣に議論してほしい」と訴える。
 陳情書は23日の本会議に回付され、来月中旬の常任委員会で審査予定。

 この記事の争点がなにか、地域組織に関する大雑把な歴史観がないと、いまいち意味がわかりにくいかもしれない。そのため、「え?町内会が行政の下請けになるっていうけど、そもそも行政の下請けじゃなかったの?」「町内会が行政の仕事に協力して何がいけないの?」みたいな感想さえありえるだろう。なので、このあたりの歴史的経緯を見てみよう。

町内会は、翼賛体制の遺産であり、当初その役割は行政末端であった

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