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6/21、秀逸なビタミンC「タケダ」と「折り合い」のこと

 歯医者に行くと、毎回おでこで熱を測られる。
 歩くとすぐに体温が上がるため、検温では本来の自分の平熱より高い数値が出てしまうことが多い私には緊張の儀式だ。36.7℃、この日はセーフ。

 以前の職場の近くに内科があって、定時で切り上げると受け付けにギリギリ間に合うのでいつも小走りで行っていた。定期的にアレルギーの薬をもらうだけなのだが、毎回検温で37℃超えになり「あなた熱あるわよ」と言われていたのを思い出す。

 心が強ばったときに効く漢方を教えてくれた、G-SHOCKの似合うとてもきさくな女性の先生だった。

 根っこの治療を地味に続けていて、ようやく土台が入り、次回は型どり。院長先生を指名すると予約も毎週は取れなくて、2、3週に一度のペースでしか通えないのがもどかしい。
 歯医者って本当に終わりが見えなくて気が遠くなるよなあ。まるで忍耐力や持久力を試されているかのよう。

 Spotifyで星野源の新曲を聴く。今こそまさに、のタイミングで「折り合い」というタイトル、なんて秀逸なんだと感心する。

 ね、良い言葉です。
 世の中のたいていのことは、なんやかやと折り合いをつけて回っている。コロナ禍における生活も、社会と自分との距離も、すべて折り合いのなせる技だ。そして私は自分自身に近ければ近いほど、人や物事に折り合いをつけるのが下手くそだ。

 社会のプール(海ではない)をもっと器用に泳げたら、いろんなことが楽になるのかなあと思うのだけど、わりかし長く生きていてもちっとも上達しないこともあるのだ。
 MVも観た。石橋静河さんは自然体で可愛いですね。

 寝不足とか、野菜不足とか、不摂生とも呼べない程度のちょっとした変化ですぐに口内炎ができてしまう。きっと粘膜が弱いのだろう。ここ2か月で出来たり引っ込んだり。生活のリズムは多少は整ってきたように思うのだが。むしろ今は、毎日通勤していた日々に戻ってほしくない。

 口内炎と肌の調子をなんとかしたくてネットで調べたら、タケダのビタミンCが良いとの情報を得た。懐かしいパッケージデザイン、こちらも秀逸。そして武田コンシューマーヘルスケアの商品名が「タケダ」という潔さ! 黄色いタブレットは眺めるだけで唾液を誘発し、なんだか効きそうな気配がする。
 ドラッグストアで見つけて大きい瓶を買っておいたら、夫は飲まずに舐めていると言う。美味しいのだそう。私は水でくるっと飲み込んでいる。胃まで秒で落下。あんなに酸っぱいものをよく平気だなあと驚いたが、そういえば夫はカットレモンをそのまま食べられる人だった。

 世の中には2種類の人間がいる。生のレモンを囓れる人と、そうじゃない人だ。
 社会と自分との間で折り合いをつけられる人と、つけられない人だ。
 あ、4種類か。私は生レモンを齧れず、社会と上手いこと折り合いをつけられない人、である。

 そして文鳥文庫第4弾の表紙デザインが今井麗さんの果物の絵だったので迷わず購入。私が社会のプールを泳ぎきるうえでの、サバイバルにおけるバイブル的な一編、梶井基次郎の「檸檬」もあって非常に嬉しい(頑張って韻を踏んでみました)。

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