見出し画像

500円の自転車で旅をする

札幌駅南口を出て、東に進んだ先にある都市型レンタサイクル「えきチャりさっぽろ」。1日500円。自分の身体と旅のイメージに合う一台を見定める。ここにある自転車、全部放置自転車なんだってさ。この子にしよう。過去の持ち主はどんな人だったの?自転車に問うてみたけど答えはくれなかった。ハンドルがクロスバイクみたいにまっすぐでイカしてる。そのくせ、ママチャリのようにカゴがでかくて途中で寄り道しても大丈夫そう。色は真っ黒で目立たず、シンプルな見た目。密かに2つの顔を持ってる。そこが君の魅力なんだね。サドルの高さを調節して、豊平川沿いのサイクリングコースを目指した。目的地はモエレ沼公園。ただひたすら漕いだ。漕いで、漕いで、漕いだ。川で釣りを楽しむおひとり様が複数いた。何が釣れるんだろう。上裸でリフティングしてるおじさんがいた。なるべくその人の楽しみを邪魔したくなくて、颯爽と横を通り過ぎるよう心掛けた。「ご自由にお休みください。」の札が目に入った。急いで自転車を停めて、休んだ。別に身体は疲れてなかった。「ご自由に」という言葉に惹かれちゃったんだな、きっと。マップを開いてカフェを探した。コンテナのカフェ「COFFEY ROAD コフィロード」を発見。『奇界遺産』なんて本置いたのだれだろう。面白すぎてコーヒー来る前に全部見ちゃった。コーヒーに添えられた焼き菓子にマスターの思いやりを感じる。もうちょっと休憩していこう。そんな気持ちに。これだから一人旅って面白い。何か特別なことをしたわけではないのにね。不思議だね。



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?