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チャンスの前に準備しとけって

時は2017年のビバラロック(フェスです)に遡ります。

そもそもフェスに行くのは、これが初めてでした。興味はあるものの、何か怖い…イメージがあって行けてませんでした。フェスに行く人はかっこよくて、かわいくて、おしゃれで、私とは程遠いものに感じてました。(あと、めちゃくちゃ偏見だけど、フェス行く人はセックスとかドラッグのことを軽く考えてそうと思ってました。先入観すみません!)

そんな時、会社の同僚からフェス行かね?と軽めに誘われました。フェスに行く人ってこの軽さが、もう、行ったことない人間からすると「かっけぇ!」ってなりません?
何事も初めてを大切にしたい派なのですが、同僚からの真っ直ぐなお誘いと元々あった興味が背中を押したこともあり、軽めに「いいよ~」と返事をしました。この時、ちょっとオトナになれたかもしれません。

当日は初めての私に対して、グッズの買い方からフェス飯の食べ方から、もちろんお気に入りのバンドがいつ出るのか、ステージの行き来の仕方まで手取り足取りサポートいただき感謝でした。

あと、フェスっていろんなバンドが見れて楽しいのですが、この時間知らんバンドしか出てない…何しよう…という空き時間ってできませんか?
この時の私はそうでした。

「この時間全然知らんバンドばっかりやん」
「みっちりスケジュール立てんと時間勿体ないやん」

私の脳内ケチ関西人が暴れだしたので、事前に知らないバンドの曲も予習していきました。今思うと、もっとゆっくりフェスの観光がてらふらついたり、雰囲気を楽しんだりするだけでも全然アリだった。

知らんバンドの中からたどり着いたのだCreepy Nuts(クリーピーナッツ)でした。
昔からヒップホップが好きだったのでいいかなと、それくらいの軽いノリでした。今めちゃめちゃ売れてますけど、この時は今ほどじゃなかったです。

事前にYouTubeで予習した曲をたくさん歌っていて、ステージングもかっこよかった…!フェス初心者の私も両手を挙げたり、前へ後ろへ体を揺らして音楽を楽しみました。恥ずかしがらず手を振ったり、体動かしてみたりする方が断然楽しめると思います。楽しみ方は人それぞれですが、私は声出したり、体動かしたりして、その空間と生まれる一体感がすごく楽しかったです。

ライブのMCでのことです。
ご存じの方もいると思うのですが、歌ってる方のR-指定さんは即興でラップするのが得意で、5人からそれぞれキーワードをもらって、そのキーワードを使って即興でラップすることができるんです。聖徳太子ラップと言います。

この時もキーワードをお客さんの中から募集していて、手を挙げる方式だったので、この場の雰囲気と一体となっている私も勢いよく、「はい!」と手を挙げました。

R-指定:じゃあ、そこの今目が合った人!

私:ん?

周りをキョロキョロして、

私:え?

前日に数曲予習しただけの私が当たっちゃったんです。
咄嗟のことで、めちゃめちゃ動揺しました。
さっきまで一体となってたはずなのですが、急にひとりぼっちになった気がしてきました。

どうしよう、なんか韻の踏みやすい言葉がいいのかな?難しい長めの言葉がいいのかな?と頭の中をフル回転させて出た私の渾身のキーワード、

「さいたま。」

うーん、めちゃくちゃ普通ですね。このフェスの開催地が埼玉ですからね。
なんかR-指定さんというか、フェスに忖度した感じになってしまいました。
それでも「さいたま。」を了解してくださり、ラップに入れていただきました。今思うと、最高の思い出でしかない。感謝です。
Creepy Nutsの話題になったときは毎回自慢してます。

まあ、今、振り返ると、手を挙げるなら、いいキーワード出せよって思いますね。あの時も古参ファンからの「俺の方がおもろいキーワード出せるわ」って心の声が聞こえた気がしました。
私が変に大喜利的な要素を深く考えすぎた面もあったと思うんですが、理想を言えば咄嗟のタイミングで気の利いた言葉、一言でガツンと来る言葉みたいなのを放り込める準備をしておくと、いざというときにチャンスがつかめるのかなと。

Chance favors prepared mind.

チャンスは準備された心に降り立つ

いろんな場面でよく使われるので、ご存じの方も多いと思うのですが、この言葉好きなんです。しかも、たとえチャンスが来たとしても、準備できてないと、どうにもならないですよね。いつ自分の求めるチャンスが巡ってくるかわかりませんが、最善の備えはしつつ、日々を過ごしたいと思って出来事でした。

あと、ちなみにラップの中での「さいたま。」の使われ方は、
「だ埼玉(ダサい)なんて言わせねぇ!」でした。

ラップもちょっとダサくなってるやん。

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