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「生きる。」 とは

生まれる。
それは、世の中に一歩踏み出した瞬間だ。

羊水に包まれていた小さないのちは、
産声をあげ、呼吸をしはじめる。

人は不思議なもので、教えられなくても、
ひとつずつ、できることが増えていく。

はじめて、自分の力で歩けた一歩は、
次の新しい一歩を踏み出す自信になる。

歩いて、走って、つまずいて、
それでもまた踏み出したから、今がある。

生きる。
それは、はじめての一歩の連続だ。


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生みだす。
それは、世の中に一人の人間を送り出した瞬間だ。

母と子で繋がっていた臍帯が切り離され、
小さないのちは、自分の力で呼吸をしはじめる。

人は不思議なもので、教えられなくても、
口を動かし乳を飲み、泣いて、自己主張をはじめる。

我が子が自分の力で歩き始めた一歩は
親の腕の中にいる時間が減っていくこと。
親はそれに気づかず、子どもの歩みを
見守り応援していく。
気がつくと、その一歩は力強くなり
一人で生きていく力になっていく。

生きる。
それは、はじめての一歩の連続だ。


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これは、子から母、そして母から子に送る、小さな歌。

実は、最初の部分を私が書き、その返歌としてさちこさんという方が書いてくださった。

この「言葉ギャラリー」の企画の発起人である、さちこさん。

私がさちこさんと出会ったのは、「言葉の企画2020」 だった。
私が尊敬して止まない阿部広太郎さんが主宰しているこの企画で、私は2020年の最後に、さちこさんに出会った。

大森にある大学に勤めているさちこさんは、病院という場所でことばの力をもっと伝えたい、という熱いプレゼンを私たち企画生に届けてくれた。
看護師でもあるさちこさんの言葉と意志に胸を打たれ、気づいた時には、私の頬は涙で濡れていた。

そして、なによりも驚いたのは、「大森」という場所だった。というのも、私は大森で生まれたからだった。
雷が落ちたように身体がピリピリと痺れ、さちこさんに「私、大森で生まれたんです…!」とプレゼンのあとに駆け寄って行った。

さちこさんも、大森という場所で仕事を始め、一歩を踏み出したことを知った。
教鞭をとって、新しいいのちと向き合う看護師さんのたまごを育てていた。

私も、大森という場所で一歩を踏み出した。
それは同時に、私の母も大森という場所で母になる一歩を踏み出したということでもある。

日本に無数にある場所の中で、「大森」という地で踏み出した私たちの一歩は、やさしく重なり、小さな物語が生まれた。

さちこさんの「母としての視点」と、私の「子どもとしての視点」。

こんなこと、お母さんは思ってたのか・・・!とさちこさんと話しながらたくさんの発見があった。「一歩」というテーマを持っても、感じていることや思うことはそれぞれあって。さちこさんの紡ぐ言葉に何回じーんとしただろう。

さちこさんが、「今回の写真は、かのんちゃんのお母さんに選んでもらおう」と提案してくださった。
24年前のアルバムを奥からひっぱりだし、母と並んでめくる。
「産んでくれてありがとう」とぽそっと言った。言えた。
そんな機会をくださったのは、さちこさんだった。ありがとうございます。

今回の言葉ギャラリーのテーマである「一歩」にそって、
生まれた言葉がこちら。

「生きる」。それは、
はじめての一歩の連続だ。


この世にはじめて生まれ落ちることも、はじめて自分の足で立つことも、
歩いていくことも、学校に行くことも、
恋をすることも、傷つくことも、仕事を始めることも、
企画を形にすることも、全部ぜんぶ、大事な一歩。

その一歩が、どれだけ大きくても、小さくても、
今までの位置からは確実に、前に進んでいる。

はじめての一歩は、日常に飲まれて忘れてしまうことも多い。

だけど、今日だけ。
新しい一歩を踏み出せそうな、この季節に。
はじめての一歩を、思い出してみませんか。


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言葉の企画2020。社会人1年目。 好きな言葉は "出会いは世界を広げ、別れは世界を深くする"。 バックパックと写真が好きです。映画とおしるこも、大好きです。 自分の目とカメラを通して、日常や非日常をゆるく発信します。 上に広がっているのは、マサイ族が住むタンザニアの名もなき村。