引きこもり発達障害エンジニアが42Tokyoの入学試験piscineを受けてみた記録

2022年11月追記・不合格でした。

自己紹介


初めまして、のんのんです。
アラフォーの引きこもり発達障害者(ASD)で、
前職を退職してから数年引きこもった後に
未経験からプログラミングの勉強をして
2021年から完全在宅勤務のWebエンジニアの仕事をしてます。
(2022年10月にPiscine参加)

42Tokyoとは

フランス発のエンジニア養成機関の日本版です。

  • 学費完全無料

  • 学歴、経歴不問

  • 24時間オープン

  • 講師不在で生徒同士で教え合う

などの特徴があります。

「piscine」と呼ばれる4週間にも及ぶ過酷な入学試験があります。

1年経ってもダメダメエンジニアだった

今の日本のIT業界は人手不足ですが
人手不足すぎて新人を育てる余裕がない企業が多く
未経験者がエンジニアになるのはとても難しいです。
また、エンジニアになれたとしても厳しい仕事に耐えかねて
1年以内に辞めてしまう人が多いといいます。

私は運よくWebエンジニアになり、
意地で1年続けました。
1年以内に辞める人が多いなら
1年続けられれば何とかなるんじゃないかと思ってました。

しかし、全然一人前になれてません。つらい。
いつになったら一人前になれるのか全く想像がつかない。
このままじゃ続けていくのさえ難しいかもしれない。
なんとかしないと。

ダメダメの現状を打破するためにPiscineを受けることに決めました。

事前準備を始める

Piscine体験記などを読んで
合格するためには何をしたらいいのか考えました。

メンタル対策として改めて発達障害の検査を受ける

piscineはフルコミット前提の試験です。
また、試験内容は他言無用のため謎の部分が多く
どんなことが起きるか分かりません。

メンタル対策のために自分自身の発達障害の特性を
もっと知っておきたい。
以前に検査してもらった時の検査結果はどこかに
失くしてしまったので(物の管理苦手‥)
改めて検査を受けることにしました。

検査結果

今回私が受けた検査はWAIS-IV。
知能検査の一種で、発達障害の検査としてよく用いられます。

全検査IQ(FSIQ) 117
言語理解(VCI) 128
知覚推理(PRI) 101
ワーキングメモリー(WM) 109
処理速度(PSI) 118

パニック対策

図や記号など、ルールや法則を理解するのが得意な一方で
法則がないもの、多角的なものを把握するのが苦手です。
その場に応じた柔軟な対応、想定外の出来事も苦手です。

この動画でいう「パターン型思考者」に当てはまると思います。

パターンに外れたことがあると対応しきれずパニックになりやすいです。
私が外に出るのが苦手なのも、
家にいた方が生活をパターン化しやすいからです。
外では何が起きるか分かりませんから。

パニックの対処法としては
「気分転換をすると良い」と所見にありました。

気分転換になるリラックス法を事前準備として毎日続けました。

それから、先の動画によるとASDの中でも
パターン型思考者はプログラマーに向いているそうなので
自身の特性を前向きに捉えることにします。

その他の苦手対策

耳で聞いた情報を頭の中で整理するのが苦手。
これに関しては

  • メモをとる

  • チェックリストを作る

  • 定期的にそれらを読み直す

過集中、過緊張、疲労を感じにくい対策

私には過集中と過緊張の特性もあります。
集中状態や緊張状態の時は疲労を感じにくく、
それらが緩んだ瞬間にどっと疲労感、だるさを感じたり
フラフラになったり、最悪倒れる可能性もあります。

  • こまめに休憩して気分転換する

  • リラックスできる環境を作る

piscineはオンライン参加することにして気分転換しやすくします。

発達障害は障害者手帳で精神障害者手帳に分類されるせいか
精神だけの障害で体には何の問題もないと思っている人が多いようです。
ですが、人によっては急に倒れるなど
体に影響のある特性を持った人もいます。
人によって特性、程度の違いはありますが
体に影響がある人ほど理解されず
就労が難しい傾向にあるように思えます。

その他の事前準備

仕事を休む

仕事との両立は厳しそうなので会社に休みたいと伝えました。
OKをいただけました。ありがたいです。

書き出す練習

自分の考えを整理するために書き出す練習として
ブログやQiitaに自分の考えなどをまとめて書き出しました。

タスク管理

100円ショップでTODO付箋を買ってきて
チェックリストを作り、仕事で活用しました。

コミュニケーション対策

普段よりも人と話しました。
事前準備する前と比べると
コミュニケーションの苦手意識は減ってきたように感じます。

C言語対策

piscineではC言語を使うと聞いてC言語の勉強をしました。

いざ本番

事前準備をギリギリまで行い、いざ本番!・・・といきたいところですが
事件が起こりました。
Piscineの1週間くらい前のこと。自宅で急に倒れました。
先に書いた通り私は過集中、過緊張、疲労鈍麻の合わせ技で
集中している間は疲れを感じにくく
集中が切れた途端にぐったりしたり、急に倒れることがあります。
普段は時短勤務で疲れが残らないようにしていますが
事前準備を頑張りすぎたのかもしれません。
また、ちょうど台風が連続してたので
気圧変化が激しかったのも原因だと思います。

つらかったこと

体調管理

ちょうど季節の変わり目で寒暖差が激しかったこと。
雨の日が多かったこと。
感覚過敏で気圧変化や寒暖差に弱い影響をモロに受けました。

それから、疲労管理が重要なのを分かっていながら
熱中しすぎて適切に休憩を取れてなかったです。
1週目〜2週目あたりは1日8時間〜10時間くらい取り組めてましたが
徐々に疲労が蓄積してしまい
3週目からはフラフラになりながらコード書いてました。

コミュニケーション

人と話さないと先に進めない試験です。
普段は人と話すのが苦手すぎて
コンビニで「肉まんください」も言えないほど自閉的な私。
人と話す段階になるとガチガチに緊張してしまい、大変でした。
つらくて全然人と話せない日がPiscine中に何日かありました。

メンタル面

体調が絶不調だったことも影響し、メンタルが乱高下を繰り返してました。
何回も泣きました。
課題が全然分からず、つらくて
人に教えられたままのコードを書いてしまったこともありました。
弱メンタルからネガティブ発言をしてしまうこともありました。

事前準備で自分のことを分かったつもりでしたが
過酷な状況で自分自身のメンタルをケアし切れなかったです。

良かったこと

前よりは外に出れるようになった

以前はずっと引きこもって滅多に外に出ることはなかったです。
事前準備や気分転換で散歩に行く習慣がついたおかげで
前より外に出れるようになりました。

コミュニケーションに前向きになれた

「話すの苦手!」なんて言ってられない状況で
覚悟を決めて自分なりに懸命に取り組みました。

うまく話せない場面が何回もあったのにも関わらず
こんな私にもじっくり説明してくれたり、教えてくれたり
話を聞いてくれる人たちがいました。
聞きとりづらいこともあったと思いますが
付き合ってくれたPiscinerの皆さんにはとても感謝しています。

エンジニアは打ち合わせなどで
人と話したり、自分の意見を言う機会が多いです。
普段よりも人と話せたおかげでコミュニケーションに前向きになれました。

タスク管理、スケジュール管理

Piscine中はスケジュール管理に気を遣うことが多かったです。
必ず付箋を利用してこまめに管理したおかげで
スケジュール管理の習慣がつきました。

それから、エンジニアの仕事では1つのタスクに対して
初めから全部をやろうとするのではなく
タスクを切り分け、分割して出来ることから取り組んでいきます。
そんなタスク管理力も上がりました。

学習習慣の定着、学習意欲の向上

やる気のある人たちに囲まれて影響を受けた結果
Piscineを受ける前より学習意欲が上がりました。
また、事前準備〜Piscineで毎日勉強するのが当たり前になり
学習習慣が定着しました。

以前よりコードを書けるようになった

エンジニアとしてよわよわで関数を書くのすら苦労していましたが
課題を解いていく過程で前よりコードを書けるようになりました。

初心者に人たちがどんどん課題を解いていく姿を見て
42のシステムの凄さを実感しました。
初心者ほど爆速で成長できます。本当にすごいです。

不屈のメンタル

Piscine中は何度もメンタルをやられることがありました。
何をどうしたらいいのか分からず、絶望しかけることも何度もありました。

IT業界では日々新しい技術が開発されています。
今知っていることが明日通用しなくなることもあります。
しかしそんな時、「知らない、分からない!」と諦めてしまっては
IT業界では生き残っていけません。

つらいことは何回もありました。
けれど、つらかったからこそ、どんなに打ちひしがれようが
諦めずに立ち向かっていく不屈の精神を鍛えられたと思います。

まとめ

結果は不合格でした。
事前準備もPiscine中もあんなに頑張ったのに、との思いはありますが
話すたびにガチガチになって体調やメンタルを崩すことも多かったですし
自分でも妥当な結果だったと思います。

しかし、残念な結果ではありましたが得るものは多かったです。
単にプログラミングの技術だけでなく
エンジニアの仕事に大切なことをいくつも教えられました。

ここまで私がPiscineを受けたきっかけとして
書いていなかったことがあります。
それはニューロダイバーシティを知ってもらうことです。

42東京にはIT起業家を目指す人たちが多く集まっていると聞きます。
そんな人たちにニューロダイバーシティを知ってもらえれば
ニューロダイバースな社会実現に近づけるのではと考えました。

合格できなかったため42内で発信することはできなくなりましたが
Piscineきっかけでこのnoteなどの発信活動を始めることができましたし
これからも地道に発信を続けていくつもりです。
大変な目標かもしれませんが
どんなに難しいことでも諦めずに挑戦し続けることの大切さを
Piscineが教えてくれました。

最後に

長くなってしまいましたが
ここまで読んでくださってありがとうございました。

合格した人がシェアしてた動画をここに貼っておきます。
少しでも次代のPiscinerのお役に立てますように。


Piscineはプログラミング未経験の初心者でも受けることができます。
完全無料でたった4週間でコードが書けるようになります。
「プログラミングに興味あるけど、何をすればいいか分からない」
という人は、まずはこのターミナルゲームをやってみてはどうでしょうか。


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