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産業廃棄物に20年間携わってきた私が、ものづくりをはじめた経緯 その2

その2について

 前回は、産業廃棄物処理業に携わっていた私が、ものづくりに踏み込んだ経緯についてお話ししました。

 廃棄物処理業という立ち位置では、資源をうまく循環できないと感じたことが大きな要因です。

 では、そこから一歩踏み込んでものづくりをするといっても、どんなことから初めて、どんな壁にぶつかったかということを今回はお話ししたいと思います。

コンセプト

私がまず始めたのが、ものづくりを行うにあたってのコンセプト作りでした。

限りある資源を大切に使用する「使い捨てない価値の創造」

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1.長く大切に使う:耐久性、メンテナンス性
2.古いものの価値を認める:代々受け継がれること
3.所有しない:シェアする
4.違うものに生まれ変わる:再商品化
5.循環ループを創る:バリューチェーンのデザイン

 上記5つの価値創造ができないかということで、いきなり事業化は難しいので、プロジェクトとしてスタートしました。

 これから10年後、20年後の社会を創造する実証プロジェクトにしたいという想いがありました。

 もちろん事業化を見据えてのことです。

HiKEY Ploject 

 HiKEY(ハイキー)というPloject名ですが、音がキーワードになっています。

 廃棄というネガティブなイメージではなく、Hi Key=高音という朗らかさ、突き抜けた感を持たせたものです。

 まずは自らの得意なところからということで、コンセプト4の再生を中心に取組みを開始しました。

 原料としたのは建設廃材でした。

素敵なものができました

 建設廃材を原料に、デザイナーさん、職人さんに素敵な商品を作ってもらいました。

コメント 2020-02-24 141219

柄の部分に廃材を使用したカレンダーです。

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全て廃材でできたこけしです。
ちゃんとこけし職人さんに制作いただきました。

デザインについて

 これらの取組みを進めるにあたり、コンセプト以外にも大切にしていることがあります。

 それはデザイン

 意匠という意味でのデザインは完全に私の好みなのですが、それだけではなく、制作した商品が使用された後の資源循環までを含めたデザインも大切にしたいと思っています。

 この部分はこだわりでもあるので、別の機会にお話ししたいと思います。

意気揚々と提案してはみたものの

 さて、これら素敵な商品ですが、建設廃材を出している企業さんにノベルティとして活用いただけないか打診してみました。

 きっと喜んでくれるはずだという根拠のない自信をもって訪問しました。

結果、見事に却下されました。

*自社のノベルティとしてのみ使用しました。

何が問題だったのか?

 自社で出た廃棄物を原料にした商品を作りました!!
 工場を見学してもらった方へのお土産として!!という絵を書いてみたのですが・・・。

問題点その1
 当たり前なのですが、制作個数が少ないことと、職人さんに制作いただいているため原価が高い。
 制作総数が少ないため、総額としてはそこまで高額ではないのですが。

問題点その2
 はっきりとは言われませんでしたが、廃棄物を原料としたものをお客様に配るわけにはいかない。

 いくら環境への取組みが熱心であっても、やはり資源ではなく廃棄物としてとらえられたことにかなりのショックを受けました。

また同じモヤモヤが

 結局、原料として使用できる状態にしても、再び使用してもらえないことと同じ結果になりました。

 ということで、このPlojectでの取り組みは、踏み込みが甘かったと実感しました。

 踏み込みが甘かった点としては(あくまでも自社内での設定課題です)

 ・商品の販売を自ら行わなかったこと
 ・加工を全て外部にお願いしたことで原価が上がってしまったこと

さらに踏み込む決意に

 以上の結果から、踏み込みの甘さを反省し、次の展開検討に入りました。

 このプロジェクトのコンセプトをベースとして、ある部分に特化した内容で、事業化を見据えて”えい”っと踏み込んだ内容は次回お話ししたいと思います。

*ざっくりとした内容になっていますが、実際はもう少し精緻に進めています・笑

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