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投資判断をする上で必ず見ておくべき指標

投資の判断材料(ファンダメンタルズ分析とバリュエーション分析)

株式投資において、今が買い時だ、あるいは今が売り場だ、という判断は何を手がかりにして行うのでしょうか!?
また FX 投資において、これからはドルが上昇するとか、円高が進みそうだとか、相場の方向性はどのようにして判断すれば良いのでしょうか!?

例えば FX 投資においては、例えばドル円相場では、まず日米金利差が非常に重要な意味を持ちます。
米国の金利が日本と比べて総体的に高くなればなるほどドルは強くなりますし、その逆は円高に動くということです。

あるいは貿易収支も外為相場に影響を及ぼしています。
日本の貿易黒字が増大すればするほど他国通貨、特にドルを円に交換する圧力が強まりますから、円高要因となります。

また、株式市場や金融市場のリスク許容度(リスクに対する姿勢)によってもFX相場は大きく左右されます。
円は市場がリスク回避的(リスクを取りたくない)になる局面では、「安全資産」として買われる傾向にありますので、相場が不安定なときや株式相場が下落している局面では円高が進みやすい構造になっています。

株式投資においてもそのようなマクロ経済のファンダメンタルズは最重要ですが、それに加えて、例えば 株価がPBR (一株当たり純資産)よりも安いとなると株価が低過ぎるとして買い材料の一つになります。
またPER( 一株当たり当期利益)が過去の平均値に比べて高過ぎる、あるいは安過ぎるということが売買の判断材料になることがあります。
これらはファンダメンタルズ分析に対してバリエーション分析と呼ばれるものであり、実際の企業価値と市場で取引されている株価価値との差に注目するものです。

しかし、それだけでは投資判断はできない!?

しかしながら株式投資やFX 投資を行う上でそれだけを判断材料にして行うことは実際問題としては不可能だと言えます。
例えば、ドル円はこの一年間は概ね105円から110円のかなり安定した上下動の少ないレンジ相場での動きになっています。

ただコロナショックの直後はかなりの変動が見られました。

ドル円相場は、今年2月20日には1ドル=112円21銭をつける水準でしたが、欧米でも新型コロナウイルスの感染拡大問題が急浮上してきたことからその後急速な円高ドル安が進みました。

3月9日には一時1ドル=101円17銭まで一気に円高が進行しました。これはいわゆる市場のリスク回避的な動き(リスクオフ)が強まったことが要因ですが、しかしその後3月10日以降ドルは急激に目を戻し、3月20日には1ドル=111円5銭とドル高が進行しました。

何がこれほど急激に相場を動かしたのでしょうか!?

ドル円チャート

同期間の株式市場を見てみましょう。
3月20日時点での NYダウの終値は19,173.98ドルです。2月20日が29,219.98ですから そこからまだ34%も下がった水準にありました。
日経平均株価では3月20日の終値は16,552.83で、2月20日の終値23,479.15から29%も下の水準にありました。

そのことから市場のリスク許容度が高まって(リスクオン)ドルが買われたというものではないことが分かります。

このドル高の要因としては株式相場急落と景気の急減速を受けて決済資金としてのドルの不足感が高まったため、米国が海外の株を処分してドル買い他通貨売りを行急激なドル資金需要に伴うドル高が進行したというものでした。

先進国で最も金利が高水準だった米国においても今や短期金利はほぼゼロとなりました。
6月10日のFOMCで、FRB パウエル議長は FRB としてもYYC(イールドカーブ・コントロール)を導入していく用意があることを示唆しました。その意味では FX 相場に重要な影響を与える日米金利差については縮小し、ほぼゼロに収斂していく状況になっています。

その意味では、日米の金利差が有意に存在していた状況からほぼゼロになったということは円高要因になりますが、現在この1年間のレンジを越えて円高に進んでいるという状況にはなっていません。

その意味で各国の経済ファンダメンタルズ金利動向市場のリスク許容度などは引き続き相場に沿って重要な要因であり ますがそれだけを見ていても相場の方向性は分からないということになります。

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より注目すべき4つの指標

このような指標以上に、もっと注目しておかなければならない指標がいくつかあります。投資判断をする上で必ず見ておくべき指標、結論から申し上げます。

(1)一目均衡表
(2)MACD
(3)RSI
(4)投機筋ポジション(FX)、出来高(株式投資)

この4つです。

それでは次回、具体的にこれらの4つの指標を使って、ドル円相場について観測していきましょう。

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