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レコード・マン -記録する人-/Taishi Nomura

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「記録の存在しない街、トーキョー」に送り込まれた一人の男。仕事のなかった彼は、この街で「記録」をつけはじめる。そして彼によって記された「記録」が、「まだ何者でもない人々」の未来を… もっと読む
「それでもなお、未来を信じる人たちへ」 (1000円という値段をつけてはいますが全て無料で読むこと… もっと詳しく
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2020年1月の記事一覧

パラレルワールド 27

               ☆  今日はこれといって予定もなかったので、グリーヴァへ行…

パラレルワールド 26

               ☆  僕はダンシング・ネコのいるステージの真ん中へ駆け寄り…

パラレルワールド 25

              ☆  モリータのザ・シークレット・アート。  その生放送は順…

パラレルワールド 24-2

                 ☆  目が覚めると空は薄暗く雨が降っていた。  ーーし…

パラレルワールド 24

              ☆  たまたまコーヒーを飲みに入った喫茶店で、僕はそこでた…

パラレルワールド 23

               ☆  ダンシング・ネコの存在を知って以来、僕は雨の日が少し…

パラレルワールド 22

               ☆     「久しぶりだな」  アジトのドアを開けるとライオンの覆面を被った男がすぐ僕に気づいて声をかけた。  「あまり一つの場所にどっぷりと浸からないように心掛けてるんだ。」  「いい心がけだ。いつでも流れていないとな。淀むだけだからな。」  そんな気の利いた返事のあとでライオンの覆面の男は続けた。  「いいところに来た。新メニューのハムチーズ・トーストがある。どうだ?今ちょうど出来上がったばかりの試作品だ。もちろんお代は要らんよ。」

パラレルワールド21-2

               ☆  タイシノムラ。それが僕に与えられた名前だった。  そ…

パラレルワールド 21

               ☆  「おつかれっした!次はいよいよコンテスト本番すね。」…

パラレルワールド 20

               ☆ 今日は特段やることもなく、僕の足はライブ・ハウス「グリ…

パラレルワールド 19-2

  ☆  「ふふふ。素敵じゃない。私も…

パラレルワールド 19

                ☆  昨晩からの雨は相変わらず降り続いていた。  今日は…

パラレルワールド 18

               ☆ 朝の9時50分というこの上なく微妙な時間に僕はアジトに飲…

パラレルワールド 17

 ☆  彼女は僕の部屋で眠ることもあったし、そうでない日もあった。  トーキョーに、僕なりの「日常」が形成されていくのにあまり時間はかからなかった。  もし彼女と出会っていなかったら、もしあのときブルシットの階段を上がっていなかったら、もっと違った形の「日常」を形成していたはずだ。(おそらくアジトに入り浸りジャック・ダニエルとフライド・ポテトを大量に消費するだけの日