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適性よりもモチベーションの分析が大事

大人になって気づく


こんにちは。
埼玉県中央部にある比企(ひき)にてフリーランスのイラストレーター、デザイナー、グラフィックレコーダーをしている久保田ナオと申します。

今朝こんなツイートをしました。

大学を卒業して11年。
色々な仕事(転職3回&フリーランス独立)や育児を経験し、ようやく「ガリ勉優等生タイプの自分がどうして、いい作品を作れないダメ大学生になったのか」が理解できてきました。

最初は「学科選びをニアミスしてたかも」という気づきのツイートだったのですが、「本当にそれが原因なの?」とさらに思考は深く潜ります。

なぜダメ学生だったか。その本当の理由は、学科で作る課題と、自分のモチベーションをうまくリンクさせられていなかったから。

何に対して、どのようなアプローチであればやる気が出るのかという「自分のモチベーション特性」を理解し利用していなかったことが原因なのではと思い至りました。


自分のモチベーション特性を利用する


大学の頃の具体例を出しますね。

「新聞広告を作る」という課題があったのですが全くやる気が出ず、「日本の気候を紹介する」というピントのズレたアウトプットをしたのが私です。誰が広告費数百万も払って日本の気候について出稿するんだ!笑

「身の回りの問題解決に興味がある」という自分のモチベーション特性を当時理解していたら、課題とうまくリンクさせられていたのに、と悔やまれます。

自分のモチベーション特性を利用し、課題を「自分が今おかしいと思っている事象に対して問題提起する新聞広告」ともう一段階深くカスタマイズしていたら、
「芸術祭(学園祭)でお酒が飲めないなんてありえない!」
「なんで九州に美術大学がないんだ!」
などの当事者による熱量を伴ったアプローチができていたでしょう。

課題をそのまま鵜呑みにするのではなく、自分のモチベーションを刺激する内容まで(多少強引にでも)引っ張り寄せることが、いいアウトプットへの一つの道筋だったのです。


不良たちが激変!

こちらの本にこんな実例が紹介されています。(Kindle Unlimited会員は無料で読めます)

スティーブは生徒の中でも一番の乱暴者でした。学校始まって以来の乱暴者だという評判を取るほど、他の生徒をおどかしては殴る蹴るの乱暴をはたらいていました。(中略)スティーブはプロボクサーになることが夢だと話しました。そこでボクシングの月刊誌を教科書にして勉強させると、プロボクシングの歴史から米国史を勉強し始め、リングの面積を計算したり、代数や幾何の教材にリングの床部分や立体の模型を使って数学の勉強をし、ボクシングについての口頭発表をしたり作文を書いたりし、雑誌に出てくる単語のつづりを勉強したりして、必須科目を完了しました。(中略)彼は卒業すると、ボクサーの夢を追いました。夢を追いつづけた結果、スティーブは存在意義と満足感を与えてくれる人生を手に入れたのです。その後、彼が結婚して子供も生まれたと聞いて、私は感無量でした。私がはじめて会ったときのスティーブは、いずれ刑務所入りは間違いない人物としか思えなかったからです。

彼はボクシングへの適性があったから激変したのでしょうか。
そうではなく、ボクシングへのモチベーションがあったから激変したのでしょう。

適性よりも、モチベーションを知ることが大切だと感じさせるストーリーです。


自己分析はモチベーションまで深堀りしてほしい


適性検査がスマホでできるなど、自己分析は以前よりも簡単になりました。

でも大学選びという「道を選ぶタイミング」では自分の適性を知るだけでは足りない。モチベーションがなんなのかまで深掘りして欲しい。

私もグラフィックデザイン学科に適性はありました。絵は得意ですし、現に学んだことを生かしグラフィックデザイナー/イラストレーターとして仕事しています。
でも4年間全体的にやる気が出ず、「なぁなぁな作品作り」を続けたまま卒業してしまった後悔が今も残っています。

高校生の時にモチベーションを刺激する対象と環境まで自己分析を深掘りしていたら?
グループワークを取り入れていて、問題解決に対する幅広い知識を学べる情報デザイン学科を選べていたかもしれません。おそらくそちらの方がモチベーションを刺激される機会が多く、「いい作品を作れる学生」になれる可能性が高かったでしょう。
(誤解のないように補足しますが、グラフィックデザイン学科は素晴らしい学科で、ここで学べたことを幸せに思っています)


"モチベーションを刺激するもの"はどうやって探すの?

私は社会経験を11年積んで、ようやく「自分が体験した苦しい思いを、他の人に体験させたくない」というモチベーションの根っこを発見することができました。

でも大学生の時にも「自己をテーマとする課題には手が動かず、逆に社会がテーマの課題(災害や教育など)は捗る」というヒントがあったのです。

当時は「教育をテーマにした作品が参考作品(最高評価)になった、わーいわーい」とサラっと流していたのですが、ここをもし19歳の私が「この課題に手がサクサク動いたのはなぜ?」「教育分野を選んだのはなぜ?」「自分が経験したことへの改善策ならアイデアが湧きやすいのか?」と深掘りしていたら、モチベーションに気づいていたかもしれません。

・「評価される課題」と「評価されない課題」
・「手がサクサク動く課題」と「全く手が動かない課題」
・「楽しい時間」「楽しくない時間」

これらの法則性を探すことで「モチベーション」が見えてくるのではないかと思います(これは美術大学に限らず、他の学科や仕事でも当てはまりそうですね)


最後に、高校生へ向けて


ここまで書いていて重大な落とし穴に気がつきました。大学でモチベーションに気がついても大学選びには活かせないじゃないか!!

というわけで高校生のうちにモチベーションを深掘りする方法も補足します。

・「あっという間に過ぎ去る時間」と「なかなか終わらないと感じる時間」
・「ポジティブになれる環境」「ネガティブになりがちな環境」

部活や地域や家族との関わりまで思い出しながら、これらを紙に書き出し、共通となる要素を探してください。それがあなたのモチベーションのヒントです。

最後に参考になりそうなこちらのツイートも置いておきます。
(上司ニシグチさんのツイートを図解にしたものです)

最後までお読みいただきありがとうございました!
(♡つけてくれたら私のモチベーションが上がります笑)


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