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サメシマの楽曲解説 #8 『ラ・ラ・ライツ・カメラ・アクション』

2020年の春。
新型ウイルスが牙をむき始め、僕たちメンバーも直接会えなくなりました。

前回解説したパブロハニーは
みんなで集まって作り、聞き、アレンジをかためましたが、
『PRISMATIC NOMAD LOVE』は真逆。
ほとんどがリモートワークにて制作された楽曲です。

その最たる1曲
『ラ・ラ・ライツ・カメラ・アクション』について話します。

(↑音声版はこちら)

制作の背景 / コンセプト

はじめての緊急事態宣言。
日常は一変し、僕に見えていた「当たり前」は消え去りました。

なにが正しいのかわからない日々が続き、
閉塞感をどうにかしたい一心でした。
突破力、きらびやかさ、求める要素がそのまま作曲に反映された気がします。

「心壊れる言葉より
鳴らすこのビートの上で果てたい」

「削りとられた現在地で
迷うこの生(せい)を叫べ」

ストレートな表現です。

「不要不急」の意味は人の数だけあると思います。
そして、だからこそ、なにかに選ばれなかったことを嘆く必要はないでしょう。

自分の存在を肯定する権利を誰もが持っている。
自分の存在を否定する権利は誰にもない。
そう強く歌いつづけたいです。


音像について

この時期オンラインライブが流行りました。
いちファンとして度肝を抜かれたのがトラビスで…

ゲームの中でライブをやるっていう。

このためにフォートナイトをダウンロードして参戦。
例えるなら「フェスの最前列でライブ見てる感」で、
僕が体験したオンラインライブの中で群を抜いた感動体験でした。

で、この流れで「バンドでトラビスできないかな」と。

彼のサウンドはマイクディーンが手がけていて、
カニエ、フランクオーシャン、ビヨンセ etc. に関わっている
言うなれば ”Devil May Cry(悪魔も泣きだす)” なプロデューサーです。

そのままやっても劣化版にしかならない。

僕らの持っている要素でトラビスを解釈して、

・歪んだオクターブギター
・Kawaii Future Bassっぽい8bitサウンド(ゲームっぽいアレ)

を主軸にしました。

なにより初めてのリモート制作、不慣れなこともあり、
×従来のバンド感
○打ち込みっぽいトラックメイク
が色濃くあらわれたのではないか、と思います。


詩について

nomad=放浪者
を意識。

押韻と言葉遊びで進めました。

Aメロの詩をBメロまで横断させるのは気持ち良い。
1A「鼓膜に身体(からだ)を揺らす雷鳴を」
は一文だけど、
楽曲のセクション(小節)で分けてしまうと1Aは
「鼓膜に身体(からだ)を揺らすライ」
で終わりなのです。

「メイを〜」が字余りな感じでBメロに潜りこむのが好きですね。

で、母音で踏んで
「爛漫と沸き立つ ”音色”(ネイロ)」
です。

ちょっと無理やり感はありつつ
「今の世界の方がよっぽどめちゃくちゃだろ」
とか思うので、まあ良いんじゃないでしょうか。


MVについて

360度MV。

YouTube純正アプリ or PCで、画質1080s以上での視聴を推奨。

(携帯noteからだと視点が動かせません...)

見ている人も参加できる映像にしたくて
「カメラマン倒れた → 代わりにアンタがMV撮ってくれ!」
っていうストーリーにしました。

小ネタが多いです。
最後のサビで桜吹雪を飛ばすスタッフ(後輩のおおたまくん。後ろ向くと見える)が良い。

みなさんの「ココ好き」ポイントも教えてくれると嬉しいです。


終わりに

タイトルが長い。

入力するのが大変なので
僕のiPhoneは「らいつ」と打つと「ラ・ラ・ライツ・カメラ・アクション」に変換できるよう設定してあります。

次回は『さよならオープンワールド』。
作曲の狩野くんが登場します。必見です。

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