
通訳のコツ
何か私の経験や知識で世の人のためになるものはないのかと思うことがあります。
そこで、かなりじっくり考えた末、出てきたものは「通訳のコツ」でした。
私は、モンゴル語を勉強して通訳ができることを売りにしてきました。日本語モンゴル語の通訳です。
ですから、英語とか、フランス語、ドイツ語、スペイン語、中国語などの通訳をする上での語法とか単語的なヒントは提供できないのですが、通訳するという作業には、なにか共通のものがあるのではないかと思うのです。
その中で私のとっておきのノウハウをお教えします。
食事の時の通訳の方法です。
通訳に食事を用意しないというのが普通のようですが、モンゴルでは通訳にも食事が用意されます。通訳の地位が高いのでしょうね。
日本でも、通訳が食べられるかどうかは別として食事を用意して、場の雰囲気を和ませようとする主催者もいます。私が食事会のアレンジをする時には通訳の食事も用意します。
実は私は通訳しながらでもほぼ完食するテクニックをもっているのです。
通訳は普通は二人います。日本側の発言の通訳は日本側、先方の発言は先方で通訳をつけるわけです。
日本側の発言が終わって私がモンゴル語に通訳するまではご飯は食べられません。ものを噛んでいると聞き取りにくいからです。
つぎに、モンゴル側が発言するときに、パパーッとかつ上品に食事を掻き込みます。モンゴル側の発言が終わると食べるのをやめて先方の通訳の話を聞きます。先方の通訳が話し始めた時に口に入った食事を飲み込みます。
そして、日本側の話が終わり、私が通訳を終え、先方が話を始めるタイミングで食事をまた掻き込みます。これの繰り返しでほぼ完食できます。ただし、食事を味わえるかというと難しいところです。
通訳が二人手配できず、私が双方向の通訳をすることもあります。この時はさすがに完食は無理ですが、半分くらいは食べられます。先方と日本側の発言が始まると同時にパパッと食べて、すぐ飲み込むとそれなりに通訳もし食べることもできます。肉料理は難しいですが。
食事会というとだいたいは高級フレンチや料亭ですから、食べない手はないです。自腹で行けないし。
日本でも通訳の地位向上のために食事を準備する風習をひろめ、通訳も完食する技術を身につけるようにすることをお勧めします。
あまり人の役に立つコツではなかったかな。
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