創造物と被造物の逆転
社会とは人間が生きるため必然的に生み出したものであったはずだが、いまやそれは一個の巨大な生命体となり、個々の人間はそれを構成する細胞に成り果ててしまった。生物としての座を、大なる社会に売り渡してしまったのだ。
孤独の解体のために社会を作り、恐怖の解体のために科学を作った我々は、今や生活の大半をスマートフォンに捧げている。しかも、人間が抱える孤独は本質的には一切改善されてはいない。この自殺者数を見よ、この争いを見よ、このフィルターバブルを見よ。人間はもとよりバラバラであったのだ