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恋のゴンドラが向かう先は、天国か地獄か

夏のスポーツといえばサーフィンや水泳、冬といえばスキーやスノーボードを思い浮かべるのが殆どではないだろうか。

今回は、そんな冬のゲレンデで起きる8人の恋愛模様を描いた、東野圭吾著 “恋のゴンドラ”  について、書こうと思う。読み終えるまでずっとワクワクして欲しいので、ネタバレは無しとする。


読了し終え、

愛のゴンドラではなく、恋のゴンドラなのだ


というところに、面白みや奥深さ、感慨深いものを感じた一冊だったなあと思う。いや〜、深いです。さすが東野圭吾様。


あらすじ

都内で働く広大は、合コンで知り合った桃美とスノボ旅行へ。ところがゴンドラに同乗してきた女性グループの一人は、なんと同棲中の婚約者だった。
ゴーグルとマスクで顔を隠し、果たして山頂までバレずに済むのか。やがて真冬のゲレンデを舞台に、幾人もの男女を巻き込み、衝撃の愛憎劇へと発展していく。


あらすじからすでに面白い。浮気相手と婚約者と自分が乗っているゴンドラを想像するだけで、息が詰まりそうだ。


私は東野圭吾のミステリー小説が好きなのだが、恋愛系の有名どころといえば、白夜行ではないかと思う。あの作品は本当に終始重苦しく、読み終えても尚、呆然としてしまう程暗い話だが、当書は珍しく殺人が述作されておらず、そういうのが苦手な方にもおすすめ。


そして、文庫特別編「ニアミス」を含めれば、全8編さらなる短編小説で構成されている為、活字に抵抗がある方も割とサクサク読めてしまうのではないだろうか。


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あらすじと重複するが、ストーリーは、ゴンドラで浮気がバレないよう、必死に身を潜める広大から始まる。

もちろんゲレンデには、家族で来ている人、同僚と来ている人、友人、恋人、色んな人がいるため、この場所で起きる人間模様も様々なのである。その様々を8編で描き、登場人物もまた8人となる。


そこに沢山の伏線が張られてるわけだ。


そして最後は、見事にスッキリと回収される。さらに、結末のシーンでもゴンドラに乗車する描写があるのだが、そこでも、同じように身を潜める人物がいる。もちろんそれは広大では無い。


それは一体、誰なのか。なぜなのか。
どうですか?ワクワクしてきませんか?


悪い男ばかり登場するのが、この本の特徴であるのだが、公式サイトにてこんな文字を発見。

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この本を読んで、ハラハラする方も多くいるのではないだろうか。


ゴンドラで始まり、ゴンドラで終わる。

世間は狭い。行動に気を付けろ。
油断はできないぞ。


と言われてるような気持ちになるこの小説。是非みなさんも読んでみてはいかかでしょうか。


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