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「選」ばれた歌、「選」ばれなかった歌(2020年9月号)

会報誌に短歌を投稿している。
10首まで投稿できる。採用は5首前後の人が多い。
歌はその歌が選ばれる「選」もフィードバックの一つ。何が選ばれて、何が選ばれなかったか、その基準を自分で考えることで歌を見直すことができる。手書きの投稿という面倒さも受け入れて、毎月送っている。

今回は、6/20締切の投稿分。4首採用。

採用された歌(記載順)

コーヒーのカップ傾け目に入る空の広さに驚く出社日
スマホ歩き みよーんと伸びる紫陽花に小突かれてバツ悪く仕舞って
医者は言う「体重元に戻しましょう」されど8kg なれど8kg
ふるさとで食べた餃子を思い出し三十二個を食らう日曜

選ばれた歌、選ばれなかった歌をみて感じたこと

今回は、あきらかに歌の中に変化がないものが「選」ばれてない。
上の句から下の句が類推できてしまう。驚きがない。2つの事象をくっつけたり、自分だけの目線が下の句に入るといい。
ただ、そういう歌が詠めていないこと自体が問題だ。自分独自の視点は簡単に得られないが、歌に変化をつけるため、詠むときに2つの事象をくっつけるくらいはしよう。それも鬱々として、一日一首を作業として行っているとそれすらままならない。変化のある生活、驚きのある生活はすぐにやってこない。やはり遠回りだけど、代り映えしない生活に何を見出すかを考えないと…

投稿した歌

(日付は詠んだ日、太字は採用歌、矢印は投稿時に推敲したもの)

5/20水
肉欲しステーキ店に飛び込んで黙々と切りモシュモシュと噛む
5/29金
コーヒーのカップ傾け目に入る空の広さに驚く出社日
5/30土
スマホ歩き みよーんと伸びる紫陽花に小突かれてバツ悪く仕舞って
5/31日
ゴロゴロと座椅子に眠る一週間 足と腰とがモワモワとなる
6/5金
医者は言う「体重元に戻しましょう」されど8kg なれど8kg
6/7日
ふるさとで食べた餃子を思い出し32個を食らう日曜
ふるさとで食べた餃子を思い出し三十二個を食らう日曜
6/9火
真夏日とアナウンサーは言うけれど今日も籠もれるエアコンの部屋
6/10水
窓に置きしコップに挿した一枚の葉っぱにすべての浄化を委ね
6/11木
一万歩 以前は何でもない歩数 今日の七千 足が棒なり
6/15月
ドンヨリと日々を過ごしているけれどゴミは週二で捨てるほどある

いい歌を詠むため、歌の肥やしにいたします。 「スキ」「フォロー」「サポート」時のお礼メッセージでも一部、歌を詠んでいます。