ウルトラマンの世界観、設定、デザインについて触れる
ウルトラマンは小学生の時に卒業して以来、ほぼ向き合ってきませんでしたが、『シン・ウルトラマン』の公開に合わせて、今日から向き合っています。
ほぼ日の學校の「2歳から200歳までのウルトラマンの島」に、今日から「ほぼ初めての人のためのウルトラマン学」という講座が公開されました。
初学者によさげなタイトルですね。まずはここから始めたいと思います。
映画評論、編集者で、「ウルトラマン アーカイブス」のクリエイティブディレクションをされた清水節(しみずたかし)さんが講師です。
と、いきなり、生命、移民問題、戦争など、現在でも、答えのないテーマから話がスタートし、ドキドキさせられます。簡単に咀嚼できるような話ではありませんでした。。
ウルトラマンの設定・世界観
まず、ウルトラマンは、それまでの欧米のSFに見る侵略者とは異質です。不慮の事故で地球人と出会い、ハヤタ隊員という人間の命を奪った申し訳なさから、宇宙人であるウルトラマンが、ハヤタ隊員と一心同体になる。宇宙人が地球に留まる必然性から始まります。
第一回のあらすじ
そして、第二話。有名なバルタン星人が登場する回。放送回は第二話ですが、制作上は、最初に行われた、いわゆるウルトラマンのフォーマットになった回です。
第二話のあらすじ
後半、侵略者となったバルタン星人をウルトラマンが倒すことになりますが、そこには、移民、戦争、生命の定義、といったただの勧善懲悪のヒーローでは解決できないテーマとストーリーがありました。まだ、シリーズが始まったたばかりで、ウルトラマンがどういう宇宙人か、ウルトラマンがいた光の国がどういった世界かあやふやな状態ですが、そこには、脚本家で、シリーズ構成を行った金城哲夫さん(37歳と若くして亡くなられた)の思想が反映されています。彼の戦争体験、出身沖縄に伝わる南方の理想郷ニライカナイを下敷きにした光の国。理想郷からやってきたウルトラマンは、戦士ではなく、光の国からきた使徒だ、という軸がありました。これは、講師の清水さんがおっしゃられた通り、最近のウルトラマンとは異なってしまっているかもしれませんね。わかりやすさも大事ですが、戦士というところからスタートしていない、ということは押さえておきたい話でした。
きっとウルトラマンの定義を考えたであろう庵野さんも考えたウルトラマンの世界観を知るとっかかりになる話を聞けた気がします。この辺やテーマに関して、一切咀嚼できていませんが、一緒に『シン・ウルトラマン』を観るであろう、造形好きの息子とも、すぐに話ができる話も授業では教えてくれました。
ウルトラマンのデザイン
ウルトラマンの造形をした美術総監督で彫刻家でもあった成田亨さんが、ウルトラマンシリーズが始まるにあたって脚本家の金城哲夫さんに 「いまだかつてない美しい宇宙人を作ってほしい」とオファーで作られたこと。39話の中、三回デザインが変わったこと。最初のデザインはウルトラマンが話す前提だったので、口が動くように口元に皺があること、など。また成田さんの最初のデザインは、『シン・ウルトラマン』にあるように、カラータイマーがなかったこと。この辺は、息子に伝えてやろうと思います。
また、ウルトラマンに特徴的な前傾姿勢は、スーツアクターの古谷敏さんが、1955年の映画『理由なき反抗』で、ジェームズ・ディーンがナイフを持って身構える姿勢にオマージュを捧げているということ。エヴァンゲリオンの初号機の姿勢も、庵野さんが初代ウルトラマンの古谷敏さんの姿勢にポーズにオマージュを捧げているとのこと。エヴァの初号機の造形が好きな息子も喜びそうな話が聞けて、ちょっとホッとしました。
引き続き、清水さんの「ほぼ初めての人のためのウルトラマン学」の授業が続きます。しばらくウルトラマンの世界について、広く深く接してみたいと思います。
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