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「だから、生きる。」

一冊の本が人生を変えることがある

「だから、生きる。」

以前、テレビでつんく♂氏がインタビューに答えていた場面が流れました。その時、曲を作るのに50回も書き直した話もされました。こだわりを持って、妥協しないプロ魂を感じました。その時から、つんく♂氏の本を読みたいと思っていました。

今日「だから、生きる。」を読みました。書き下ろしの本です。
心に響く言葉が多く、付箋紙を用意して読み進めました。家族愛、子どものいじらしさ、つんく♂氏の人生を読み進めていると涙が溢れ、ティッシュペーパーを用意するほどでした。

「神は乗り越えられる試練しか与えない」という言葉がありますが、「どんなに辛くても自分で乗り越えなければならない試練」もたくさんあることが伝わってきました。

刺激を受けた「だから、生きる。」の本の中からいくつかの言葉を紹介します。


「お父さん、また声の病気になっちゃった。これからまたたくさん病院に行かなきゃいけないから、早く帰らなくちゃいけなくなったんだ。ごめんな」
(子供と一緒に行ったニューヨークから緊急帰国、つんく♂はどんな気持ちでこの言葉を我が子に伝えたのだろか)

長女に「お父さんの声ね、もうすぐなくなっちゃうかもしれない」と話したときのことだ。長女は「また入院するの? 小さい声なら歌えるようになる?」と聞いてきた。
(親子の会話がこんなに重いものとは)


(手術後)すべての管が取れてからは、子供も病室に来るようになっていたので、僕が食事をしていると「お父さん、もう少しだよ。がんばて!」とか、ようやくすべて食べ終えると「ママ見て!お父さん、全部食べたよ!」などと応援してくれた。(子供はいつもつんく♂の近くにいた)

私も声を失って歩き始めたばかりの一回生。皆さんと一緒です。こんな私だから出来る事。こんな私にしか出来ない事。そんな事を考えながら生きていこうと思います。皆さんもあなただから出来る事。あなたにしか出来ない事。
それを追求すれば、学歴でもない、成績でもない、あなたの代わりは無理なんだという人生が待っていると思います。(「平成27年度近畿大学入学式にて」。このつんく♂氏の入学生へのメッセージは当日ニュースでも流れました。今はYouTubeでも見ることができます)


どうもこのままの喉の状況では、長時間気圧の変化が続く飛行機に乗るのは危険かもしれません。突然呼吸が出来なくなるなんてことでもあったら大変です。ニューヨーク行きを諦めて、もっと詳しく検査を。(医師の言葉を聞きながらも「モーニング娘。ニューヨーク公演」に出発したのだが)

(結婚を)公表したことで(妻と)一緒に町を歩けたのはとても新鮮だった。
最初に一緒に出かけたのは、土鍋を買うためだった。
(つんく♂が夫婦2人で初めて出かけた時)


頭では分かっていても、そんな馬鹿な、そんなことが僕に起こるはずがないと、心がそれを否定する。でも、いくら否定したととろで、現実が変わらないことも分かっていた。歌手として一番大事にしてきた声を手放す。そして、僕は、生きる道を選ぶ。


ゆっくりと小さな声で子供たちと話をした。
長男には、「お母さんの言うことをよく聞きなさい。この家で唯一の男の子なんだから、お母さんのことを助けなきゃダメだよ」。
長女には、「素敵な声をしてるんだから、歌の練習をもっとしようね。お父さんの分も歌うって前に言ってたもんね」。
次女には、「お姉ちゃんを見習ってお勉強もがんばるんだよ。大好きだよ……」
それぞれに短いメッセージを伝える。
(つんく♂が気管切開をする直前に子どもたちに送ったメッセージ。もう我が子と話すことができないと思って伝えたつんく♂氏)


僕はといえば、声を残すことより、声をなくした後どうやって生きていくのか、どんな人生になるのか、そんなことを考えていた。
なにより妻と子供のために僕は生きなければならない。(中略)
歌い手として、声との別れは本当に苦しい。でも、命の代わりはない。僕の代わりもどこにもいない。

*****
人生は人の数だけあることはわかっているのに、それぞれの方の人生に感動します。


だから、生きる。


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