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直販強化の勘違い

デパートが変わろうとしている。リアル店舗を、顧客とのエンゲージメントを高める場と位置付けて、体験型ショールームに移行することに真剣に取り組んでいる。そして気に入ってくれたらEコマースに誘導するという。(以前から変革への取り組みはしているが、それはあくまでも心地よく買ってもらう場作り、販売の場としてのテーマ作りだった)

「デパートで体験だけして、アマゾンで買われちゃったら意味ないじゃん」心配性のベテラン社員の声が聞こえるようだけど、失う顧客よりファンになってくれる顧客を作る方が重要だという理解。巨大な販売装置ともいえる百貨店が、生き残りをかけて今まさに取り組んでいるんです。

翻って、、、

ある会社で「利益率高いからオンラインや自社ショールームでの直販に注力する」という昭和センスのヤバい人がいて、早くなんとかした方がいいと真剣に心配してしまったことがある。(販売を直販オンリーにするというなら話は別)

リアルな場は、最高のエクスペリエンスを通してブランドを理解してもらうところ。その限られた貴重な場所を日銭稼ぎに力を注ぐ、1m四方でさえもったいない。今や、気に入ってくれればその場でスマホでポチる時代。極端な話、そこでの体験を通してファンになってくれたら、量販店でもネットでも買うところはお客さんが選ベばいい。そこでしかできないことを、他に代替手段があることに振り分けるべきではない。そういう方針をしっかり示すのがマネジメント。

アップルストアだってめっちゃ売ってますよ。でもそれは、お客さんがどうしてもそこで買いたいという気持ちにさせる前プロセスがしっかりできている上での結果です。アップルストアに「20%オフ」なんてPOP貼る時代は永遠に来ないでしょう(笑)どうしてもここで買いたい、あなたから買いたいという場を作っているのです。

満足度より売上の方が目標管理がしやすいというKPIの弊害もある。社員のモチベーションとかインセンティブを考慮したいなら、接客した人固有の専用コードを発行するなどやり方はいくらでもある。

こんな風に考えて欲しいです。自分達の小さなディズニーランドが作れてますか?永久に完成しない夢の国、そこにお客さんを招けていますか?そういう視点で日々取り組めば、方向を間違わないはず。

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