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【読書家が選ぶ】石田衣良さんのおすすめ小説3選!

みなさんこんにちは!
この記事では、1か月で7~8冊の小説を読むぼくが選ぶ、石田衣良さんのおすすめ小説を3つ厳選して紹介させていただきます。

石田衣良さんの作品はこれまでの10作以上読んできましたが、この3冊は特に良かったです!

①『愛がいない部屋』(2008年刊行/集英社)

【あらすじ】
誰もが憧れる高層マンション。そこに住む愛子は、幸せな結婚生活を送るはずだった。しかし、ある日「愛」は暴力に変わり―(表題作)。セックスレスの夫婦生活に疲れた、うらら。彼女はマッサージ店で働く15歳年下の青年に想いを寄せるようになる。だが、突然彼にホテルへ誘われて…(「指の楽園」)。切なくて苦しい恋に悩みながらも、前を向いて歩いていく女性の姿を描いた10のラブストーリー。

(本書抜粋)

大人の恋愛を楽しみたいならこの一冊です。

全部で10作の短編集で構成されていますが、すべて女性が主人公の物語なんです。

石田衣良さんは女性ファンが特に多いことで有名ですが、その理由が本作を読むとなんとなくわかる気がします。とにかく大人の女性の描き方が秀逸!

ぼくは大学生なのですが、個人的に小説を通じて大人の女性の恋愛模様を垣間見るのが好きなので……(笑)

もちろん、大人の女性の方が読んでも楽しめますし、自分と似た境遇の主人公を見つけることもできるかもしれませんね。


②『親指の恋人』(2009年刊行/小学館文庫)

【あらすじ】
「これから送るのは、親しい友達にも話していないことだ。暗くなるけど、いいかな?」「わたしは…今、この瞬間全身でスミオの話をきいてるよ。全部、話して―」六本木ヒルズに暮らす大学生の澄雄と、薄給のパン工場で働くジュリア。携帯の出会い系サイトで知り合ったふたりのメールが空を駆けていく。二十歳のふたりは、純粋な愛を育んだが、そこへ現実という障壁が冷酷に立ち塞がる。無防備すぎる恋は追いつめられ、やがてふたりは最後の瞬間に向かって走り出すことに。格差社会に否応なく歪められる恋人たちを描いた、現代版「ロミオとジュリエット」。

(本書抜粋)

ぼくは今の日本には、目に見えないだけで至る所に格差があると思っています。

経済面、環境面、教育面など様々な場面で格差が顕在化されていますが、こと恋愛においてもその格差は姿を現してしまうんですね……

本作は最初のページにいきなりこの物語の結末が明かされているんです。

じゃあ、面白くないのかというとそんなわけもなく、ヒロインである六本木ヒルズで暮らす澄雄とパン工場で働くジュリアが、どんな過程を経て、どんな葛藤を経て、どんな障害を経て、最終的な結末に行きつくのか。

地図の目的地に向かって進む、二人の心の葛藤からは目が離せませんでした。


③『禁猟区』(2022年刊行/集英社)

【あらすじ】
結婚して初めての彼は、10歳下の舞台俳優でした――。
34歳、ライターの文美子。夫との関係は冷え切り、娘はかわいいが保育園で問題行動を起こしていた。
ある日、文美子はママ友から、女性がお金を出して若い男性を「狩る」という「お茶会」に誘われる。
乗り気でなかった文美子だが、そこで舞台俳優の夏生と出会い、彼の誠実さに惹かれていく。
夫の愛人の来訪、半グレからの脅迫、変貌していくママ友。様々な出来事が降りかかる中、ふたりの関係は引き返せないところまで来てしまい……。

(本書抜粋)

本作は今年の6月末に出版されたばかりの石田衣良さん最新作です。

インドの英雄マハトマ・ガンジーは「恋は危険な訪問者である」と言ったらしいですが、本作での恋愛は終始危険だらけでした。(笑)

ただ、その危険がもたらすヒロインたちの”感情の沼”の描き方が秀逸で、自分自身がその沼にハマっていく感覚に陥り、380ページをあっという間に読んでしまいました。

日本ではメディアを中心に「不倫」に対しての風当たりが強く、芸能人が不倫をしてしまった暁には、無関係な第三者の群れ(世間)からのバッシングの洗礼が待ち受けています。

古代ギリシャの全知全能のゼウスも、平安時代の大スターの光源氏も不倫をしていた。

なら、令和時代の人間たちが一時的な感情やら、確信犯的な欲望に衝き動かされて不倫に走ってしまうのも仕方ないんじゃないか。

本作を読むとそんなことを考えさせられてしまいましたが、まあ、おそらくダメなんでしょうね。(笑)


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