07 空を飛びたい

今日、エアラインパイロットの最終面接に落ちた。

パイロットのための就活を2年続けて初めて最終試験まで到達した。それまでも大手航空会社や航空大学校などあらゆる可能性を信じて挑戦してきたが、どれも途中で落選してきた。そして、その度に気持ちを切り替え再びチャレンジしてきた。

そして、また不合格。

悔しいし、悲しい。

現実とはこんなにも厳しいものなのか。

しかし涙は出ない。気持ちが追いつかない。

安堵の念すらある。

1か月近く結果を待ち続けた日々は、気づかぬうちに心の不安を強め、体に負荷をかけていた。
そこからの解放なのか。
自分の夢を多くの人が応援してくれてた。これは、とてもありがたいことで、感謝しかない。どんな形でも周りの人の言葉や想いが、私の気概を支えてきたことは確かだった。

そして落選のたびに多くの人は労いの言葉をかけてくれるし、その度に私は気丈にふるまった。

というよりは、そもそも気丈なのである。厳しい結果に対しても絶望などせず、次に取れる選択肢を探す。そこに納得のいく可能性を見出し、気持ちを高める。

そうすることができたから、諦めずに挑戦してこれた。「すべてうまくいく」のも貴重な経験だし、できればそれが一番いい。でも、すべてうまくいかないのも楽しめる。ああ、でも悔しい。パイロットになりたかった。

人生っておもしろい。

自社養成パイロットの選考を受けてきて中で、一番言いたいことは、共に選考を突破してきた人たちは「素晴らしい人間しかいない」ということだ。特に最後の方の試験に残る方々は、「本当にこの人たちと一緒に仕事がしたい!」と思える人たちだった。どんな困難も乗り越えられる気がした。

妬み、開き直り、お世辞などではない。本当に心からそう思う。

そして自分自身も彼らのような「素晴らしい人間」になろうと誓う。

こうした自叙になると、いかに自分の考え、思いが文章に乗らないかがよくわかる。

結果的に今年の選考はすべて終わってしまったが、また来年もやろうと思う。

何か大きな結果を成し遂げたり、他人から認められることはもちろんだが、私はこうした「諦めずに挑戦できる自分という存在を認識していること」こそが日々の行動の自信になっている。

これはとても大事なことなんじゃないかと思う。

誰にでも当てはまる。毎日学校に通い続けるとか、いつも人には親切にするとか、この趣味なら誰よりも好きとか。ささいな自分の掟や信念から原動力を得るのだ。

とりあえず、この文章を書いていると気持ちも落ち着いてきたので、また明日からいつもどおり頑張れそうだ。

でもやっぱり悔しい。

だから来年も挑戦する。

来年もだめだったら?

その時より「素晴らしい人間」になる。

さて、次は何をしようか。

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