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民間のデジタル組織育成で考えるデジタル庁 〜組織育成ステップ

菅内閣が誕生し、デジタル庁発足に向けた議論が始まろうとしている。民間のデジタル組織育成の観点から、デジタル庁がどうあるべきか、考えてみたいと思う。
今回はデジタル組織育成のステップとして、デジタル専門組織の創設、デジタル人財の育成、デジタルの民主化を考えたい。企業を国家、部門を省庁等に置き換えて考えてもらいたい。

デジタル専門組織の創設

まずは、デジタル化が企業として行われていない、各部門がバラバラに行っている状態から始める。現在の日本は、菅総理がデジタル庁作成の意図として最初にコメントしているように、各省がバラバラにデジタル・IT関連の取り組みを行っており、このフェーズにいる。
そこで、デジタル戦略策定・推進・実行ができる専門組織を作る。この組織では企業としてのデジタル戦略を考えると共に、実現の責任も負うため、それが担える権限と人財が必要となる。
権限としては社長相当を巻き込んだ委員会を作り、企業を挙げての取組を宣言し、関連各部門に協力を強制してもらえる環境を作る。
人財としては、専門性を持つ人財を社内外から集める事が必要だが、自企業で必要の人財をすべて賄えることは稀である。パートナー企業と上手く連携することが必要となる。

デジタル人財雇用・人財育成

組織に人財を集めるには、民間登用と各省庁からの登用がある。
民間登用が注目されており、ベンチャー的なスピード感を持った動き・手法については語られている。しかし国家規模のシステムや業務を俯瞰して最適な仕組みを作るには大規模ベンダー的な能力も必要であり、その双方を備えている人財はそうそういない。もしいても公務員給与では雇用できないだろう。民間ではチームを組んで対応しており、そのチームを先導できる人財が、まずは少数精鋭で必要と考える。
各省庁からは、公募だけでなく、デジタルノウハウのある人財を集め、数年期間での人材還流をやるのもよい。デジタル庁のノウハウを習得し、各省庁でエヴァンジェリスト的にデジタル化の中心となる人財を育成するのだ。これが次のフェーズに活きる。

デジタルの民主化

デジタル専門組織ができると、規模が小さいうちは集中的に意思決定が働き、効率的に進む。しかし、デジタルでやるべき内容が大規模になってくると、専門組織への負担が大きくなり、ボトルネックとなりかねない。民間企業ではデジタルの業務における重要性も高まっており、全組織でデジタルノウハウが求められるようになってきている。
次のフェーズは各省庁でも、管轄範囲でデジタル化ができるよう、デジタル人財が必要となる。そこで少し未来には各省庁にデジタル局を設けたい。デジタル庁との還流を進め、人財を育成すると共に、優秀な人財雇用のためにポストも作ろう。この国の未来を担うデジタル技官には、志もモチベーションも高い、優秀な方に担っていただきたい。

サマリ

まずは各省庁バラバラのデジタル・IT関連組織をまとめ、統一的な戦略立案・推進・実行のため、デジタル庁を発足させる。
人財は、民間と各省庁から広く集める。また自前のみならずパートナー企業とも連携する。多様な人財でチームを組み、デジタル人財を育成する。
次のフェーズでは、各省庁にデジタル局を作り、デジタル庁がリーダーシップを取りながら、国家全体でデジタル変革を推進していく。
日本のデジタル変革を進めるため、是非デジタル庁には期待をさせていただきたい。

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