深夜のプールに飛び込んだ。

深夜のプールに飛び込んだ。全力で走って来た甲斐があった。火照った身体が夜に染まった水に溶けていく。学校の宿題も、人間関係も、恋も将来も夜に訪れる憂鬱も、身体中の穴という穴から熱と共に流れ出ていく。兎のマスクの彼が脳裏を掠めた。お願い、どうか私をここから……。私の腕を誰かが掴んだ。

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