暗くて汚い路地裏に夜雨が降る。

雨。雨、雨、雨雨雨。暗くて汚い路地裏に夜雨が降る。雨が室外機に当たる音も、雨水が排水溝を流れる音も、夜の空気に充満する雨の匂いも、纏わり付くような湿気も、どうしようもない憂鬱も、全てが等しく愛おしい。雨の日は自分が肯定されたような気持ちになる。ずぶ濡れの黒猫が私の傘に入って来た。

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