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ロードトリップ(青森・三沢編)

みなさんこんにちは、秋も深まり、朝の寒さに耐えかねてストーブを始動させたnock3です。

今日はサーフトリップのお話。

2009年の春。私はいつも一緒に波乗りしている先輩のMさんと、旅の構想を練っていました。それまでのトリップ先は福島県内がメインでしたが、そろそろ北にも足を延ばしてみようということで、旅の目的地を「青森県」に決め、その年の7月、海の日の3連休に旅立つことになりました。


旅の理由・坂口憲二に憧れて

青森を旅先に選んだ理由。それは当時Mさんと見ていた坂口憲二さんのDVD「海から見た、ニッポン」の秋冬編で坂口さんが青森県八戸市の「種差海岸」や「角の浜」に行っていたので、我々も行ってみたいと思ったから。Mさんは坂口さんと同い年で、このDVDを見てからというもの、「オレはさー、坂口憲二になりてーんだよ。」と事あるごとに口にするようになっていました。



坂口さんが泊まった民宿「志保」に予約を入れ、準備は万端。私は宮城から車を北上させ、秋田から車で来たMさんを盛岡でピック。角の浜での波乗りを想像しながらテンションあげて高速を北上。一度も休憩を入れずに八戸に到着しました。


夏なのにセミドライ?

インターを降りて、まずは近くのポイントチェック。インターから近い、「百石(ももいし)」というポイントに行ってみる。車を降りた私たちの第一声は、「寒い」でした。
7月も後半。宮城は梅雨も明けてシーガルでサーフィンしていたのに、青森の空はまるで冬の様相。半袖半ズボンで来た我々は、まずこの寒さに出鼻をくじかれる。。。「これ、セミドライですね。。。」とMさんに言うと、「オレ、3mmのフルしか持って無いわ。しかも、脇の下、破けてる。」とのこと。ヤベェな。雲行きが怪しくなってきたわ。

肝心な波の様子はどうか。。。霧が立ち込めて見えない。これ、北の海岸線で有名な「やませ」ってやつだな。

百石で波が見えなかったので、もう少し北に移動して波をチェックしてみる。高台から見える範囲だと、乗れそうな波は無いな。。。さらに北上する。


波を探して彷徨う

Mさんも私も八戸~三沢は来たことがなく、どこにポイントがあるのかも分からない。とりあえず、六ケ所村に「尾駮(おぶち)」というポイントがあることは「BCM」の冊子に載ってたから、そこまで行って考えよう。三沢市から六ケ所村に入り、尾駮をチェックするも、ほぼフラット。ここもダメか。。。

そこから私たちの迷走が始まった。

少し南下して高瀬川河口部など、行けそうな場所をしらみつぶしにチェック。サーフトリップで来ているのに、初日からノーサーフはあり得ないでしょ、という想いだけで必死に波を探しました。でも、乗れそうな波はななか見つからない。

諦めて宿に戻ろうと八戸市内に向けて車を走らせていましたが、最後と思って何気なくハンドルを切った集落の交差点、その先でたどり着いた無人の海岸で、胸くらいの波が割れているのを発見した。

ああ、やっとここでサーフィンが出来るんだ。

嬉しさよりというよりも、安堵の気持ちが強かったかも。


やっと見つけた波で遊ぶ

このあたりは「淋代海岸」という名前で数キロメートル長い砂浜が続く場所。確かめたわけではないのですが、地元のサーファーはその中でも良さそうな場所を選んでサーフィンをしているのだと思います。


砂の色が黒くて、海の色も少し鉛色っぽい感じ。曇った空のグレーも相まって、私が想像する北国らしい海のロケーションだと思った。
波は胸、肩ぐらい。トロめで、どちらかと言うとロングボード向きの波なのかもしれない。それでも、Mさんと私は波に飢えていたので、即着替えて入水。昼食を兼ねた途中休憩を挟んで2ラウンド、存分に波乗りを楽しみました。


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昼食の様子。どんぐり帽子が私です。右、Mさん。
私はセミドライを着用してました。


プロサーファーの市東さんが三沢でサーフィンした動画を見つけたので参考掲載。動画のほうが波数が多いと思いますが、だいたいこんな感じの波でした。




坂口さんの足跡を辿る(民宿志保・角の浜・陸奥湊)

一日目の波乗りを終えて、夕食は八戸市内の「八食センター」で済ませる。民宿志保にチェックインして部屋に案内される。宿のおばちゃんに「波乗りしに来たんです」と言ったらが「今日の部屋、坂口憲二さんが泊まった部屋ですよ!」と教えてくれた。おお、嬉しい。この調子で翌日は「角の浜」で良い波乗れそう♪と思いながら床に就く。


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二日目、宿から近い角の浜をチェックしに行く。DVDと同じ道を通って駐車場に着き、頭オーバーの波を想像しながら海を見たら、なんとそこにはフラットな海面しかなかった。おお、マジか。これが現実。DVDのとおりには行かないものなのね。。。

仕方ないので、この日も昨日と同じ三沢のポイントへ行きました。こちらは波がある。ここ、すごいわ。

Mさんと私はこのポイントを、常に波があるポイント、略して「常P」と認定しました

お昼休憩では、八戸市内に戻って、坂口さんも行った陸奥湊駅前の魚屋さんに顔を出す。店のおばちゃんから「マグロ、二つで五百円!買ってちょうだい!」と独特の訛りで言われたが、Mさんは生魚が苦手なので買わなかった。Mさんは意外と食べられないものが多いのだとこの時分かった。


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旅を終えて

結局、偶然見つけたポイントで3日間サーフィンをしました。なんとその間、そのポイントに入っていたのはMさんと私だけ。つまり3日間5ラウンド、貸し切りでサーフィンできました。これまで行ったトリップで、全日貸し切りだったのはこれ1回だけ。波探しをがんばったことへのご褒美だったのかな?

青森・三沢の波のクオリティが高いことは、たぶん、多くの人が認識いることなのかも知れない。実際に行ってみたらそれを実感できました。ただ、ポイントの案内などは全くないので、私たちのようなビジターはどこで乗るのか迷うことになると思います。

でもこの旅で、全く知らない土地で波を探すということも、波の乗りの楽しみの一部であることを再認識しました。やっと見つけたポイントで波乗りする喜びは、格別なものでした。

この旅を境に、Mさんと私のサーフトリップは、ネットなどの情報に頼らずに海岸線を回る「波探し」が目的の一つとなりました。これについては、他のトリップ記事で書いていきたいと思います。



ちなみにこのトリップではずっとビデオを回していて、後日、DVDにまとめています。素人の趣味程度なので、専らMさんと私の酒の肴ですが。機会があれば、サーフィン部の仲間とこれを見ながら酒を飲んでみたいですね♪

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おわり




サポートいただけたら、デスクワーク、子守、加齢で傷んできた腰の鍼灸治療費にあてたいと思います。