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父ちゃんの本棚・私の好きな漫画「めぞん一刻」

今日は漫画の紹介をしてみようかと思います。紹介というより、作品に対する私の個人的な想いを綴ることになると思いますが、そこも含めて読んでいただけたらなーと思っております。

紹介したい本は、高橋留美子作「めぞん一刻」です。アニメ化もされているのでご存じの方も多いかと思います。原作の連載開始は、1980年(昭和55年)です。今から40年前ですね。高橋さんは未だにバリバリ現役の漫画家。40年以上第一線で活躍されている稀有な作家の一人です。


私が所有しているのは文庫版。通常のコミックスの他、愛蔵版があったと記憶しています。

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40歳以上の年齢の方ならリアルタイムで原作やアニメを見ていた方も多いかと思いますが、私が物心ついた頃には「うる星やつら」と「めぞん一刻」がアニメ化されていたので、どちらかと言うとアニメの印象が強かったです。どちらの作品も、原作は1980年から1987年まで。私が少年サンデーを読むようになった中学生の頃は、「らんま1/2」の連載が始まっていました。

私が「めぞん一刻」の原作と出会ったのは、高校3年生の頃。夏の大会で部活を引退し、大学受験に向けて本格的に勉強を始めた時期。受験勉強のストレスでモヤモヤした気持ちになりがちだった私は、高校から駅に向かう道すがら、長い坂の途中にあった古本屋に寄って、貯めたお小遣いで漫画の単行本をまとめ買いして休日に読みふけるという生活を送っていました。その時は松本零士さんの「銀河鉄道999」や、石ノ森章太郎さんの「サイボーグ009」、あだち充さんの「みゆき」などの名作を読みまくっていました(←ちゃんと勉強しなさい)。

高橋留美子さんの作品は、まず「うる星やつら」から読みました。ゴリゴリのギャグ漫画であることは間違いないけど、その根底に大きなストーリーもあって、とても面白かった(これについては別の機会に感想を書きたいと思います)。その流れで「めぞん一刻」も読んでみた。主人公の五代くんが浪人生という設定で、受験勉強中、似た境遇の私はすぐにハマります。それまでのアニメの印象では、五代くんと管理人さんの恋の話だと思っていましたが、物語の中盤までは「うる星やつら」のようなギャグマンガの要素が強くて、恋の話は味付け程度。後半、最終回に向けて恋愛の要素が強くなってくる。作者の意図かどうかは分かりませんが、この変化が、読者を物語に引き込むの1つの魅力だと感じました。また、五代くんの浪人生から大学生時代の時の流れと、卒業後の時の流れも、実の人生のように少しずつスピード感を増してくる。週刊紙での連載ながらも、最終回に向けて作品全体の流れを上手くまとめているところも素晴らしいと思いました。

そんな作品の中で私が一番好きな部分と言えば、やっぱり一刻館の住人のキャラの強さですね。作品が進むにつれてそれぞれのキャラクターの個性が際立ってくる。彼らの言葉が、作者から離れ、自らの意思により発せられているような実感さえありました。

そして、高橋さんご本人のインタビューにもあるとおり、それぞれのキャラクターが最後まで丁寧に描かれていることで、最終回まで読み終えた後の余韻がとてもスッキリ、清々しいものになっている。そこが一番好きです。


五代くんのような大学生活を目指し受験勉強をして、無事受験を終えて大学生になった私ですが、私が住んだアパートは一刻館とは全く異なる一般的な学生アパートでした。一刻館のような美人な管理人さんや、個性の強い愉快な住人がいるアパートが漫画の中にしか存在しないことは後々知ることとなる現実ですが、それでも、この作品に出会い、世界観にどっぷり浸ることができたという経験は、私の人生におけるちょっとした宝物です。


この記事を書いて、久しく漫画を読んでいないことに気がつきました。実家に帰ったら、倉庫に眠っている文庫本を引っ張り出して、作品の世界観に浸ってみたいなー。

折をみて、また漫画の紹介・感想文を書きたいと思います。






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