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【連載小説】教えて!アヤノさん〜青葉大学バスケ部の日常〜

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大学三年の秋、青葉大学体育会男子バスケットボール部の主将になった菅野タケルはコーチの人選に悩んでいた。そんなある日。 「私が教えてあげる」 そう言い放ち、コーチに志願したのはタケ…
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#東北大学新人大会

【連載#8】教えて!アヤノさん〜青葉大学バスケ部の日常〜

第八話 結果が全て  十一月の第三日曜日。青葉大学男子バスケットボール部主将の菅野タケルは同じ三年生でチームメイトの高橋ツムグと一緒に福島市内にある市民体育館に来ていた。一、二年生が出場する東北大学新人大会を観戦するためだ。  仙台から福島までは、高橋の車にタケルが同乗してきた。早朝から秋雨がシトシトと降り続けて実際の気温よりも肌寒さを感じさせたが、体育館の中はキュキュっというバッシュと床の摩擦音、レフリーの笛の音、電子音のブザーや選手たちの声などが混ざり合い、バスケット