見出し画像

”デジタルマーケティング”に役立つ。「アナログ」練習法を3つ。

デジタル庁がスタートし、デジタル化が進む中で、否応なく「デジタルの考え方」を身につける必要が出てきました。求められる「デジタル・マインド」を持つために、デジタル「ではない」領域でできること、役立つヒントを考えてみます。
※テクノロジーではなく、マインドという面でのお話です。


その1、専門用語を「言い換え」てみる

デジタル業界は、「専門用語」が溢れる世界です。けしてよい傾向とは思っていませんが、「業界内の」共通言語として既に使われているコトバたちが、います。EC関連なら、CTR、CPC、CVR、ターゲティング、機械学習...などなど。特に「アルファベット3文字」用語は、耳障りもよく、且つ、「業界知っている」感もでて、使えている自分ってちょっとイケてる、という勘違いをしてしまう...例えば「それほどデジタルではない」人と話すときに、意識せずにそのままつかっちゃったりしていませんか?
ひとつ取り上げてみましょう。
CTR[Click Through Rate]=広告等の、表示された回数のうちクリックされた率、です。広告の側面から見た専門用語ですが、広告がクリックされた=自社のサイトに訪問した、ということですから、「どれくらいの確率でページまで来ていただいているのか」と言い換えることができそうです。他にもCPC[Cost Per Click]は、「1回のサイト訪問にいくらかかったのか」であり、CVR[Conversion Rate]は、「ページに来ていただいたおきゃくさまの成約率」であるわけです。
言い換えることで、その数字が「何を表しているのか」「どうなったら正解なのか」が明確になりますよね。相手に伝わると同時に、自分でも納得できる「コトバ遣い」がポイントです。もちろん、「共通言語」として伝わる分には問題ないのですが、敢えて「言い換え」をしてみると、考えの整理にも繋がったり、そのコトバ=数字に対する重み優先順位も明確になります。


その2、考えをまとめるときに「手書き」してみる

表計算、テキストメモ、プレゼンテーションなど、便利なツールがたくさんあります。スマホでも共有できるものがあり、「いつでもどこでも」考えをまとめることができる環境になりました。...そんな環境の中で”敢えて”、「手書き」をおススメします。鉛筆でノートにアイデアを書き出してみましょう。ランダムに書き連ねてよいですし、書き出した後に関連するテーマをグルーピングしてもよいでしょう。この時も、鉛筆で線を引きましょう。
よく言われるように、「書く」行為をしていると、潜在的に潜んでいたアイデアが出てくることがあります。特にツールを使うことに慣れている人は、”敢えて”手書きをすることで、いつもとは違う思考回路にスイッチが入ることもあります。そして、紙という「限定された空間」にメモをすることで、その余白が多ければ、もっとアイデアをひねり出す(または考え方や切り口を変える)、ビッシリと書き込めたら、同じ内容のものを集約する、などの「次のステップ」に行きやすくなります。視覚的にも「わかる」のです。
また、レポートや資料についても、「手書き」が有効です。表計算やプレゼンテーションツールで作成された資料を印刷した後、要所に「手書き」を加えてみてください。蛍光ペンでもいいですし、追加コメントでもよいでしょう。「自分が作成した資料」感が増します。つまり「伝わる」のです。


その3、やっぱり「対話」がいちばん

メールやチャットツールでのやりとり、は利便性が高いですよね。”言った言わない”といった問題も生じにくいですし、それこそスマホ対応で、時間・場所を選ばない、というメリットもあります。ですが、これらのツールの弱点は「感情」が伝わりにくいこと。絵文字などで多少カバーできるのかもしれませんが、やっぱり「対面」「対話」には敵いません。社会環境の制約事情から、「会ったこともない人と仕事をする」ことも増えていますが、”感情”を含めてお話をした上で、メールやチャットツールで詳細のツメを、という流れがやはりスムース。「相手の方を知っている」かどうかは、話の進み方に大きく影響します。「この方はどういう考え方をするのだろう?何が好きなのだろう?プライベートではどういう人なのだろう?」など、相手に興味を持って「対面で」お話をする中でくみ取れる感情は必ずありますよね。それを知るためには、やはり「対話」。
「その方を知らないで仕事を進める」というのは、相手がAIでもできること。それじゃあつまらないし、相手からみて自分がそういう(知らなくてもいい)対象になっちゃうと、よい関係性は作れないのではないかと...


「言い換え」「手書き」「対話」、”デジタル化”とは対局にあるように感じますが、これができる人、意識できるひとが「デジタル」を使う、というのが理想形かと強く思います。デジタル改革が進んでいく(と思われる)今、ちょっと立ち止まって「(デジタルを載せる)土台」ができているか、安定した土台になっているか、見直してみるのも、いいタイミングかもしれません。

デジタル相が就任会見で話した、『誰一人取り残さない人にやさしいデジタル化を目指し~』は、個人的にも同意する方向性ですが、その実現には、「デジタルではない」ベースが必要だと、感じています。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?