ロックバンド NICO Touches the Walls

何の話に例えたら、NICOにうまく伝えられるだろうか。
この気持ちを。この感謝を。
 
 
 
2019年11月15日、正午。
前日の佳穂さんのライブが楽しくてうきうきの私の目に飛び込んできたのは、NICO Touches the Wallsからの活動終了のお知らせ。
 
あぁ、やっぱりそうなのか。
 
そう静かに思った。
 
 
嫌な予感はなぜこうも的中するものなのかな。
 
 
音沙汰のなかったここ最近、過去のインタビューやライブのMCを思い起こしていた。
「もしかして」という思いと「いやいやそんなはずは」の繰り返し。
 
 
でももう何度考えを巡らせても結論はひとつ。
NICO Touches the Wallsは終わったんだね。
 
 
静かにそれを受け入れる自分と、冷静な頭の中とは真逆に溢れ出る涙。
好きなバンドが終わるってこういうことなのか。
 
 
前日の14日、私はこんなことを話していた。
「万が一解散ってなっても、ショックは受けるけど数年前の自分ならもっとショックだと思う。好きって気持ちが減ったというわけじゃないんだけど。」
 
たぶん、今そのとおりの気持ちでいる。
 
 
NICOの音楽に出会って、ライブに行って衝撃を受けた。
あの初めて見たライブの日が私の人生の分岐点だと思っている。
 
 
彼らの音楽が好きで、支えられ、あんな風になりたいと思った。
そんなことを考えながら生きているうちに、私も彼らにとっての音楽のような存在を見つけることができた。
 
NICOの音楽が、NICOの音楽以外の私の核を作ってくれた。
その核があるから、彼らの音楽が終わっても私の世界は色を失っていない。
 
 
涙は止まらないし、やたら失敗はするし、活動終了のニュースを聞いてから今日一日が散々だ。
なんなら私の夢のひとつは、NICOのアートワークに携わることだった。
口にだすのも怖いくらいに本気だった。
どれだけ無謀でも、笑われても、おばあちゃんになるまでかかっても、叶えたかった。
叶えるつもりだった。
 
たくさんある夢の中で、一番大切な夢。
もう叶わないんだ。
 
 
NICOが私の世界につけた色は消えないけど、新しい色はもう増えないのかな。
まだまだもっと新しい世界を教えてほしかった。
 
 
それでもNICOがくれた私の核があるから、明日からも歩いていけるよ。
今はまだ、こんなふうに強気と弱気の狭間で揺れているけど。
 
 
結局伝えたいことはひとつ。
NICO Touches the Wallsであり続けてくれた、みっちゃん、古くん、さっかん、祥太郎さん。
本当にどうもありがとうございました。
 
あなたたちがいなければ、あなたたちの音楽がなければ、私は今の私になれなかった。
こんなに楽しい日々も、嬉しい気持ちも、寂しい気持ちも知ることができなかった。
私の人生をここに導いてくれたのは、間違いなくNICOの音楽です。

何度ありがとうと言っても足りないけれど、
4人の歩んだ15年間に心からの感謝を。
 
 
これからも「どんな音楽が好きなの?」って聞かれたら、
NICO Touches the Wallsが一番好きだよって答えるね。
 
 
 
 
あぁ。やっぱり、いなくなっちゃ嫌だよ。
 

 

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