暦と季節

旧暦の季節感は生活感より一ヶ月ほど早く、新暦は旧暦よりさらに一ヶ月ほど早いので、年賀状に新春と書くとき、それは僕らの季節感からは2ヶ月ほど早いということになる。

では旧暦ですら生活の実感よりも1ヶ月も早いのはどうしてだろう。

ある本では、旧暦の季節は中国の中原を基準にしているから日本の気候との差があると記し、別の本では、寒さのピークを春の始まりとするのが古代中国の思想と書く。これ以上寒くならないことで春の兆しを感じるという。

中国の中原の季節が日本より一ヶ月も早いことはなさそうだから、きっと後者なのだろう。でも寒さのピークだからと春の兆しを感じるなんて、なんて痩我慢なのだろう。

間もなく秋分の日だが、秋の真ん中であるはずの秋分の日が、東京の生活感では秋の始まりであるような、そんな気がしている。夜の虫の声こそ早かったが、未だに半袖短パンで過ごし、漸く涼しさを感じるようになってきた。

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