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生きろ。

小さいころから何十回と観て育ってきた作品を、映画館のスクリーンで観れたことに感動しています。

もののけ姫は、絶望と生きる意志の話でした。

物語はアシタカの村をタタリ神が襲うシーンから始まります。村を守るためにタタリ神を殺したアシタカは呪いを受けます。そしてこのまま死を待つか、それとも真実を探す旅に出るかの選択を迫られます。死を宣告され、故郷から離れなければならないアシタカの絶望。村を継ぐ有望な若者を失い、一族が絶えてしまうことを悟った村人の絶望。許婚と別れなければならないカヤの絶望。ここから「もののけ姫」は始まるのです。そして、様々な絶望を繋ぐように物語は続きます。

大切なものを守れなかった絶望。故郷を追われる絶望。抗えぬ死への絶望。そんな絶望に直面した時に自分はどうするのか。近くの人が絶望に打ちひしがれ自暴自棄になっているとき、自分は何をすることができるのか。そういったことを終始問われます。

現実を、そして自分自身を曇りなき眼で見極めることができるかどうかが、タタリ神になるかならないかの分かれ目です。目を逸らしタタリ神となったナゴノカミ、オッコトヌシ。なりかけたサン。そして、最後まで自分を見失わず生きる意志を持ち続けたアシタカ。違いはそこにありました。

物語の中で、アシタカは「生きろ」という言葉を口にします。自分自身は確実なる死へと向かっているのに。「死んではいけない」ではなく「生きろ」です。とても力強い言葉です。

生きる意志さえあれば、何度でも立ち上がれる。

最後に生き残った登場人物たちが失わなかったものは生きる意志。そして、仲間です。家族、友人、パートナーがいるからこそ力強く生きていけます。険しく、力強かったアシタカの「生きろ」は、最後のシーンでは優しく穏やかな「ともに生きよう」に変わっていました。

誰かにとってのアシタカでいたいですね。


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*人にはそれぞれの絶望がありますよね。

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