【書評】 傲慢と善良(辻村深月・著)
今年から、月イチでその月に読んだ本の中で、よかったものの書評を書いてゆこうと思います。
傲慢と善良(辻村深月・著)
https://amzn.to/3QAGvgc
結婚はまだ先のこと、と思っていた主人公が、本格的に婚活を初めて、ようやく出会った婚約者が突然失踪する。
互いの生い立ち、彼女の実家、自分の交友関係……
彼女を懸命に捜す過程で浮き上がる、人生の背景を流れ過ぎていったはずのものの複雑さや色濃さ。
自分が本当に欲しかったものは何なのか、否、自分とはそもそも何なのか。
それぞれを著者は丁寧に活写する。
ヒト科のメスが同性に向ける最も醜い部分も、同性の著者が構わずえぐり出してゆくのもとても興味深い。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?