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帯状疱疹で退職日に会社に行けなったお話

帯状疱疹はどのようなものか知っていますか? 発疹の炎症や傷ついた神経により強い痛みがでます。
80歳までに約3人に1人が帯状疱疹になるといわれています。
私は、帯状疱疹に、36年間勤めていた会社を依願退職する退職日の5日前である 6月25日 に発疹し、退職日 6月30日 を家で迎えざるを得なくなりました。
その時の体験談です。

帯状疱疹とは

強い痛みを伴って、皮膚に紅班とプツプツした疱疹が出現する病気です。原因は水痘・帯状疱疹ウイルスで、子供の頃にかかった水疱瘡(みずぼうそう)と同じウイルスです。

子供の時にかかった水疱瘡(みずぼうそう)が治った後も、このウイルスは神経の根本にある神経節に潜んでいると考えられ、免疫力が低下したときにウイルスが暴れだし発症するそうです。

免疫力の低下の原因としては、加齢やストレスなどがあります。
私が帯状疱疹にかかった原因は、59歳という加齢と、会社を辞めるというストレスから来た、免疫力の低下と言えるかもしれません。
会社を辞めることにストレスは感じていないつもりでしたが、退職というのは、やはり、ストレスだったのかもしれません。

私の症状はどうかったか

最初は、6月25日に、右の下腹部の部分に発疹がでて、熱が出てきたので、おかしいなと思った程度でした。

6月27日に皮膚科に行ったところ、見てすぐ帯状疱疹と診断されました。
そして、退職日である6月30日を迎えることになったのですが、その時には強い痛みがあり、とても会社にいけるような状態ではなく、退職日は家で迎えることになりました。

それから、痛みと発疹と微熱が続き、皮膚科に通っていました。
2週間ほどして、発疹と微熱がおさまり、皮膚科からは治ったと言われ通院は終わりました。

ペインクリニック での 5ヵ月間

しかし、発疹したところを中心にピリビリとした神経痛が残っており、このまま、神経痛が残ってしまうのではないかという不安があり、ペインクリニック(痛みを治療する専門の診療所)に見てもらうことにしました。
ペインクリニックという診療所があることを今まで知らなかったのですが、その判断が結果的に正しいことになりました。

ペインクリニックの先生からは、帯状疱疹で恐ろしいのは、皮膚の症状ではなく「残された痛み」とのお話をうけました。
脳が痛みを覚えてしまい、ちょっとしたことでも痛いと感じてしまうようになってしまうようです。
初回の診察で、帯状疱疹の痛みが改善せず6ヵ月も経過すると、その痛みは帯状疱疹後神経痛と呼ばれるようになり完治することが難しくなること、1ヵ月以内に治療を始めれば完治する可能性は極めて高いとのお話を受けました。

私の場合、初めてペインクリニックに診てもらったのが、7月22日ですから、1ヵ月以内ぎりぎりでした。
1ヵ月以内ぎりぎりだったので、少し不安ながらも、痛みから解放された日を考え、うれしい気持ちが沸き上がってきました。

それから、12月16日までの5ヵ月弱の期間、最初は、毎週、しばらくして、2週間に一度、最後は、3週間に一度の通院を続け、完治することができました。
治療は、硬膜外ブロックという治療で、ベットに横になり、背中に注射を打つ治療です。
局部麻酔をかけるので、痛くはないのですが、背中に液が注入される際は、なにかが押し込まれるような、なんだか変な感じを覚えています。
注射をした直後は、そのままベットに30分ほど横になり、血圧の変化などがチェックされます。
注射をした日でも、お風呂は大丈夫ですし、普段の生活を送ることができます。

皆さんにお伝えしたいこと

帯状疱疹は、80歳までに約3人に1人がなるといわれています。
私は、帯状疱疹という病名は聞いたり、周りの人がかかったと聞いたことはありましたが、どこか他人事でした。

実際、帯状疱疹にかかってみると、最初の発症時の強い痛みは本当につらいものでした。
しかし、帯状疱疹は、後遺症として、ピリピリとした神経痛が残ることの方が怖いです。

もし、帯状疱疹にかかり、発疹が治った後、神経痛が残っているようであれば、ペインクリニックや神経外科などの受診をお薦めします。
それも、できるだけ早めの受診をお薦めします。
これからの一生をピリピリとした神経痛と一緒に暮らすことは嫌ですからね。

そして、もう一つ、帯状疱疹は、予防ができるのです。
50歳以上の方を対象としたワクチンがあり、帯状疱疹を完全に防ぐものではありませんが、たとえ発症しても症状が軽くすむようです。
私は、ワクチン接種をお薦めします。
理由は、帯状疱疹にかかった時のあの辛さと、その後の神経痛、そして、80歳までに約3人に1人かかるという確率などです。

以上、私が帯状疱疹にかかった経験を述べさせていただきました。
いかがでしたでしょうか?
少しは自分事として考えられるようになりましたでしょうか?

50歳以上の方を対象としたワクチンがあることは、皮膚科の壁にあるポスターで見て、家に帰り、詳細をWebで調べました。
何時も行っている皮膚科の壁にあったのに、今までは、全く気が付いてはいませんでした。
自分が、知らないということを知ることができた良い機会でもありました。
皆様にとっても良い機会となりますことを願っています。


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