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子どもたちが遊んできた記憶を、未来へ

仙台の根本暁生さん、斎藤信三さん、白幡みゆさんたちが作成なさった「冒険あそび場-せんだい・みやぎネットワーク」http://www.bouken-asobiba-net.com/ 発行の
「子どもたちが遊んできた記憶を、未来へ 六郷東部の原風景」
という冊子の勉強会をいたしました。

「遊ぶ・学ぶ・育つ」というFBグループページでご紹介した際に、みんなで一緒に共有していろいろとお話ししましょうとお誘いしたら、20名ほどの方が集まって下さいました。作成に携わったお三方が参加して下さって、作成にあたっての思いをうかがうこともできました。

地元の状況を地元の人からうかがってアーカイブとして残すことをしなければ消えていってしまうし、子どもたちにとって、「ここでこんなことができたんだよ」「今でもできるかやってみようか」という実感が、何よりも大事だということが確認されました。

 勉強会の内容は、なんと参加者の山田美保子さんがホワイドボードにまとめて下さいました!さすがぁ!!

六郷東部の原風景

参加者のお一人、森啓子さんの参加の感想を書いてくださったFB公開投稿はこちら。

【責任よりも楽しむこと】
遊びの勉強会で印象に残ったのは、
責任の前にオトナ自身が楽しむことが大事。
本質を見誤らなければ、
ルールを破ることも時には必要だ。
物事があれこれ決められてしまうと、
そもそも何のためにその取り決めがなされたのか、
誰も思考しなくなる。
そここそが落とし穴なのだと思う。
子ども達を自由にさせたいのであれば、
サービスに依存せずに、
子どもたちの自由を見守る大人を増やして行くしかない。
↑こういう言葉が伝わるオトナ達ばかりじゃ無いから、結局はうまい具合に自らの言語を選び、
自ら進んで実践し、
子ども達に、
多少の危険を伴うかも知れない経験をさせる、
その体験が、子ども自身の主体性を尊重した学びになるのだと思う。
勉強会の中で、サラリーマンの私が子ども達と関わるにはどうしたら良いか…と聞くと、
一畳プレイパークと称して七輪で美味しいものを焼いている人がいたと教わる。
或いは、地域の草抜きとか雪かきとか。
そうか、地域の活動、公の活動を自らやっていれば、
そんな人たちと出会う機会もあるかも知れない。
なるほど、少しもやれていなかった。
いずれにしても自分でやれることをやるのみだなぁ。

六郷東部の原風景

(記念写真に事前準備をいろいろしてくださった堤真人さんが映っていないのが残念!)

ディスカッションの記録)
 (話の内容を適宜、まとめて構成しました。お話しくださったのは皆さんですが、文責は武田にあります)

【大人と子どもたちと仕事と遊び】
・大人が仕事している横で(大人の目がある中で、用意されていないところで)子どもたちが勝手に遊べることが大事。子どもが遊ぶのが大人の役に立つような社会があった。
・大人の都合と子どものやりたいこと(遊び)を両立させる知恵。
・役割を分担して協力して作業する。作業が遊び。
・遊び場が自然の中にあり、大人の働く場所として欠かせない場所だった。
・大人の見て見ぬ振りの関わりも大事。叱り方ばかりクローズアップされるが、見守り方は注目されてない
【異年齢】
・かつては野外での大人と子供の距離が近かった。
・子供同士では異年齢のかかわりがあり、上の世代への憧れや下の子へのお世話をする思いなども育まれる。危険な場所(川)には上級生が一緒にいる、それがセーフティネット。
・赤ちゃんの時から月齢で分けられ、育ちを比較されている子どもたち。いろいろな年齢が一緒というのは大人が一斉に何かを伝えるのに不便、という以外の理由はあるのか。
・一年前の休校を契機に、子どもの遊びの充実ぶり、異年齢だからこそ子どもだけで成り立つ姿をみて、大人のほうが野良仕事をする暮らしに転換する人が増えた。
【生活の中の命】
・生活の中にペットとは違う動物がいて、生活や仕事を共にする動物を身近に見ながら育つ。暮らし方が変わったことに合わせて環境が変わった。
【生活の道具・遊びの道具】
・肥後守って便利。
【地域の中での遊び】
・この屋敷にはこの時期この実が成って、この時間帯はここのおじいさんは昼寝中なので、取り放題・・・といまだったら大目玉
【ヒアリング】【記録を残すことの意味と方法】 
・知らなかったら興味もわかない。その中でしかやっていないとそもそもの発想が出ない。環境があったことを残すことが大事。
・アーカイブを残すのはこの10年が勝負。今だったらまだ人が生存している。
・遊びの聞き取りの情報「場所とつながることで活きる情報」場所性が極めて重要な情報。
それぞれの地域が大事。場所性がない話は、実感が伴わない。
・高齢者から遊びを教わるプログラムと違う質の体験。コマや竹馬ばかりでなく、学校の前で何をしていたかを話してもらえるといい。その街を歩きながら伝えていけるといい。
・冬に裸足、今なら貧困とか虐待とか言われそう。
・地域にも、大人の暮らし方にも、余裕(遊び)があった。
・話を聞いただけでなく、実際にやってみたのがいい!「経験して知る」を重ねて行くことが、人生でとても大切。頭使って机上の空論をかざしても現実とかけ離れていることが多い。
・立ち話もあれば、時間を取ってもらったこともあり、エッセンスを一言二言みたいなのもある。記録をちゃんと残そうとすると検証しなければとかしなければならないので、多少不確かでも発信しよう。目的はアーカイブを残すことではない。と割り切った。
・聞いていない人に描いてくれない?と頼んで、地域の人に見てもらう。ゆるくいくのが手。
【重要なのは地元の、遊びが大切なことをわかっているおじちゃんおばちゃん】
・多様な価値観の中で育てられること。責任がない人、どうしようもないけれど愛している人が関わっていないことが問題。それが子どもの価値観に関わっている。
【責任論】
・許可がなければ遊んではいけないという責任論。
・○○していいのかな?と思っていると何もできなくなって、とうとう無関心になる。
⇒天野秀昭さんのFB投稿(グループページで4月25日シェア)より。
小1の子に公園で穴を掘ってはだめですかと言われて衝撃。大人の自分が掘っていたら、子どもたちも掘るようになった。
・大人にだめだと言われているけれど、かつてそれをやった子どもたち。・ほとんどの子どもが腕白で、大人が地域で関わってかわいがってくれた。
・押し付ける責任ではなくて、手放せる責任が必要。責任という言葉をひっくりかえそう。
何となくみんなが使っているすきま、空間。何となくの場所がなくなってきた。
【すき間】
・街中が誰かの場所になっている、使う権利が決まっている。
・小学校の時に、プールのすき間に理科の授業で塩を書けると凍ると教わって,みんなで雪を集めて塩をまいてスケートリンク。狂おしいほどに楽しかった。後先考えずにやるやつがいた。すき間がなければすき間を作るのが子どもだった。
・いい加減なおとながいないといけない。レレレのおじちゃんがいないといけない。
【サラリーマンが子どもに関わるには】
地域の子どもと関わりたいけれど、会う時間がない。斜めの関係性をつなぐ方法や時間がない。いい方法は?
・子どもが自由遊びをするには、仕掛けが必要。ただ公園があるから自由に遊ぶかというと遊ばない。遊びにいざなう環境を作る。社会教育。
⇒【面白がる人が集まる仕掛け】
1)家の前で草を取っている。
2)大雪の時がチャンス。子どもが乗っかりたくなる山を作る。外に出ていると始まる。
子どもたちが気にしてしまうからこじ開ける。大人がやらないとどうにもならない。
朝、小学生が通るときにおはよう、お帰りを言いに行きたい人がいて、今日、おじちゃん家に寄っていくかと声をかける。すると子どもたちが変わって、リクエストしてくれるようになる。大人から声をかける人がいると伝えることが必要。
園庭も校庭も掘ってはだめという記憶がある。大人はけがをさせない状態で家に返そうとする。子どもたちはこれしていいですかと聞いてから遊ぶ。そこからはみ出して怒られて、先生から親に報告され⇒気を使うようになって、大人から見える範囲でしか遊ばなかった。
怒られても目をつけられないくらいやってみるのは面白い。
【やってはいけないことをやるために】
子どもから知らない人の田んぼに入ってやっていいのと聞かれる。人の土地では遊ばせられないと皆が言う。でも、それを聞いて「別にいいよ」という農家の人たちもいる。そういう人同士が出会っていないだけ。コミュニケーションが取れたら、お金をかけなくても環境は良くなる。
計画された世界が強くなりすぎている・・・計画された空間、計画によって配置された先生や責任者。だからそれ以外の世界への抵抗感がある。
【対立を溶かすプロセス】
??自分たちは良くても今の保護者がどう思うか、対立を生んでしまわないか。
・自分の体験で動くと摩擦が起こる。言えば言うほど、孤立していく。
⇒間を取りながらやっていく。やりたいことを実現するには段階がある。
・真面目に作戦を立てるのは難しい⇒責任を超えるのは面白い。公園課に叱られながら感じながら交渉を踏まえて、線を越えないところで動く。謝るのが仕事。
・面白いことをやろう、それが乗り越える手がかり。怪しい人、危険な人になる。そこで信頼を得る。こいつは本当に子どもや町を大事に思っている。しょうがないなと思われる。そこを突破口にしていく。
・遊んでみたいなと思ったときに、近所のおじちゃんおばちゃんに聞いてみることから始めておくと、理解されやすい。
・圧倒的なスピードで自然が失われていく中、丁寧に言わないと「そもそも農業が成り立たないとどうするんだ」となる。非常時に絵空事を言うなとなる。だからこそ地域とつながる。対立しなくても、田んぼがあったらその端の幅一メートルだけでも稲を植えないスペースを使わせてもらうとか、そういうちょっとした工夫の範囲で改善できる。うちの田んぼに遊んでいいという人には旗を立ててもらうというような工夫。大上段に構えず知恵を出せば何とかなる。話を聴いているうちにそう思うようになった。
・町会長から話を聴く目的は、かつて腕白だった人たちのはずだから。町の許容が拡がっていく。町のキーパーソンがいたずらをしていたことを明らかにして応援者にしていく。
【はじめの一歩】
自然がないように見えても、見つけていく。都心でも探すとまだ自然が残っている。冒険遊び場の中だけでないということが大事。やってみれば楽しい、展開しだす。お金を払って遊ぶことに慣れていると。なかなか最初の一歩が始まらない。
家の前に七輪を出して美味しそうなものをパタパタやっていると人が集まる。日本コミュニティ七輪学会!子どもに当たらず火にあたろう!一畳プレーパーク。集まって来る。やがて子どもだけでやり始める。やれることから動いてみる。少しくらい怒られても構わず楽しければやる!
【参考】
https://haraga-r.com/
三世代遊び場マップ http://www.h.chiba-u.jp/lab/tcp/AsobiToMachi/Welcome.html

#遊び #アーカイブ #地域 #子ども  



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