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両手を空けて抱っこするのはあたり前?

抱っこを教えている人、保育士さん、
子育て支援者さん、助産師さん、ブログを書いている人たちへ。

子育てについて、親がよくわからないでいることが多いから、
みなさんがわかりやすく伝えてくださることが、
今はとても大事になっていると思います。

その際に、なによりも赤ちゃんの立場に立つことを伝えてほしいと思います。

「テキスト通りに」
「資格のある人の言葉だから」
「海外からの情報だから」
「研究に基づいているから」
という理由で、覚えたことをそのまま伝えてしまうこともあると思いますが、ちょっと立ち止まって。

それを伝える前に、自分の頭で素朴に考えてみて下さい。

「赤ちゃんの立場から」どうかなと。

この赤ちゃんは、こう感じているだろうということを大切にして、親に丁寧に伝えてほしいのです。

例えば、外出時に抱っこで連れて歩くとき、
「両手を空ける」というのは親の都合です。

特にワンオペのとき、両手が空いていたらいいなあ、と思いますよね。

大人の要望に合わせて、両手を空けることのできる抱っこひもが工夫されました。でも、赤ちゃんの姿勢に問題が出てきて、その後、だんだんと改良されて、さらに抱っこの仕方、抱っこひもの使い方を教えることが必要になってきて、抱っこが「教わる技術」になりました。

では、両手を空ける抱っこは、そもそも赤ちゃんにとってどうでしょうか。

今、乳児の抱っこを街中で見ていると、
 親子がお互いにハグ(抱く)するのではなくて、
 2つの体を抱っこひもで結び付けてキャリー(運ぶ)していることがありますよね。

赤ちゃんはそれでいいのかなあ。

自分だったらどうでしょうか。
 両腕で柔らかく温かく抱いていてほしいなあ。
 せめて片腕で支えていてほしいなあ。

私だったら。

もしかしたら、柔らかい布や紐が両腕の代わりをしてくれているのかもしれません。それでいいのかもしれません。

でも、特に腕の先の手のひらって、
 ハンドパワーていうか笑、手当て、っていうか、
 握手でさえいろいろなものが伝わってくるような、
 脳の機能とつながっているところ(教科書にあったな)ですよね。

その手で支えてもらえた方がいいなあ。
もし両手の空く抱っこひもを使っているとしても、支えていてほしい。
と思うのです。

でも、そんなことを言ったら、
親は、ワンオペでお出かけのとき、どうしたらいいの?
親のことを考えてくれていない!

という声が聞こえてきそうです。

そこで、そういうときにこそ、アドバイスしてほしいのです。

ほんとうは、
2人以上で出かけて交代で抱っこできることが可能な生活のアドバイスをする(誰もがそうできる社会にしたいですね)のがいいけれど、
でもそれは実際には今の日本では難しいことが多いから、

1人だったら、
 荷物は背中に背負う(背負いやすい抱っこひも、例えば兵児帯や幅広の帯状の布を使うとできますね)。
 ウエストバッグやショルダーバッグを使う。
両手をどうしても空けたかったら、両手抱っこにはならないけれど、
 ベビーカーを使う。

あるいは、
 腰が据わっていたら(生後数か月以上ですね)おんぶする。
 ←これができれば一番便利。
(赤ちゃんの目が大人の肩より上になるようなおんぶを教えてくださいね)

そんなことできない・・・ですか?
厳しすぎる・・・と思われるかもしれませんね。
お母さんの気持ちをまずはしっかりと聞いてあげてくださいね。
それが大前提です。

でも、
2010年頃までは、両手を空けるのが「当たり前」ではなかった、のです。
多くの人が、両手で抱っこしていました。
きっとみなさんも両手で抱っこされていたと思います。

今は、抱っこは両手を空けるもの、とみんなが思い込んでいて、
最初から赤ちゃんを手で抱っこしようと試みてもいないようです。

抱っこを教えるときも、両手が空くということが前提になってしまっています。

だから、おばぁちゃんの私は、たかだか10数年前にみんながやっていたように、一番弱い赤ちゃんを優先して、なんとか外出のときも両手で抱っこすることをお伝えしたいのです。仕方がないよね、の前に、こんな工夫もできるよと伝えたいのです。

独身時代と同じように歩こうとするのではなく、
赤ちゃんがいる親として、
両親が、今までとは別の行動様式を身につける必要があります。
でも、初めての親は、わからないことだらけです。

いろいろな条件の中で、できない人もいるかもしれません。
でも、できる人もいるかもしれないと思います。

だから・・・まず・・・
「赤ちゃんを両手(腕)で、または片手(腕)で抱っこして、あるいはおんぶして、外出する方法があるということを教えてさしあげてください」

<赤ちゃんを抱っこするとき、両手を空けるのは当たり前ではないです!>


親子の様子を見て、臨機応変に教えることができる大人が増えるといいなと思います。


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#社会的マルトリートメント #一般社団法人ジェイス



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