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自然と共生するアウトドア教育 【週刊新陽 #17】

夏こそアウトドア!と、ご家族や友人と週末や夏休みにお出かけされる方も多いのではないでしょうか。また、最近はソロキャンプを楽しむ方も増えているとか。

新陽高校では、2017年よりキャンプ学習に取り組んできました。

スノーピーク様と提携し、生徒たちが十勝ポロシリキャンプフィールドで野外活動を体験。卒業時には一番の思い出としてキャンプを語る生徒も多かったのですが、昨年はなにも実施できませんでした。

でも、それで諦めないのが新陽高校です。アウトドアを得意とする先生たちを中心にニューノーマル時代のキャンプ学習の形を模索し、この度とうとう復活!

「生きる力」を育む可能性があらためて期待される中、新陽高校は本気でアウトドア教育を進めていきます。

アウトドア探究ソロキャンプ@東川町

総合コース3年生には「探究基礎Ⅱ」というゼミ形式の授業があります。

その中のひとつ植田祐矢先生のアウトドア探究ゼミのメンバーが、7月19日〜21日、キトウシ森林公園でキャンプしました。東川町の皆さまのご協力のおかげで実現に漕ぎ着けた企画です。

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「アウトドア活動を通して様々な角度からモノゴトを眺めてみること」をテーマとしているゼミなので、キャンプのスキルアップが目的ではなく、自分を深く知ったり人と協働したりしながら問題解決能力を育むことを目指しています。

そして今回はコロナ禍というピンチをチャンスに、とソロキャンプに挑戦!生徒たちのテントや食事など基本すべてセルフ。そしてこれ、災害時にもかなり役に立つ経験です。

少し遅れて到着すると、生徒たちは思い思いに食事の準備を進めていました。

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手慣れた感じで調理する子がいると思えば、隣には一向に火が起こせないグループ。

さっさと炒め物やパスタを完成させて食べている傍らで、オムライスを作ると言ってるけどまだパックのご飯を湯煎している段階でいつになったら食べられるやら・・・。

でも、いろいろ試行錯誤しながら、みんなとても楽しそう。

以下、植田先生の記録(抜粋)です。

アウトドア探究ゼミキャンプ。コロナ禍での集団野外活動に本気で挑戦。

22人の生徒、全員テントはソロ使い。集団調理は避け、感染対策を行いながら活動しました。

テント設営も、火起こしも、時間管理も、何もかも、とにかく「やってごらん」「考えてみて」と声をかけ、大人が手出しすることは極力せず、自分たちで問題解決することに挑んだ3日間でした。

キャンプ場に着いた途端、表情が変わる生徒、1日1日と表情が変わる生徒、自他ともに色々な発見があり、高校生活の中で最高の3日間となったはずです。ホントにたくましくなって帰ってきました。

東川町、東川振興公社の皆様のスペシャルなバックアップとおもてなし、北海道教育大学岩見沢校スポーツ文化専攻アウトドアライフコースの先生と学生様、様々な方の手厚いサポート、本当にありがとうございました。生徒の人生に大きな影響を与えてくださいました。
とにかく楽しかった!!

なお、植田先生と久末先生が作ってくれた大人チームの夕食は、ダッチオーブンで作るローストチキンとアヒージョ!たいへん美味しくいただきました。

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今回、北海道教育大学岩見沢校(岩教大)のアウトドア・ライフコースの学生も生徒たちをサポートしてくれました。

実は、新陽高校がこれから本格的にアウトドア教育に取り組むにあたり、岩教大の山田亮先生が協力・連携してくださることになり、研究室の学生さんたちが参加してくれたのです。

山田先生によると、

 アウトドア教育は、自然の中での様々な活動を通して、人間が持つ五感による直接体験を重ね、豊かな感性を育て、自然に対する知識や環境への気づきを体験的に学びます。また、キャンプなど仲間とともに生活をすることが、人や社会との交流体験となり、他者とよりよく共生する能力を育成することができます。さらに、自然や仲間からたくさんの刺激を受けながら、チャレンジや試行錯誤を重ね、新しい自分の力を発見することができます。

 学校などの教育現場で行うアウトドア教育が、複雑に入り組んだ現代社会の中で、柔軟に対応していくための「生きる力」を育成し、人間が本来持つ力を呼び起こす機会となることを大いに期待しています。

とのこと。

校訓『自主創造』のもと創造的課題解決力を育むこと、そして新陽ビジョン2030『人物多様性』の実現に向けて、アウトドア教育の大きな可能性を感じています。

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多様性をテーマに円山動物園と連携協定

7月18日、札幌市円山動物園と新陽高校の連携協定締結式が行われました。

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先日、地元企業の皆様と制服リニューアルプロジェクトに協力させていただき繋がっている円山動物園とのご縁。

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動物園も、自然との共生を学ぶことができる貴重なフィールドです。今後は「自然環境」と「教育」をテーマに、地域活性化と人材育成に一緒に取り組んでいきます!

(以下、リリース文より抜粋)
環境保全と生物多様性保全の大切さを普及啓発する円山動物園と、「人物多様性」をビジョンにサステナブルな社会を目指して生徒・教職員が協創する札幌新陽高校が連携・協力し、魅力ある地域づくりや地域における人材の育成に資するために、連携協定を締結することといたしました。
今後は、それぞれの資源・機能を効果的に活用し、未来の地球のため、次の世代とともに、今できることから共に行動してまいります。

連携協力事項:
(1)人材や資源を活用した地域活性化に関すること。
(2)教育、人材育成及び研究に関わる環境と機会の充実に関すること。
(3)その他本協定の目的を達成するために必要な事項に関すること。


国内屈指の自然豊かな動物園として、そして近年は動物の福祉に積極的に取り組んでいることでも知られています。自然の環境を再現し動物の本来の姿を見ることができる「生息環境展示」は、世界や国内でも取り入れる動物園が増えているとか。

神園長からは、ぜひ高校生が動物園を身近に感じ、足を運んでくれたら嬉しい、とのお話がありました。

この日参加した生徒たちは、締結式が終わると園内を歩きまわって何か相談。どうやら生徒企画のプロジェクトが始まっているようです。

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オープンスクールでもアウトドアフィールドをオープン!

7月22日はオープンスクール。暑い中、多くの中学生と保護者の方々が足を運んでくださいました。心から感謝です!

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学校の特色や入試制度についての説明もしましたが、参加者の印象に残ったのはやはり新陽生の姿だったようです。

全体説明会の前には、卒業生が自ら買って出て、「新陽高校で頑張ったことと学んだこと」についてプレゼンしてくれました。

また今年、お手伝いのアンバサダー生徒を募集したところ、なんと48名の在校生が手を挙げてくれたのには感激。声をかけた先生たちへの信頼の現れでもありますね。

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やや緊張気味の中学生にみんな積極的に声をかけ、案内したりプレゼンしたり、とても頼もしかったです。

敷地の一角にテントやタープを張りアウトドアフィールドもオープン。eSportsや探究授業と並んで、新陽の特色の一つとして伝わったかな〜。

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【編集後記】
東川町でのキャンプでは、ただ焚き火を見つめる、ただ星空を見上げる、そういう時間がとても愛おしく感じました。オープンスクールでも、芝生の上でテーブルを囲むとなんとも寛いだ雰囲気が生まれました。
北欧スウェーデンでは、体験型学習によって知識が知恵になること目的として幼児期からアウトドア教育が取り入れられていますが、同時に、自然の中での活動はストレスを軽減し健康と幸福感に影響を与えることも重要視されています。
アウトドア初心者の私ですが、北海道の自然の豊かさと厳しさに触れながら生徒たちと一緒に成長し、そしてwell-beingを高めたいと思います!

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