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デジタルと共存する時代。学校DXに本気で挑戦! 【週刊新陽 #12】

2021年は「GIGAスクール元年」と言われています。

GIGAスクールは2019年12月に文部科学省が打ち出した構想で、2020年に新型コロナウイルスの流行によって一気に実現に向かいました。

GIGAスクール構想とは:「子供たち一人ひとりに個別最適化され、創造性を育む教育 ICT 環境」の実現に向け、1人1台端末環境及び高速通信ネットワークを整備する国の施策。これまでの教育実践と最先端のICTのベストミックスを図ることにより、教師・児童生徒の力を最大限に引き出し学習活動の一層の充実を図ることを目的としている。
※GIGAはGlobal and Innovation Gateway for Allの略

(参考)GIGAスクール構想の推進(令和2年11月25日 文部科学省)


というわけで、今回の週刊新陽はICT/DX(デジタルトランスフォーメーション)をテーマにお送りします!

【速報】国内4人目のGoogle認定コーチは新陽高校の先生

新陽の一人1台端末は、GoogleのChromebook(クロームブック)。GIGAスクール構想でトップシェアを取ったのもChromebookと言われています。

Googleドキュメントやスプレッドシート、チャットにClassroomなど、いろいろなアプリが使えて便利なのですが、使いこなすのは結構たいへん。でも新陽高校には「Google先生(勝手にそう呼んでます・笑)」がいるので大丈夫!

尻江重幸先生(理科/情報科)は、Google認定トレーナーGoogle認定コーチの資格を持っています。

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ちなみに認定コーチは日本でまだ4人しかいないのだそう!!(届いたばかりのCertificationをお借りしました)

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お話を聞かせてもらいました。

- まず、Google認定コーチってなんですか?

Googleが認定する教育者向け資格の一つです。資格には、認定教育者レベル1と2、認定トレーナー、認定イノベーター、そして認定コーチがあります。

認定コーチは、学校などでGoogleの様々なツールをみんなが使えるようにアドバイスできる、というお墨付きです。トレーナーは一度に複数名に教えるのに対して、コーチは1対1を基本とします。

- ヘルプデスクみたいなものでしょうか?

「こんなことしたいんだけど、どうやったらできる?」という相談が来た時に、やってあげたり解決策を教えて終わりではなく、あとその人が自分でできるようになることが目的です。同僚の成長を促す、まさしくコーチングなんです。

- なるほど。トレーナーは先に取っていたんですよね?コーチも取ろうと思った理由は?

トレーナーは2021年3月に認定を受けました。一発で合格できず何度か挑戦して取りました。でも現場ではコーチの方がニーズが高い気がしたんです。それに、自分が新陽で日常的にやっていたことはコーチに近い感じがありました。聞きたい時に聞ける、そういう存在でいたいなって。

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- 日本国内で4人目なんですよね。すごい!

認定コーチ自体がまだ新しい資格ということもあるのですが、まだ英語でしか受けられないとか、色々レポートを出さないといけないとか、ハードルは多いです。

僕自信、まだ教員3年目で経験不足ですが、だからといって若いことを言い訳にして挑戦しないのは嫌だった。「へたくそでもいいから飛び込もう」ということを大事にしています。

実は大学時代、まだ周りでクラウドファンディングをやっている人がいなかった時にやってみようと思ったんです。でも、もうちょっと理解してから、準備してからと思ってたら、同じ大学の同期に先を越されてしまってすごく悔しかった!負けず嫌いなんです(笑)

- ハードル高い方が燃えるタイプ?(笑)

たしかに、北海道で初めてとか、20代はいないというのも、むしろやる気に繋がりましたね。それに、そうやって挑戦するとすごい先生たちとの出会いがあったりして。

「本気で挑戦する人の母校」という新陽のスローガンを実践したいと思ってるんです。生徒たちに「先生も勉強してるんだよ。頑張ってるよ!」と態度で示せたらいいな、と。認定を受けてからあらためて理解が深まることも多いので、勉強し続けています。

- 尻江さんは相談を受けたことについて解を持っていなくても、「調べてみます」「やってみます」と言ってくれますよね。

コーチとしては、トラブルシューティングの経験が多いほうがいいんです。誰かの困りごとは他の人もきっと困っていることだから、初めての問いをもらって新しい解が見つかった時こそ、やりがいを感じます。

- これからの目標、展望はなんですか。

周りの先生が描く漠然とした「こうやりたい」というイメージを、どんどん形にしていきたい。やっぱり、子どもたちの成長を応援したいから教員をやっているので、自分で授業を持っている子たちに教えることはもちろん、他の先生を通してもっと多くの生徒に届けたいですね。

子どもたちがデジタル化する社会の中でどう生きていくか、どうやってスキルを身につけるか、学校教育が果たす役割は大きいと思っています。

一方、全国で見ても学校内のDXはまだまだこれから。授業でも校務でもテクノロジーを上手く活用して、みんなの仕事がもっと楽しくラクになるように貢献したいです。

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これからの社会で求められるスキル

世界経済フォーラムの『The Future of Jobs Report(仕事の未来レポート) 2020』によれば、コロナ感染拡大により労働市場が急速に変化し、「働き方の未来」は既に到来しています。

また、今いる労働者の半分が5年以内にリスキリング(学び直し)が必要とあり、今後求められるスキルの上位が「分析」や「問題解決」する力・「創造性」・「レジリエンス」等、それ自体が学び直す際に重要なスキルであることも興味深いです。


オンライン学校説明会(赤司)20210626

ここには、もちろんテクノロジーに関する力も含まれています。

注目すべきなのは、テクノロジーを使う力だけでなく「テクノロジーのデザインとプログラミング」というスキルがあること。一部の人が作ったテクノロジーを使う側ではなく、テクノロジーを開発する側のスキルです。

デジタルテクノロジーと共存する社会において、使うか使わないかという議論はもう無いのかな、と思いました。レベルの差はあっても、誰もが、使うだけの側から創る側にいる可能性があるということですね。(私も勉強しなくちゃ・・・!)

ICT活用のその先へ。新陽高校のDX

新陽高校では、5年前に荒井優校長が着任してから教員の一人1台パソコンや校内Wi-fiを整備しました。

それから生徒一人1台となり、徐々に使える先生や使う機会も増えてきたところで、昨年のコロナ禍により「やるしかない!」という状況になったことがデジタル化の追い風になったのは確かです。

オンライン授業とテレワークになったことで、当然これまでのやり方に問題が出てきます。それを解消しようと、教頭の平中先生をはじめデジタルが得意な先生たちが様々なツールやシステムを自発的に開発してくれました。

昨年度〜今年度、新陽で起こったDXの例です。

・デジタル日報
・公文書/校内文書のデジタル回覧
・バーチャル職員室
・デジタル掲示板
・休暇等申請システム
・時間外勤務申請システム(リニューアル)
・時間割からgoogleカレンダーへの自動登録
・メールとチャットbotを利用したタスクのリマインダー機能

DXは、デジタル化によりビジネスモデルや生活そのものが変わり、私たちの暮らしが良くなること。

目の前の問題に対処するだけではなく、根本的に学び方や働き方がウェルビーイングにつながるように、新陽のDXを進めていきます。

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【編集後記】
自分のことを「負けず嫌い」と言っていた尻江先生。もともとICTが得意だったわけではないというから驚きです。
新卒1年目の時にたまたま割り当てられた担当からEdTechに関わり、昨年はコロナの影響でオンライン授業の推進委員会メンバーに。学校説明会や外部のイベントに出るようになり、他校の先生たちと並ぶ自分を客観的に見て、このままではまずい!と思ったそうです。
そして、その負けたくない気持ちをポジティブな原動力に、挑戦し続けるところが素敵です。「役割が人を作る」とよく言いますが、与えられた役割を活かし、さらに自分で役割を取りに行く尻江先生はやっぱり新陽のエースだな、と思いました。(新陽にはエース級の先生がたくさんいます!)



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