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新陽生、学校の外に飛び出して本気で挑戦してみた。 【週刊新陽 #30】

10月23日(土)、今年2回目のオープンスクールを開催しました。

中学生や保護者の方に新陽高校を感じてもらうには、と入試部を中心に話し合った結果、「新陽のリアルを体験してもらおう!」ということに。

大学のオープンキャンパスのように様々なブースを設けて来場者をお迎えし、新陽の特徴がたくさん詰まったフェスのような1日になりました。

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アンバサダー(お手伝い生徒)たちが案内やプレゼンを積極的に行い、新陽の魅力を伝えようとしてくれたことが嬉しかったです。

さて、今週の週刊新陽では、オープンスクールのアンバサダーとしても活躍してくれた2人の生徒の挑戦を紹介します。

札幌大通公園プレイスメイキング

2人を含む6人の新陽生が参加したのは、10月8日から10月11日まで札幌大通公園で行われた公共的空間活⽤プロジェクトの実証実験です。

官民連携の取り組みに、新陽や札幌日大高校などの生徒たちも加わり、今年6月に動き出した高校生企画。生徒一人一人がアイデアを出すところからスタートし、その後ゆるやかにチーム分けして進んで行きました。

生徒たちの中で、カフェ店長としてコーヒーを振る舞った島田遼太さんと、

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大通うぇいLIBRARYを作った林あかりさんに、話を聞いてみました。

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コーヒーで『人』とつながる

探究コース3年生の島田遼太さんの「コーヒーでみんなに幸せを届けたい」という思いは、丸美珈琲の後藤社長の心を動かしました。直々にコーヒーの知識や淹れ方を教えていただき、弟子と呼ばれるほどに。

さらに「白い恋人」で有名な石屋製菓さんのご協力もあり、ロンドンバスのSHIMADA CAFE(島田カフェ)がオープンしました。

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- 公園活用プロジェクトへの参加理由は。

地域活性化や地方創生を勉強する良い機会になると思いました。高校1年の後志(しりべし)留学をきっかけに地方に興味を持つようになって、将来、地方創生に関わるために大学で勉強したいと思っています。

でも正直なところ、直感的に「楽しそう!」と思ったのが一番の理由です。

いつも自分の「楽しい」を大事にしてるんです。

中学生の時、日本ハムファイターズの栗山英樹監督のトークショーに行った時、直接「好きだからこそ上手になるよ」という言葉をかけてもらいました。それ以来、自分の「好き」「楽しい」という感情を大切にしよう、と決めています。

- カフェの発想はどこから。

「自分自身が楽しめるもの」「自分らしいもの」「今までにないもの」を提案したいと思ってました。

中学校の修学旅行で、東京の上野公園にスタバがあってびっくりしたのを思い出して、公園コーヒーというアイデアはありました。

それから、星野源さんが好きで、ニューヨークでのライブを特集したTV番組を見た時、セントラルパークについて「誰も干渉しない公園。みんなが好きなことをしているのがいい」と仰っていたのが頭の中に残っていたんです。

それで、コーヒーって幸せになるなぁ、干渉しないっていいな、と色々考えているうちに、ちょっと行き詰まってきたので公園に行くことにしました。

コーヒーをテイクアウトしていこうと丸美珈琲店の大通公園本店に寄ったところ、お客さんは大人の人ばかりだし、コーヒーのことは詳しくないし、ドキドキで・・・でも、お店の方が丁寧に接してくださって、それがとても心地よくて。おすすめしてもらったコーヒーを公園で飲んだら、おいしくて感動!

こんなコーヒーを提供して公園で飲んでもらえたら、心地いい時間が生まれるのではないか、と思いました。

コワーキングスペースの企画は既にあったので、最終的に、そこでの過ごし方として生まれたのがSHIMADA CAFEです。あの1杯のコーヒーがなかったら、カフェも、あの接客も生まれていませんね。

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- 店長のこだわり。

接客では、干渉しないようコーヒーだけの会話にすることを心がけました。

お仕事の邪魔はしたくないので「コーヒーのコミュニケーションだけさせて!あとはご自由に、コーヒーを楽しみながら好きなことしてください。」というスタンスで。

気持ちよく過ごして、気持ちよく帰ってもらいたい。話したい人は自分から話してくれる。そう思って、こちらからは話を深く掘り下げないようにしました。一緒にカフェをやった新陽の仲間たちや、手伝ってくれた藻岩高校の生徒さんたちも同じように気を配ってくれていました。

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4日間、唯一無二の空間ができた!と感じました。

だから最終日、ロンドンバスが行ってしまった時はいろいろな感情で泣きそうになって、大声で「ありがとうございました!!」と叫びました。

バスを提供してくださった石屋製菓のスタッフの皆さんもとても優しくて、とにかくいろいろな思い出があのバスに詰まっています。

ずっと気が張っていたのですが、終わって月曜の夜、ようやく落ち着いて眠ることができました(笑)。

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- 『自主創造』したのはカフェよりむしろ・・・

自分の創造性が必要だと感じたのは、新陽生グループのコミュニケーションです。

チャットを中心としたオンラインでのやりとりが続いて、全員で集まって話すことがなかったんです。しかも後輩など初めての相手ばかりで、関係性が築けてない同士のやりとりが一番難しくて、試行錯誤したところです。

たとえば、「だいじょうぶ」も、OKなのか、だめなのか、など、人によって違いますよね。言葉遣いやタイミングなどで意味が変わって伝わってしまったり。だから敢えて喜怒哀楽を出すような書き方をしたり、30分以上悩んで文章を書いて送ったこともあります。

でも、当日みんなと会ったら、あっという間に気持ちが楽になりました。

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ちなみに、新陽のメンバーで言うと、林あかりさんの企画にはだいぶ刺激されました。見ていて「負けられない」と思って、つい「カフェの店長やります!」と自分からハードルを上げてしまいました(笑)。

本を通して『人』と出会う

進学コース2年生の林あかりさんが企画したのは、人との出会いがある青空図書館『大通うぇいLIBRARY』。そこには、今回のプロジェクトの実行委員たちのおすすめの本と音楽が並びました。

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当日、大通公園に来られない人にも届けたいと、Webサイトも制作。あかりさん自身の記事もありますので、是非ご覧ください。(私もインタビューしてもらいました!)

- 大通うぇいLIBRARYはどうやって生まれたか。

企画会議で『喋れる図書館』というアイデアを出したら、それをもとに図書館チームができました。でもそのチームで高校生は私一人。

札幌市図書・情報館の淺野さんに相談したところ「一度会いましょう」と言ってくださって、図書・情報館を訪ねました。とても丁寧に説明いただき、一つ一つの配置やシステムすべてに理由があることに感激!

特に司書さんのブースがすごく魅力的でした。それで、ただの展示ではなく、その先にある人との出会いがあるともっと本に興味が湧くんじゃないかと考えたんです。

イメージが膨らんで、見学後に淺野さんにお話したら「どんどん動いちゃっていいと思いますよ!」と背中を押してくださって。Webサイトのアイデアもその場で生まれました。すぐに企画書をまとめて、プロジェクトを率いる林匡宏さんと淺野さんに提案したら「いいっすねー」と即決(笑)。

大通うぇいの実行委員の皆さんに呼びかけたところ、10名の方が協力してくださることになりました。

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- 札幌にいる面白い人たちを伝えたい。

オンラインでお話を聞いたのですが、皆さまお忙しいのでインタビューは1時間と決めました。その限られた時間内でお話を引き出しつつ、どうやって要点を絞るかが難しかったです。

事前質問で回答をもらっていて、例えば、「音楽が好き」と書いてくれた方にはそこを重点的に聞こうとするなど、構成や時間配分にはすごく気を配りましたね。

でも、こちらが聞かなくてもどんどん素敵な話をしてくれる方ばかりだったので、インタビューはとても楽しかったです。たくさん良いお話が聞けたので、それをまとめるほうが大変でした(笑)。

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- プロジェクトを終えて。

今は、さみしいというか・・・終わった後の余韻がすごいです。

だけど、あそこであったことを夢のように思うのではなく、今の環境にも反映できたらなって思ってます。

大通うぇいは、人との出会いが多くあった場でした。

ずっと同じ環境にいると出会いは生まれないですよね。積極的に自分の枠を出て人と出会うことっていいな、と感じました。そこに周りを巻き込んでいけたらな、って。

幅広いジャンルの方々に出会って新しい発見をし、幅が広がる感覚が好きです。自分にないものを持っている人からの刺激が好きなのかもしれません。

そういう意味で、今回のプロジェクトのメンバーは、100%自分にないものを持っている方ばかり。こんなふうになりたい!と思う方ばかりでした。

プロジェクトの中でもいろいろなチームに属していて、普段からいろいろな顔があって、柔軟で、何かにとらわれていない感じが素敵だな、って思いました。

だからこそ、今回の企画は、本を通して人と出会うことを届けたかったんですよね。

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最初の構想と、実際にできたものはほとんど同じです。

実現できたことが嬉しいと思う一方で、ぜんぶ一人でやってしまったことは反省点でもあります。他の人が混ざったら、化学反応が起きてもっと違うものが生まれたかもしれないと思うし。

今回、大通うぇいで、林匡宏さんの巻き込む力のすごさを痛感して、あんなふうになりたいなと思うんです。クラスでもつい自分でやっちゃうことがあって、任せる力も必要だと先生からも言われてます。でも、「任せる」と「放り投げる」の区別、難しいですよね・・・。

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【編集後記】
約1年半、リアルな体験から遠ざかってしまっていた高校生たち。なにかしたい、でもできない、というもどかしさを感じていたことでしょう。
今回の生徒たちも、久しぶりに、あるいは初めて街へ飛び出し、溜め込んでいたエネルギーが一気に放出しました。その熱は様々な大人たちとの出会いや高校生同士の出会いの中で互いに影響し合い、プロジェクト全体の盛り上がりへとつながりました。
でも、これで満足しないのが新陽生。彼らの挑戦は止まることを知らず、すでに次のアイデアへと動き出しているようです。


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