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イマージョン保育園〜小中学校〜高校見学_【教育視察レポート③】2019年/Finland編/

2019年9月23日:保育園

フィンランド3日目はヘルシンキ市立の保育園へ。

バイリンガル保育園9月23日 1-min

ここは「イマージョン教育(immersion program)」を行なっていて、4才〜6才の子どもたちは登園してから帰るまでスウェーデン語 only。ヘルシンキにはこういった保育園が11あるようです。

遊びの中で第二外国語を学ぶことで、将来的に他の言語も習得しやすくなったり、視野が広がったりすることが狙いなのだそう。(3才までは母語のフィンランド語です)

バイリンガル保育園9月23日 5-min

お部屋には、何で遊ぶかを一人ひとり選べるようなツールがあったり、やりたいことを書き出したポストイットが貼られていたりしました。子どもの「やりたい」を大事にして当事者意識を育んだり、外遊びや音楽、アートなどのびのび過ごす活動が多かったりするのは、ヘルシンキの他の保育園と同じです。

バイリンガル保育園9月23日 4-min

好奇心旺盛そうだけどちょっとシャイな子どもたち(フィンランド人はシャイなのだそうです)。
帰り際に手を振ると、恥ずかしそうにしながらも手を振り返してくれました!かわいいなぁ〜〜

バイリンガル保育園9月23日 3-min

2019年9月24日:小中一貫校

この日はヘルシンキの小中学校へ。ちなみにフィンランドは小中一貫が一般的です。

まずは小学校一年生のクラスを見学させてもらうと、机がいくつかの島になるように置かれています。学校に慣れるためにグループワークなどアクティビティ重視の授業が多いので、それに合わせたセッティングにしているそうです。

小中学校9月25日 1-min

教室にソファがあるのは、フィンランドでは珍しいことではないようです。授業中も、先生の目の前で(床に直接)座る子や、イスに座っている子など色々で、一人ひとりが心地よく学びに向かえることへの寛容度が高いと感じました。

小中学校9月25日 3-min


子どもたちが登校してきて、部屋に揃うといきなり授業開始。

日本からの一行であることを先生が説明したあと、それぞれの名前が日本語だとどうなるか?ということでカタカナを書いてあげると、みんな興味津々。でも、恥ずかしそうにお礼を言ってくれるところはやっぱりフィンランド人の性質なんでしょうか。

それでも、そのあと日本について学んだり、みんなで踊ったり、英語の歌を披露してくれたときに積極的な子が多かったのは、先生が『チャレンジしやすい』雰囲気づくりに取り組んでいるから。

小中一貫校 9月25日 -min


6年生のクラスでは、こちらのツアーメンバーが漢字についての特別授業をさせていただきました!

「こんにちは」「ありがとう」「かわいい」など知っている日本語もあったようで、興味を持って参加してくれました。

小中学校9月25日 4-min

日本の6年生より大人っぽく見えるけど、
「日本語は(アルファベットみたいな文字が)何個あるの?!」
「漢字書くとき時間かからないの?定規つかわなくて書ける?!」
など、好奇心旺盛。

校長先生のお話も聞くことができました。

大事なのは子どもたちのwell-being.
そのためにも、先生たちのwell-beingも大切。
校長の役割は、子どもたちのために、先生がやるべきことを自分でできるようにサポートすること。
上から指示を出すのではなく、現場から声があがってくるように、日頃からオープンな会話を心がけているのだそうです。

保育園と小学校を見て、世界中から注目されているフィンランドの教育の根幹がそこにあるように感じました。
子どもたちの自己肯定感やソフトスキルの向上が何より大切、という考え方に基づきカリキュラムや子どもたちへフィードバックする仕組みが一貫して作られていて、それを実践できるように先生も育成されているのだと思いました。

小中学校9月25日 2-min

2019年9月24日:私立高校

午後は、ヘルシンキ郊外にある私立の高校へ。

フィンランドでは私立の学校は珍しいようですが、授業料等が無料なのは公立も私立も同じ。

なおフィンランドでは中学までが義務教育。そのあと普通高校に行くか、職業学校に行くか、基本的には二択です。

私立高校9月26日 1-min


高校は単位制のような感じで、授業ごとに自分で選択した科目の教室に行きます。英語の授業に参加させてもらったのですが、20名近くいるクラス内の英語力のレベルはバラバラだと感じました。

私立高校9月26日2-min

校長先生と副校長先生は、敢えてフィンランドの教育のいいところだけでなく課題点も、と色々な情報のスライドを、ケーキとともに準備してくれていました。

例えば、教員を志望する人数が激減しているとか。また公立と私立の差は実質ない一方で、地域性などにより生徒が集まらない高校も出てきた、という学校運営上の新たな課題など。
それから、世界中から注目されているフィンランドの教育を、そのままコピーすることはできない、というヘルシンキ大の先生の記事も参考になりました。

私立高校9月26日5-min


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