忘れられない旅 in NY
これは2017年の話。
#忘れられない旅
30歳の時に読んだ原田マハの小説。
そこで見た『星月夜』。俺は本物の絵を観に行く為、ニューヨークへと旅立った。
ケネディ国際空港からそのままホテルに直行しなくて良かった。
世界一の都市、ニューヨーク。
その魔力は夜にこそ発揮されるってことが十分に理解できる初日だった。
時差ボケもあったけど、興奮して俺はあまり眠れなかった。
朝だ。さて今日は何をしよう。
そうだ、まずは腹ごしらえをしよう。
日本なら朝御膳が運ばれて来たり、食堂でバイキングしたりするけど、多分ラフでタフなニューヨーカーはそんなヤワなことはしない。
というわけで俺は完全に "なりきって" 旅に陶酔していた(笑)
とりあえずホテル近くで安価な朝メシが食えるところをフロントで聞くことにした。
「あーなるほどなるほど。ほな、バケット🥖と林檎🍎と水とコーヒーならホテルのケータリングサービスで食べ放題・飲み放題やから、あとはご自由におたくで決めや。っちゅーのがニューヨーク旅の醍醐味やで!」
みたいな事を言われた。多分教えるのがめんどくさかったんだろうな…
「ほな、旅してくるわ!」
俺はそんな旅の洗礼なんて1ミリも気にせず、林檎をかじりながら朝のマンハッタンを闊歩することにした。
(今思い返すと、「うわーおのぼりさん!」って赤面しちゃうような事も結構したな…)
腹減ってるからなんでも美味かった(笑)
今日は、9.11のときにワールドトレードセンタービルが倒壊した『ウォール街』のあたりに行ってみよーって何となく決めた。
とはいえタクシーは金ボラれるし、渋滞ヤバそうだし…地下鉄で行くべ!ってことで地下鉄乗ることにした。
どこもかしこも、カッコイイ。
明日はいよいよゴッホに会いに!
そんな二日目だった。
三日目は、MoMAで一日中過ごそうと決めていた。
MoMAはニューヨーク近代美術館のこと。
つまり世界最高のイケてる美術館ってこと。
最高だった。
血が滾った。
世界でたった一枚の『本物』
この『本物』を見るために俺は海を越えた。
やっぱ、本物じゃないと。
リアルでなんぼ。
そういう生き方のスタンスが定まった瞬間だった。
あとの期間も色々あった。
メトロポリタン美術館にも行ったし、美味いものも、カッコいいアパレルブランドでカッコいい服も買った。
でも、一番忘れられない事は
そんなものじゃなかった。
セントラルパーク。
バカでっかい公園で自転車に乗った子供たち。
すれ違いざま笑顔とセットで「Have fun.」。
この旅で一番忘れられない最良の瞬間だった。
「あなたの今日という一日に、」
「あなたの人生という旅路に、」
「どうか"楽しみ"を持って」
そんな事を言われている気がした。
多分、何気ない慣用句とか、何気ない挨拶のつもりだったんだろうけど、
この旅に出て本当に良かったと心から思った。
多分だけど、
何かに迷ったら
"楽しそう"な方にベットした方が良いと思う。
明日は何をしようかな。
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