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おかえり寅さん 〜『男はつらいよ』と親子の思ひ出〜

こんなに泣けるとは思わなかった。映画『男はつらいよ』シリーズ第50作目『お帰り寅さん』。2019年はシリーズ50周年。半世紀もの長い間我々を楽しませてくれた寅さんにお礼を言いたい。

以下、2020年(令和二年)正月に20代の息子、娘と一緒に鑑賞した後の感想を記す。(ちとネタバレ有り。映画をご覧になって読む方が良いかと

子供たちには海外生活をさせたが、毎週土曜日に鍋なんかをつつきながら『男はつらいよ』シリーズを見せ続けたので(←親が見たかったから・笑)、今回の劇場公開も一緒に行くことをむしろ楽しみにしていたのであった。

【父親の感想】
50年間の寅さんの思い出がいっぱいつまった名品。ラストのマドンナたちが次々に登場し、満男(吉岡秀隆)がハラハラと涙を流すシーンで泣けた。令和の時代に昭和の作品をどうやって繋げて作るのだろうと思ったが、予想以上に素晴らしかった。

【息子の感想】
なーんだ、満男がイズミ(後藤久美子)と再会して不倫しそうになる話か。イズミも独身だったなら納得できるハッピー・エンディングだったのに!

【娘の感想】
満男の娘ユリ(桜田ひより)だけど、あんな娘は世の中にいない。中三にはとても思えない、小学生かっ?て感じ。典型的な”昭和のおじさん”がイメージする理想の娘だわ。ありえない。ユリの友人の太めの女子(富田望生)だけリアルな感じ(笑)。編集長・飯田役のカンニング竹山もリアルだったね。

子供たちには、巻頭の桑田佳祐による主題歌独唱も不人気、ブーイングだった。プロモーションビデオじゃないんだから。寅さんの世界観ぶち壊し、なんで出てきたの?と散々(苦笑)

Reference: YouTube

今回ぼくが隔世の感があるなと思ったのは、松竹映画を東宝シネマズで観たこと(笑)

『男はつらいよ』シリーズの頃は、松竹系でないと観れなかったからね。映画館へ行くと、家族連れ、サラリーマンやOL、カップルや、ヤクザ風のおっさんがスナックのママ風情と腕を組んで雪駄の音をさせながら劇場内を闊歩していたり、それはそれは面白い空間だった。そして観客はみんな同じところで大笑いして、満足げに劇場をあとにする。いい雰囲気があったものだ。

いずれにせよ、子供たちに「正月、映画館で、寅さんを家族で観る」という体験をさせてあげられたことを親として嬉しく思う。

なんだかんだいって、子供たちも面白かったと言っていたから。

ぼくら親子も満足げに劇場をあとにしたのだった。

今夜は鍋にするか。

てなことで。


最後までお読みいただきまして誠にありがとうございました!