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山の辺の道がもたらす郷愁のようなもの

奈良盆地の東を南北に結ぶ「山の辺の道」を歩くのが好きです。なかでも、桜井市の三輪駅から天理市の天理駅にむかう道が好きでたまりません。

歩いていると、幼いころの様々な風景を思い出します。

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目をこらしてツクシを探した土手。最初はとても難しい。ここだよ!っと教えてもらうまでわからない。でも、自力で1本みつけたら、次から次へと どんどん見えてくる。不思議だったなぁ。うれしくてうれしくて、手を真っ黒にして採ったっけ。

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田植え前の田んぼは、レンゲが鮮やか。かんむりの作り方が難しくて、何度も何度もやりなおした。上手にできなくてベソをかいてたら、いつもはイジワルな近所のお姉ちゃんが、手を取って編み方を教えてくれた。完成したガッタガタのかんむりを得意気に頭にのせて家に帰ったっけ。

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おこづかいで、農家のおばさんからイチゴを買って食べながら遊んだ。畔にヘタを投げ飛ばしながら笑ってた友達の横顔。甘酸っぱくて、ジュワッとなる耳の下。あの頃は、まだ、イチゴが大好きだったのに、今は、あまり好きじゃない。いつから変わっていったっけ。

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仲良しだった男の子がザリガニを釣っていた水路。白いランニングシャツの背中から伝わる真剣さ。麦わら帽子の影。かたわらで覗き込む おじいちゃんは、ザリガニ釣りの名人で師匠って呼ばれてた。見事に釣りあげられ、アスファルトの上で踊るザリガニの迫力。怖くて触ることもできなかったっけ。

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神社のお祭りの日に買ってもらった宙に浮く風船。ゆらゆら揺れる変なタコの顔ごしに見えた夕日。石畳でつまづいてコケて。あえなく手から離れて空に昇っていく風船を呆然と見てたこと。膝から血がでてるよって言われたとたんに、ズキズキと痛みがやってきたっけ。

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初詣で買ってもらった りんご飴。全然、歯がたたなくて途方にくれたこと。そのとき履いてた赤いスカート。髪型は、典型的なおかっぱで、前髪パッツンでも平気だった。

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なんていう作り話が、どんどんどんどん思い出されます。そうです作り話です。少しの事実と捏造と二番煎じと妄想です。
まるで実家に帰ってエンガワでお茶をすすっているときみたいに懐かしく、匂いまで蘇ってくるというのに。
(ちなみに、これも作り話。団地育ちだから実家にエンガワはありません)

写真は、2020年1月11日に撮影したものです。これは本当。また、1年もしないうちに歩きにいくのでしょう。
そして、仮想的ふる里に想いを馳せ、その色鮮やかさや、瑞々しさに感動するのでしょう。

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以下、端折りながらの見所案内。

「山の辺の道」(山辺の道)とは
奈良盆地の東、奈良と桜井を結ぶ道です。日本書紀に名を残すことから日本最古の道ともいわれています。山すそを縫うように続く道沿いには、神社・寺・古墳・歌碑など見所が多く、標識や公衆トイレなどが整備されたハイキングコースになっています。

JR三輪駅から大神神社へ
奈良県桜井市にあるJR三輪駅から大神神社にむかう道は、古くから多くの参拝客を迎えてきたことを物語る趣があります。
大神神社は、日本最古の神社として、また、パワースポットとしても有名。お参りすると、不思議なほど邪気が祓われた清々しい気持ちになります。少なくとも私は。あるいは。私でも。

境内を北上し、大美和の社展望台に登り大和三山を眺めると、心のこわばりが解けていくような気がしてきます。

檜原神社
元伊勢、檜原神社。境内も 遠くに見える二上山も。本当に好きでたまらない。わたしにとっては、コース最大の萌えポイントです。

「洋食katsui」さん
コースなかほどの天理トレイルセンター内にある洋食屋さん。混んでいますが美味です。ビールも飲めます。

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石上神宮
コースをしめくくる石上神宮。由緒ある神社です。毎回感じるのは、やさしさとか包容力のようなもの。神鶏さんがコケッコーコケコケと高らかに歌っておられます。

天理駅に向かう道
奈良県天理市にある天理駅。JRと近鉄の駅が隣接しています。駅に向かう道沿いには天理教本部や商店街があり、天理教の町であることがわかります。

以上、JR三輪駅から天理駅までの見所でした。距離は14km弱。ゆっくり参拝して、ゆっくり食事して(30分ほど待ちました)、のんびり写真を撮りながら歩いたので、5時間ほどかかりました。天理観光ガイドさんによると、所要時間3時間55分とのことです。

#山の辺の道 #山辺の道 #ふるさとの風景 #大神神社 #石上神宮




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