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女子大生が山の中の古民家で過ごして気づいたこと

総務省の『ふるさとワーキングホリデー』という制度で岐阜に出会い、遊びに行くようになってもうすぐ3年。関東に住む女子大生のやまのぼりです。

私の大学生活はほとんど、このふるさとワーホリと岐阜への旅に費やしてきたといってもいいほど岐阜が好き!です。愛が溢れて『岐阜ワーホリ感謝祭』というイベントを開催したり、Instagramで発信なんかもしています。

今回は"自主ワーホリ"ということで、前回岐阜に遊びに来たときにお世話になったあやみさん一家にお邪魔して1週間のホームステイ体験をしてきました。

ここでは山の中にある古民家での体験や、そこでの暮らしと普段の生活を比べたときに気づいたことを体験レポートとして紹介していきたいと思います!

築150年!?山の中にある広~いお家

岐阜県恵那市笠置町に住む佐藤一家。

あやみさんが旦那さんのあきひこさんを連れて、実家へUターンし、2人のお子さんとあやみさんのお母さんの5人で、戦前からあるという広い古民家で暮らしています。

仕事はECサイト運営をしつつ、畑や田んぼを持って自給自足な生活を送る……という、まさに憧れの田舎暮らし。YouTubeも素敵なので、ぜひ癒やされてください!

そんな一家では、水道は近くの山から水を引いて、お風呂は薪で沸かして、食べ物は野菜もお米もできるだけ自分たちで作って…という、今が令和であることを疑うような毎日を送っています。

私もお風呂の薪修行をし、最終日には一人で火を付けられるようになりました。ヤッター!

離れがあったり、炊事場があったり、トイレがあったりと、お家が広すぎて部屋の移動の度に外に出なきゃいけない生活も新鮮でした。

不便と思う人もいるかもしれないけど、ホームステイで家に籠もるのが嫌だった私からすれば、これだけの種類の部屋があるのはむしろ楽しい…!

こうした外と中を徹底的に分けない家の構造は、自然と戦うのではなく、共存する日本らしい様式だなあと思ったり。

ただ、部屋でも外でもダウンジャケットはずっと着っぱなしでしたが!笑 寒さに強くなれた気がします!笑

やっぱり岐阜のごはんは美味しい!

一週間で明らかに顔が一回り大きくなったほど、たらふくうまいもんを堪能してきました!笑 こたつに入って食べるご飯も美味しい~!

あやみさんが料理上手だというのももちろんあると思いますが、明らかに違うのはその料理の素材。

手作りの野菜、たくさんのスパイス(庭で採れたハーブなど)、地元の美味しい食材達。とにかく野菜でも卵でも味が濃い。美味しい。

その一部をおすそ分けします!

みんなで包んだ100個餃子。隣のサラダは、ブロッコリーってこんなに美味しかったけ?と思うほどほくほくでうまい。もちろん畑で採れたもの。

身がぷりっぷりのもつ鍋。このお肉って私の地元だとなかなか手に入らないレア素材。次の日に胃がもたれるくらいには欲張りました。

こちらは梅の春巻き。自家製の梅干しをペーストにして包み、さっくりと揚がっています。ほどよい酸味で無限に食べられる。

最強のカルボナーラ。これはやばかった(美味しすぎて2日連続で作ったほど!)地元の美味しい養鶏場の卵に、味の濃い~激ウマチーズ、自家製ベーコンといううまさしかない布陣。もう普通のカルボナーラには戻れません。

食べることって幸せなことだ

あやみさんのお家では、野菜やお米だけでなく、キムチやこんにゃくなどのいあわゆる加工品もなんと手作り!しています。

家族みんな食べることが好きというのもあり、食への飽くなき探究がすごい…!手間も暇もかかっているたくさんの料理を作っていただきました。

普段は自分で朝とお昼ごはんは作っていますが、ほぼ調理と言える調理ではありません…。同じメニューだから味わってもいないし…。

だからこそ、こうして楽しく料理をしたり、食材を作ったり、これが美味しいあれが美味しいとみんなで食卓を囲ったりした時間は、「食べること」って幸せなことだと改めて感じました。

食べることって生きるためにまず必要なことで、元気もでるし、美味しくてお腹いっぱいになったら、満たされた気持ちになれるんです。

何を当たり前のことを!という声が聞こえてきそうですが、コロナ禍で物流が止まってスーパーから食べ物が無くなったら畑を持たない私の家は飢えるしかない…という不安を感じていたので、自分たちで食べ物を生み出し、それを噛みしめられるのはやっぱり幸せな事だと思いました。

そうして私も食にこだわりたい!と思ったのですが、実際はギリギリ包丁を握れる程度の実力(泣)。あやみさんに教わった料理や野菜の切り方を思い出して、日々修行に励みたいと思います。

子育ての実感は赤ちゃんと暮らさないとわからない

今回一番強く印象を受けたのは、赤ちゃんのいる生活感覚でした。

というのも、私22歳、結婚願望も赤ちゃんが欲しいという気持ちも薄く……。

SNSやニュースを見ては、

育児休暇の不迎合、女性だけが強いられる妊娠・出産によるキャリアの挫折、育児を手伝わず仕事を優先する旦那、夜泣きで鬱に、保育園の受け入れ先が見つからない、出産は死ぬほど痛い、、、などなど数えたらキリがないほど、赤ちゃんを生むと辛い事が待っているという事しか頭になかったのです。

だから今まで、こんなに大変なのに、なぜ世の中のお母さん達は赤ちゃんを生むことを選ぶのだろう?と不思議に思っていました。

でも、あやみさんの家に来て、少し考え方が変わったと思います。

一家のお子さんには、保育園の年長さんの6歳の子とまだ哺乳瓶を飲んでいる1歳3ヶ月になる子がいます。私も2人と遊んだり、いっしょにご飯を食べたりして1週間を過ごしました。

この子たちがいると本当に賑やかで、楽しくて。

彼らは常に何かを発見し、興味を持ち、試して、時には見せに来てくれて、こんなに小さな体で精一杯毎日を過ごし、どんどん成長していく姿にとても元気をもらいました。

ウワサに聞いていた大変さは確かにありましたが(散らかる部屋、ご飯やトイレのサポート等)、育児の良い予行演習だと思うと勉強になることがたくさんありました。

・歩けるようになった赤ちゃんは3秒でも目を離すと、やっちゃいけない事をし出す
・仕事や家事をしたい時間に合わせて、赤ちゃんの寝る時間やミルクの時間を調整するのが大切
・どんな事が起きてもおおらかな気持ちでいること

などなど。普通に大人だけで生活していたら予想もつかないようなことが日々起こります。自分達よりもまず子どもたちが優先になります。気づいたら一日が終わっていて、一年もあっという間だそうです。

そんな愉快でてんやわんやな生活をしている、あやみさんご夫婦を目の前で見てきて、聞いてきた話とは違う子育ての実感のようなものを初めて知りました。

確かに大変そう、でもとっても楽しそうだと思いました。

私のように、聞いた話だけで子どもを持つ事をためらう人もいるのではないかと思います。一人目の子どもを生む時は、親初心者で、何もわからなくて心配で不安に思う人も多いと思います。

そんな人達には、一度、赤ちゃんのいる生活を体験してみるのをおすすめしたいです。子育ての実感は赤ちゃんと暮らしてみないと大変さも楽しさも喜びもわかりません。

そして、育児の事を何も知らずに仕事を優先する人達にも、ぜひ体験してみて欲しいです。お茶碗半分にも満たないご飯をゆっくり食べるのを見守るいじらしさも、目が合うと笑ってくれる愛らしさも、全部。

親になると、食べて、寝て、身の回りを綺麗にして、時にはお金も生み出し、物を選んで買い、文芸を嗜み、そうした生活をしながら子育てもしなければなりません。

生活をどれだけちゃんとしているかは、人によって違うけれど。

あやみさん達は、とても豊かで私にとっては魅力的な生活をしながら、お子さんの成長を見守っていました。

今回のホームステイでそうした家族の暮らしを垣間見れたことは、パートナーと家族になって子どもを育てるのも、良いのかもしれないと思わせてくれました。

心を癒やしたいならスマホではなく白菜を握ろう

普段、大学の授業はオンラインで、バイトも自宅でリモート、とひきこもり生活をしている私が、火を起こし、包丁を持ち、赤ちゃんにご飯を食べさせてあげて…と一気に生活力が爆上がりし、生きるために大切な事は何かを考えさせられた一週間でした。

例えば、リモートワークの疲れを癒すために某メディテーションアプリを使って深呼吸したりしてたのですが、今回の滞在を通してわかったことは、リラクゼーションするなら、大量の白菜に塩を塗り込んだ方が無心になれるということでした。

心の健康のためには、スマホやパソコンから離れ、身体性を伴った行動が大切だと改めて感じました。

日々の暮らしこそ、生きていくために大切な事だったのです。

そうした事を毎日実践している佐藤家で過ごせたことで、暮らすことの本質が少し、わかったように思います。



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