アッパー如来

「とくに要らない」モノ・コトバ。 平凡な "表現の雑貨屋さん" 。

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🔰「不要不急」の溜まり場

はじめまして。アッパー如来です。 1998年1月30日(水)15時00分 この世に生まれ落ちて、早いもので四半世紀が経ちました。 僕は、「人生100年時代」と呼ばれる現代の4分の1を消費したことになります。 思えば、物心ついた頃から、日々「書かねば、描かねば」と感じていました。 それが今、クリエイターを志す上での、大きな糧になっています。 ここは、そんな僕にとっての、周りからは「とくに必要とされていない」モノ・コトを遺していく、掃き溜めであり、物置きであり、引き出しであ

    • 「だまし絵」

      すべてのこどもたちが 妊娠を覚える頃 重たいこうべを垂れ 身体は浮かび キュビズムの歌を口ずさみながら 神さまの描かれた板に足を乗せる 恵まれた時代に産み落とされた ぷにゃぷにゃの生き物 不幸な健常者 わたしがあなたたちに いろはかるたを詠んであげよう お手つきした子は白いお顔で 苦い粉を煎じて飲み干すの 遠巻きに見るその姿は まるでヴァニタス トロンプルイユ 壁の穴を覗き込めば 幾千もの兵隊さんたち 赤とんぼ 夕陽に焼け落ちた あなたたちの親 せめて海が見え

      • 昨日交わした約束 それが守られることはなく 僕のこころは運河の底に沈み

        • 3度目の同じ海、秋深まる深夜2時 冷たくて黒い波は、静かで饒舌 私たちの間に言葉はいらなかった

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        🔰「不要不急」の溜まり場

          ああ、気の抜けた途端 一気に 秋のにおい、ひつじ雲 誰かの家から お風呂の湯けむり

          ああ、気の抜けた途端 一気に 秋のにおい、ひつじ雲 誰かの家から お風呂の湯けむり

          「失墜」(2021/10)

          自信を失くした人間は 斯くも美しくないものか 朝の陽が差し込み 土気色の肌はオレンジ色へと 照らされ、露わに 嫌でも視界に入る 空と人と車 嫌でも聴こえてくる 鳴き声、笑い声、排気音 そして身体に触れる風の強さと冷たさで これが「日々」であることを知る 煙草を喫んで吐き出す煙は過去の魂 唯一無二だった明日への希望 2021年10月5日午前6時 世田谷区某所にて

          「失墜」(2021/10)

          同情するなら

          『Q. なぜあなたはそれをするのか?』 さまざまな場面において、自分の行動指針についてこうした質問を投げかけられた時、「人の役に立ちたい」だとか、「人を笑顔にしたい」といったことを口にすると、大概胡散臭い綺麗事として一蹴されてしまいがちだが、私は直感的にこの回答を用いてしまう。 過度に難しいことを考えられず、そして仮に言語化できたとて上手く発語するだけの瞬発力を持ちあわせていないし、こまごまと語るほど優れた経緯もないので、ただただ、「自分はそれが好きで、それによって誰かが少

          同情するなら

          両生類になっちゃいなよ

          「春は寒暖差があるから」 「五月病だから」 「梅雨だから」 「夏バテで」 「季節の変わり目だし」 「寒いから」 と、まあこういった理屈で年がら年中言い訳をしているのが、僕という人間だ。 特に夏は好きじゃないね。脱いでも脱いでも暑さから逃れることはできないし、ちょっと外を歩こうものなら、手間暇かけて仕上げたヘアスタイルだってメイクだって、人と会うまでに型崩れするのがオチだしさ。 これから季節は夏を迎え、少しずつ陽射しに肌が焼かれる時期が始まる。 夏本番を迎えるにあたり、梅

          両生類になっちゃいなよ

          人が夜に恐怖するのは、彩度と音の奪われた暗闇の世界に、ひとりぼっちで取り残された気分になるからなんだよ

          人が夜に恐怖するのは、彩度と音の奪われた暗闇の世界に、ひとりぼっちで取り残された気分になるからなんだよ

          きれいごと

          誰かの役に立てる大人を目指してきた。 こんな自分の想像力や感性、願わくば僕自身が創り出した何かによって、誰かが笑ってくれたなら、それは僕の本望で。 僕の夢というのは、そんな無計画な綺麗事で成り立っている。そんな漠然とした承認欲求だけで、後先考えずにふらふらと生きてきた。 これを「芯がある」と言われたら、それはそう。かなり強い意志で以て夢物語を描いている。 しかし裏を返せば、つまりは「誰かがいなけりゃ生きられない」わけで、それもまた一理ある。 僕みたいな単純な人間だと、そ

          現在・過去・未来 (近況報告ダイジェスト)

          こんなにも、書きたいことで溢れている夜はいつぶりだろう。 話題性に欠き、とかく沈黙を貫いてきたあの頃とは打って変わって、最近の僕は、誰かに伝えたいことが山積している。 どれも、とても些細なことだ。 仕事帰りにライブに行ってきただとか、この歳になって新しく気の合う友人ができただとか、自然の中をだらだらと歩いて桜を見ただとか。 ありふれた表現でしか伝えられないのがむず痒いけど、毎日の中にうっすらと、あたたかい光の線が流れ込んできている。そんな感覚がする。 こんな時、素直に

          現在・過去・未来 (近況報告ダイジェスト)

          「不眠症」

          音のない夜 暗闇の中 ベッドに横たわる自分の鼓動が 身体の中で幾重にも響き渡っているみなさん いま、なにを思っていますか 今日一日を振り返って すこし恥ずかしくなっていますか 明日のことを考えて すこし億劫になっていますか 朝のニュースが告げたあの事件のこと スマホで見かけた悲しい文字列のこと ブルーライトが見せたあの輝きが 目に痛く感じたんじゃないですか 自分自身のことさえ 上手にコントロールできないのに 目を伏せたくなるような世の中を あれこれ考えるだけ虚しいと思っ

          「虚像」

          これは僕じゃない いま鏡の中にいるのは、僕じゃない 今朝 身支度をしていた時 あの時までは僕だった でも今視えているのは、僕じゃない 僕はこんな顔じゃない 会社のトイレは呪われていて そいつが鏡の僕を歪める 誰も信じちゃくれないんだけど まるで別人を映し出す 目の下に黒く色が浮き出る 見たこともない影が現れる 少しずつ皮膚がよれてくるような 重たい感覚に襲われる 唯一僕だけが気付いていること 鏡の僕は、僕じゃない 会社のトイレはそれを映すけど 僕はこんな顔じゃない

          夢の6枚切り

          僕が今住んでいる部屋は、間取りに少々難があり、持てる電化製品に限りがある。 一般的な家庭が、台所エリアに冷蔵庫・オーブンレンジ・トースター・ポットなどをひと所に配置できるのに対し、うちのキッチンには冷蔵庫の分しか電気が引かれていない、謂わば実用性に欠けるデザイナーズマンションなのだ。 張り切って揃えたキッチン用品も、いざ入居した直後に、そのままお役御免になった物さえある。 したがって、僕はこの7年間、自宅でトーストを食べたことが一度もない。 我が家の「朝ごはん」 ま

          夢の6枚切り

          「永遠の課題」

          【設問1】下記の問いかけに対し、回答例を参考に、()内のキーワードを複数用いて、各問それぞれ100字以内で記述せよ。 ①あなたが、世間一般からは「無謀」だと揶揄されるような、とある夢を追いかけていたとします。 この行動を意味があるものと仮定し、その根拠について教えてください。(25) 解答欄: 例) いかなる人間であっても、皆可能性を秘めており、たとえ今は経済的自立が難しく、将来の展望が見えていなかったとしても、できることを少しずつこなすことで、目標を達成し得るためのプ

          「永遠の課題」

          「クライング・デトックス」について

          訳もなく、涙を流したくなることが、ある。 ごく平坦な生活の中、何の変哲もない毎日において、「たまには感情を揺さぶられるような事物に触れるべきだ」と、意識的に泣くことが、多々ある。 誰しも、各々の日々を送る上で喜怒哀楽の起伏があるが、今の僕にはそれが存在していない。 人に会わず、話さず、時に悩めることがあったとしても、己という個体の中で全てが完結する生活。 この無味無益な日常、および、自己による、自己を取り巻く慢性的なストレスを打破するためのひとつの手段として、僕は、あえ

          「クライング・デトックス」について